『寝ていたいが、先輩の言葉』

怒鳴り声が辺りに響いている。

「おい、役立たずがごろごろしやがって、邪魔だ」

私は、道の真ん中に寝そべっている。

怒鳴り声は、辛辣なものだった。

それは明らかに、私を指したものだ。

ただいくら辛辣な怒鳴り声でも、それが自分の発したものであれば、いくらでも耐えられる。

「おい、邪魔だっつってんだろ、どけよ」

私はごろごろしながら、口先で怒鳴り声をあげた。

背中を地面につけていると、肺が圧迫されて、大きな声をあげるのにも技術がいる。

「邪魔だな、こいつ。いったい誰の許しを得てごろごろしているんだ」

思いつくままに、私は声をあげ続けた。

体はだらしなく路上に横たえたまま。

道行く人たちは、眉をひそめて私に視線を落としながら、構わずに通り過ぎて行く。

当然だ。

寝そべったまま吠えている奇怪な人間、関わったら損だ。

企みがうまくいっているので、私はほくそ笑む。

こうやって、誰かに怒鳴られる前に自分で自分に怒鳴っていれば、誰も怒鳴ってこない。

私は、他人より先回りして自分を怒鳴りつけているのだ。

これも処世術である。

すでに自己批判している者を、誰も批判することはない。

他人から批判されることを避けようと思うなら、まずは自己批判だ。

「昼間から道端に寝転がってこんな奴、ろくな奴じゃないよ」

昼間から道端に寝転がりながら、私は大きな声をあげる。

ろくな奴ではない。

道行く人たちが、あいつ自己批判しているな、といった顔で私を見ながら通り過ぎる。

あえて私に語りかけることはない。

いいぞ、と私は思う。

昼下がり、道端に寝転がってのんびりするのには最高な、気持ちのいい時間だ。

このまま、怒鳴りながら、他人からの追及を避けて。

夕方までまったりしよう。

そう目論んだときだった。

「おい、君、いい加減に静かにしてくれないか」

静かな、それでいて力強い声が私に降り注ぐ。

私自身の声ではない。

私は、寝転んだまま、体を強張らせた。

他人からの追及を受けた。

あれだけ自己批判を繰り返していたというのに。

それでも、声をかけてくる人がいる。

私は上半身を起こした。

近くに、寝そべっている人がいた。

高齢の男性だ。

グレーのスーツを着て、黒縁の眼鏡をかけた、人品卑しからぬ風体。

そんな人物が、私と同じように道端に寝そべっている。

スーツが土に汚れるのも構わず。

こんな人物が近くに寝ていることには、気付かなかった。

「さっきから騒々しい。君の横暴な声に、私の思索は妨げられているのだ」

男性は控えめな声で訴えた。

私は、萎縮した。

「申し訳ありませんでした」

頭を下げた。

眼鏡の奥から、男性の細い目が私を見ている。

「君、見たところ、まだ若いな」

「はっ…」

男性に鋭く指摘され、返す言葉もない。

「いいかね、君。私がこうやって道端に横たわって思索にふけるのも、これまで長年、実生活で充分な経験を積んできているからこそだ」

男性は寝転がりながら、重々しい声で言った。

私はうやうやしく言葉を拝聴する。

「君のような若い者は、まだ寝そべって思索にふけるには早い」

「は…」

批判めいた調子に、私はただただ頭を下げる。

「立ち上がりなさい。立ち上がって、世界を見てきなさい」

男性は、力強い声で命じた。

言い返す言葉が思いつかない。

しかし本心を言えば、このまま、寝ていたかった。

「駄目だ。横になって死を待つには、君はまだ早過ぎる」

まだためらっている私に、男性はさらに声をかける。

死を待つ、という言葉は重い。

私は、思わずうなずいていた。

「全ての可能性に賭け終えた後、またここに寝に戻って来たまえ」

私の顔色を見て、男性は声色を和らげた。

「はい」

私は立ち上がった。

世界を見る。

可能性に賭ける。

そう言われると、確かに私にはまだ世界を見る余地も可能性に賭ける余地も、残っている気がしてくる。

「ちょっと行ってきます」

「元気でな。時々手紙をくれよ」

寝そべったままの男性に見送られ、私は旅に出た。

本当のことを言えば、あのまま私もごろごろしていたかったのだが。

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『瞬殺猿姫(41) 猿姫、行き先を思案する』

猿姫(さるひめ)は、心の疲れを押して祠に戻った。

「猿姫殿っ」

観音扉の戸を開けるなり、歓声を耳にする。

織田三郎信長(おださぶろうのぶなが)の声である。

「お帰りが遅かったので、拙者心配しておりました」

祠内部の薄暗い中に、猿姫を迎える三郎の人懐っこい顔がある。

猿姫は、その見慣れた顔を目にして、少し安心した。

先ほどまで、忍びの女である一子(かずこ)と対峙して、極度の緊張状態を強いられていたのだ。

絶対的な仲間の存在は、心強い。

「外は安全だ。行こう」

三郎にうなずき返しながら、一子はそれとなく他の二人にも目を配った。

正装をした、見た目のいい若い武士がいる。

神戸城の城主、神戸下総守利盛(かんべしもうさのかみとしもり)である。

彼は今猿姫たちがいる神戸城の主だが、神戸城は関家の軍勢に攻められて落城寸前である。

この状況にあって、神戸下総守は飄々とした顔つきでいる。

落城にあたり覚悟を決めた故の落ち着きぶりなのだろう、と猿姫は彼の表情を肯定的に受け止めるようにする。

そしてもう一人の男、蜂須賀阿波守(はちすかあわのかみ)。

猿姫、三郎、下総守よりもひと回り年かさの男である。

彼は美濃国戦国大名、斎藤氏の配下の武将だった。

木曽川の渡し場で、猿姫が斬り合いの末に倒して拉致してきた、人質だ。

この阿波守、祠に戻ってきた猿姫の顔を、油断なく観察している。

三郎、下総守とはその視線の鋭さが違う。

猿姫は、その阿波守からの視線を極力避けようと努めた。

「おい」

阿波守が、祠の中から横柄に声をかけてくる。

猿姫はその呼びかけを無視して、それぞれ祠から出る三郎と下総守の手を取って外に導いた。

「おい」

祠の中から、阿波守がまだ声をかけている。

猿姫は無視した。

若い男二人を竹薮の先に導く。

「おい、猿の女」

無視され続け、阿波守はいよいよ声を高めた。

「猿姫」

「何だ髭、さっきからおいおいうるさい」

猿姫はいらだちながら、阿波守の髭面に目をやる。

「私は今忙しいんだ」

「忙しい、じゃないだろう」

三郎と下総守をうながして先に進む猿姫の背後で、阿波守は祠から出てきた。

「お主、どうも様子がおかしいぞ」

猿姫は阿波守の方を振り返った。

「そんなことはない。何もなかった。外が無事かどうかは確認したんだ。行くぞ」

先の一子とのやり取りについては、後々、三郎には報告するつもりでいる。

だが、阿波守にわざわざ教えてやるつもりはなかった。

たとえ彼に対しての心証はましになっているとはいえ、彼は人質に違いないのだ。

つらかった一子とのやり取りを、生意気な人質の男になど語る義理はない。

「怪しいな」

となおも言いながら、阿波守は後から続く。

再び三郎と下総守の先に立って竹薮の中を歩きながら、猿姫は背中に阿波守の視線を感じている。

 

四人は、ようやく神戸城から脱出した。

神戸城の東方で南北に走る伊勢街道に出ている。

この街道を北に向かえば四日市の宿場、そして南に向かえば途中で猿姫たちが上陸した白子の宿場に着く。

さらに南へ向かえば、南伊勢に行き着く。

街道の脇でひと休みしながら、四人は今後のことを話し合った。

「三郎殿、どうする」

猿姫は、三郎の判断を仰ぐ。

神戸城は今頃、関家の軍勢に落とされてしまっただろう。

もともと猿姫たちは、神戸家に口を利いてもらい、そこから陸路を西に向かって堺まで行く手はずだった。

しかし、神戸城の西から、関家の軍勢が攻めてきたのである。

関家の本拠は亀山城で、そこには猿姫たちが神戸城の次に向かうはずの城下町があった。

神戸城の城主である下総守と共に神戸城の東に脱出してきた猿姫たち。

今後改めて西の亀山城に向かうのは、難しい。

何より、神戸城を経由することができない。

そこは城を落とした神戸勢が占拠しているからだ。

猿姫に見つめられて、三郎はたじろいだ。

「そ、そうですな」

思案の顔。

困っている。

もともと猿姫と話して、神戸城の神戸家を訪ね、その後の旅の安全を確保することで決まっていたのだ。

急に予定の変更を迫られることになって、彼の当惑は猿姫にも見てとれた。

神戸城から亀山城にかけての道をふさがれては、西に向かう道は限られてくる。

「どうすれば一番よいのでござろう」

三郎の目が、猿姫に助けを求める。

助け舟とまで行かずとも、何か考えの材料を提供しなければ。

猿姫はそう思った。

「神戸城から西には関勢が待ち構えている。さらに関勢の後ろには、六角家が控えているらしい」

忍びの女、一子からの情報だった。

北の近江国を本拠とする大大名、六角家が関家の後ろ盾になっているのだ。

「となると、堺に向かうには、遠回りをしないといけないようだな」

猿姫は、平静を保って言った。

できるだけ三郎の判断に任せたいので、余計な情報を与えたくなかった。

「遠回りでござるか」

と、三郎は思案する。

阿波守が傍らに立って、片手であご髭をいじりながら三郎を見ている。

「おい、うつけ」

「なんでござる」

応じる三郎。

「面倒だから、お主らいっそ、尾張に帰ってはどうか」

阿波守は提案した。

尾張国は、三郎と猿姫の故郷である。

しかし今は、三郎の弟であり彼と敵対する織田弾正忠信勝(おだだんじょうのじょうのぶかつ)が支配する土地である。

もし帰ったら、三郎も猿姫も弾正忠に捕らえられ、処刑されてしまうだろう。

以前に二人は、弾正忠配下の武士たちを自衛のために殺害している。

「何がいっそ、だ」

猿姫は阿波守をにらみつけた。

「適当なことを言うなよ」

「そう馬鹿にしたものでもない」

と、阿波守。

「織田家に恭順しろと言うのではない。逆だ。秘密裏に尾張に戻り、弾正忠を暗殺せよ」

阿波守は、声をひそめて言った。

猿姫は、呆れた。

目の前の髭面の男は、他人事だと思って適当を言っているのだ。

そんな簡単に暗殺がかなうのなら、とっくに猿姫たちもやっている。

だいたい、三郎は弾正忠の暗殺に失敗したので、猿姫と共に故郷を脱出してきたのだ。

「貴様、人質の境遇から逃れたい一心で、適当なことを言っているのだろう?」

猿姫は、憐れみを込めた目で阿波守を見つめた。

阿波守は、狼狽の気色を見せる。

「馬鹿な。そう見くびられては困る。俺は、真剣にお主らの今後を考えて言っているのだ」

「どうだか」

鼻を鳴らす猿姫。

猿姫の反応を見て、阿波守は自尊心を傷つけられたような顔をしている。

少し言い過ぎたかな、と猿姫は思った。

 

そんな三人の脇で。

慣れない徒歩での脱出行の後、息も荒く休んでいた神戸下総守である。

ようやく元気を取り戻した彼は、猿姫たちの方に向き直った。

「私に提案があるのだが」

三人は、下総守の方に向き直った。

三人共、下総守の去就について、無意識だった。

居城を攻め落とされた彼の身柄を、何とかしないといけなかったのだ。

「下総守殿。いったい何でござる」

三郎が応じた。

「貴殿ら、南に行く気はないか」

「南、でござるか」

「うむ」

下総守は鷹揚にうなずいた。

「私は以前から南伊勢の名家、北畠家によしみを通じておった。これから、北畠家のところに行ってしばらくやっかいになろうかという腹でいる」

なるほど、と猿姫は思った。

城を失った下総守。

こういうときに頼りになるのは、背後にいる大大名の存在なのだ。

関家の背後に六角家がいたのと同様、神戸家の背後には北畠家

頼もしいことだ。

「それは結構なことでござる」

下総守の言葉に、三郎はうなずいた。

「つまり、我々は貴殿を北畠家のもとまで送り届ければよろしいのでござるな」

「そうしていただけると有難い」

下総守、三郎の物分りの良さに安心したようだった。

猿姫は、眉をひそめる。

北畠家がいるのは南のどの辺りかわからないが、すぐ近くということはないだろう。

南伊勢とひと口に言っても、広い。

その目的の場所まで下総守を連れて道中を行くのは、気苦労が多そうだ。

「貴殿らへの助力を約束したはずが、こんなことになって恥じ入っている」

下総守は、そう口にした。

神戸城で、三郎と猿姫は彼に対し、堺までの道中への助力を請うたのだ。

北畠家にまで届けてもらえれば、私から北畠中納言様へ口利きをいたそう」

猿姫の顔色を読んでか読まずか、下総守はそんなことを言った。

「北畠中納言様なら、貴殿らが堺へ行く手助けをしてくれるはず」

北畠中納言具教(きたばたけちゅうなごんとものり)。

南伊勢の大大名、北畠家の当主である。

北畠家南北朝時代、「鎮守府大将軍」として奥州の軍勢を率いて南朝方として活躍した武将、北畠顕家(きたばたけあきいえ)を生んだ公家の家柄である。

北畠顕家の弟にあたる北畠顕能(きたばたけあきよし)が南伊勢に土着し、以降、朝廷から伊勢国司職の任命を受けて勢力を誇っている。

北畠具教は、その北畠顕能の末裔にあたる人物だった。

押しも押されもせぬ名門である。

「わかった、わかったけれどそんな一度に教えられたって名前を覚えられない」

北畠家について解説役を買って出た三郎の解説に、猿姫はいっぱいいっぱいになって言った。

「これから北畠家を訪ねることになりそうなので、覚えてくだされ」

三郎は、目を光らせながら答えた。

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今日の即席麺この一杯。보글보글 부대찌개면(ポグルポグルプデチゲミョン、プデチゲ麺)

しばらく前に、「韓国ではプデチゲ味のラーメンが人気」と韓国の人に聞きまして。

私もそういうラーメンを食べてみたいな、とずっと思っていたのです。

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ようやく手に入りました。

農心から発売されている「보글보글 부대찌개면(ポグルポグルプデチゲミョン、プデチゲ麺)」であります。

「보글보글(ポグルポグル)」というのはネットで調べても意味がわからなくて…。

もうポグルポグルと訳す他ないです。

ともかく、プデチゲのラーメン製品なのであります。

プデチゲは「부대찌개(部隊チゲ)」と書きまして、韓国北部は京畿道の軍隊の街、議政府(ウィジョンプ)の名物料理なのですね。

そのプデチゲとは。

スライスチーズ、スパム(ソーセージ)、キムチ、ラーメン麺等を大鍋で煮込んで食べる、軍隊式料理なのであります。

今回のプデチゲ麺は、そのプデチゲを再現した一品なのですね。

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パッケージ裏はこうなってます。

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熱量545キロカロリー、たんぱく質10グラムでした。

結構カロリー高めですね。

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同じく農心の辛ラーメンのものに近い、太めのちぢれ麺ですね。

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別添えで「부대찌개건더기(プデチゲコンドギ、プデチゲ具)」と「사골부대찌개 스프(サゴルプデチゲスープ)」の小袋がついています。

「사골(サゴル)」というのは牛の足の部分の骨を指すようですな。

 

作り方は、鍋にお湯を500ミリリットル沸かし、麺と부대찌개건더기、사골부대찌개 스프を投入して4分30秒煮込むのです。

ところで、부대찌개건더기を鍋にあけて、びっくり。

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かやくのソーセージが期待していた以上にたっぷりでした。

さらに사골부대찌개 스프を加えて煮込む間にも、ソーセージの香りが立ち上ります。

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できました。

出来上がっても、ソーセージの香りが強いです。

太めのちぢれ麺。

スープは甘く、同時に辛さもしっかり強めで、なおかつこってりしています。

薄切りのソーセージ、これが前述の通りかなり多めに入っているのですね。

キムチ、ネギも入っています。

食後、体がしっかり温まりました。

甘辛こってりスープが、とても食べやすいですね。

ソーセージもたっぷりで、嬉しいです。

 

プデチゲ感がしっかり出てるプデチゲ麺、満足しました。

今後は農心の製品以外の、他社のプデチゲ系ラーメンも食べてみたいものです。

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『手間のかかる長旅(100) 次のお参りを考える』

時子(ときこ)はアリスと二人、如意輪寺の本堂を後にした。

帰る時間だ。

冷たい風の吹いている、境内に出る。

時子は、身じろぎした。

山門の方に向かう。

「お坊さん、会えなかったね」

時子はアリスの方を振り返った。

当寺にはアリスの知り合いの僧侶がいるのだが、とうとう会えなかったのだ。

「寺務所にいたのかな」

アリスも首をかしげる

「この時間までに本堂のおつとめは済ましていたのかもしれんにゃ」

不確かな声でそう言った。

本堂の本尊の前で、お経を唱えるのは僧侶の日課のはずである。

時間が早ければ、時子とアリスは本堂で件の僧侶に会えたのかもしれない。

帰り際になっても、アリスはまだ心残りのある顔をしている。

時子はそろそろ帰りたいのだが、このままアリスを無理に連れ帰るのも気の毒なような気がした。

「アリス、そのお坊さんに挨拶だけして帰る?」

立ち止まり、アリスの顔を見た。

アリスも立ち止まった。

「うむ」

とアリス。

「そうしたかったけど、わざわざ挨拶しに行く口実がないにゃ」

そう、遠慮がちに続けた。

「どうして?面接の帰りに寄った、とでも言えば」

「今日はいいや、また今度遊びに来よう」

時子を急かして、再び歩き出すアリスである。

仕方なく、時子も彼女について歩いた。

僧侶に会うことなく、二人は寺から最寄りのバス停へ。

 

バスの車内で並んで座席に腰掛け、二人は家路についている。

面接を終えた後に如意輪寺に寄って、少々疲れていた。

時子は眠い顔をしている。

彼女の隣、窓際に座るアリスは車窓を眺めていた。

時子はぼんやりと、来週の頭から始まる仕事のことを考えている。

工場で働くのは初めてなので、緊張と期待が入り混じっている。

隣のアリスも同じ仕事のことを考えているのかどうか。

気になった。

もっともアリスは自分などとは違って様々な苦労をくぐり抜けてきた女性だから。

新しい仕事にも、淡々と向かっていくのかもしれない。

そんな風に時子は想像した。

「時子」

アリスが時子の方を振り返った。

「何?」

何気なく応じた。

「如意輪寺、また行こうか」

自然に提案してくる。

彼女は、まだお寺に心を残していたようだ。

「そうね、行きたいね」

時子も答える。

これから通勤する工場から近い、如意輪寺である。

仕事帰りにでも、またお参りできる機会はあるはずだ。

「あさってぐらい、どうか」

アリスは間髪入れずに提案した。

「え、あさって…」

しかし今お参りしてきたばかりなのだ。

「朝からお参りするの。で、お昼に精進料理をいただいて帰るの」

そう言われてみると、あさってまた行くのも悪くない気がする。

お泊りまでするのは躊躇しても、お昼に精進料理をいただくぐらいは許されるのではないか。

「私、他の連中も誘ってみるにゃ」

時子の表情のわずかな変化を見て取り、アリスは勢いづいた声をあげた。

「皆で行くの?」

「うん。町子たちにもあの寺を紹介してやるにゃ」

時子はうなずいた。

そうだ。

仕事が始まるまでに残されたわずかな日々。

有意義に使いたい、と時子も思った。

町子(まちこ)や美々子(みみこ)、ヨンミたちと一緒にお昼が食べたい。

先日は例の喫茶店に全員揃っての会食をし損ねたのだ。

代わりにお寺で食事するのも、いいかもしれない。

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今日の即席麺この一杯。스낵면(スネクミョン、スナック麺)

韓国即席麺、今年の一杯目です。

f:id:kompirakei:20170106112422j:plain

오뚜기(オットギ)の製品、스낵면(スネクミョン、スナック麺)であります。

スナック麺…何ともいさぎよい製品名ですね。

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パッケージ裏はこんな感じでした。

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熱量475キロカロリー、たんぱく質は10グラム。

そこそこですな。

 

さて、作り方を見てみましょう。

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まず、鍋にお湯を500ミリリットル分、沸かしましょう。

そこに麺と분말스프(プンマルスプ、粉末スープ)を投入します。

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麺は極細の、ちぢれ麺です。

太めのものが多い韓国即席麺では、珍しいですね。

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別添えの小袋はこの분말스프(プンマルスプ、粉末スープ)のみ…。

そう思いきや、袋をよく見ると、「건더기스프(コンドギスープ、具スープ)+분말스프」って書いてあるんですね。

건더기스프って、言ってしまえばかやくのことなので。

この小袋ひとつにかやくとスープが全部入っているってことなのですね。

お手軽です。

麺とこの분말스프小袋の中身を鍋に入れましょう。

2分間煮込んで、出来上がりであります。

3分から4分間煮込むものが多い韓国即席麺にあって、2分間というのは異例です。

やはり独特の極細麺、短い煮込み時間でいいのでしょうね。

 

2分間煮込んで、器に移しましたよ。

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美味しそうな香りです。

辛さ控えめのあっさりスープ。

極細のちぢれ麺は、歯ごたえモチモチ。

かやくはワカメ、あとニンジンが少しだけ入っています。

シンプルな一品なのですけれど、麺に個性があるので、気が抜けません。

お手軽、かつ奥深い味わいです。

スナック麺とは名乗りながら、しっかり美味しい一品でした。

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『自己発見講座』

心理学の知見に基づく「自己発見講座」を受講することにした。

私は、自分のことが時々わからなくなってしまう。

そんな折だった。

件の講座が開かれることを知ったのだ。

地元に基盤を置くNPO団体の主催によるものだという。

私はその団体に電話をかけて、受講の予約をした。

やはり私も、自分がどういう人間なのか、肝心なところはいつも心得ておきたい。

そういう、前向きな気持ちで決心したのだ。

 

駅ビルの三階にある貸し会議室を借りて、自己発見講座は開かれるようだ。

会場についた。

部屋の外に、受付などは設けられていない。

出入り口脇の壁に「自己発見講座」と書かれた紙が張られているだけだ。

私は扉を開けて、部屋の中に入った。

各種の講座、講演等の用途に使われる部屋なのだ

壁際には使われていない机、椅子などが小さくたたんでまとめられていた。

つるつるした合成樹脂の床が広くその姿をさらしている。

部屋の奥に、大きめのテーブルがひとつだけ。

そしてその周辺に椅子がいくつか準備されていた。

男性が一人、そこに座っている。

私はテーブルに近づいた。

「ここ、心理学の講座の部屋ですよね?」

声をかけた。

私服姿の、壮年の男性。

細長い顔と細長い体格で、猫背気味に座っている。

彼は、私の方には関心を向けない。

顔を上げて、テーブル越しに窓の外を見ていた。

「あの」

もう一度声をかけた。

彼は前を向いたまま、こちらを相手にしない。

なんだこの人は、と私は思った。

彼も講座の参加者のようなのだが、反応がない。

人形のように動かず、窓の外を見たままだ。

人形なのではないかと疑ったが、見ていると時々口から呼吸音をさせる。

人形ではなかった。

人形のような態度の、生きた男性だ。

返答を待つのは無駄とわかり、私は男性から少し離れたところの椅子を引いて座った。

 

開始予定時刻を10分程過ぎたところで、部屋の扉が開いた。

「お待たせ」

短くそう言うなり、騒々しい靴音をさせながらテーブルまでずかずかと、歩いてくる。

スーツ姿の、中年の女性だった。

片手に紙袋、片手にコーヒー店からテイクアウトしてきたらしいカップを持っている。

コーヒーの香りがした。

彼女はテーブルの上に紙袋とコーヒーカップを置き、自分も椅子に腰掛けた。

件の男性の向かいの位置である。

私から見て左手に男性、右手に女性が見える形になった。

テーブルの三方に私たちがそれぞれ腰掛けている。

「自己発見講座ねえ、参加人数少ないんなら中止にしてもらってもよかったんだけどね」

女性は誰にともなくそう言い、コーヒーをひと口すすった。

それから紙袋の中に手を入れて、ごそごそと探る。

中から、プリントの束を取り出した。

その束から数枚を手にする。

それらを目の前の男性のすぐ前に置いた。

そのまま残りを、紙袋の中に戻した。

「さっさと終わらせてお開きにしようか、こんなの時間かけても仕方ないから」

また誰にともなくそう言い、コーヒーを飲む。

何をさっさと終わらせるのだろう、と私は思った。

名乗りもしないこの女性は、何者なのだろう。

私は自己発見講座を受けに来たので、おそらくは講師だと思うのだが。

心理学の知見にもとづく講座、と事前に説明を受けている。

心理学の専門家か、もしくはカウンセラーの講師が来ることを期待して私はここに来た。

この女性が、そうなのだろうか。

「あんた何やってんの」

女性が私の顔を見ながら、顔をしかめている。

私は我に返った。

「はっ?」

「何で言われたことをさっさとやらないのよ。何様なの?」

威圧的な声だった。

「えっ…」

私は、身を固める。

何を言われているのか、わからない。

「何のことですか?」

私は恐る恐る尋ね返した。

女性のしかめ面に皺が入り、さらに歪んだ。

「何のこと、じゃないよ。馬鹿にしてんのか。プリントは配ってあるだろうが」

それはもう罵声と言っていい勢いである。

見ると私の左手にいる男性は、いつの間にかペンを取り出して、配られたプリントの一枚に何か書き込んでいる。

さっさとやる、というのはあれのことだろうか?

だが、私の前にはそのプリントは配られていない。

「いや、プリント、ないんですけど…」

恐る恐る口にした。

「子供じゃないんだから自分で取れよ」

女性から再び罵声を浴びる。

私はその勢いに怯えて身をすくめながら、何のことだ、と慌てて考えた。

もしかしたら。

男性の目の前には、彼が書き込んでいるものとは別にまだプリントが何枚か残っている。

あのプリントから一枚自分で取れ、ということなのだろうか。

私の位置からは、手を伸ばしても取れない距離なのだが。

女性の顔に目を向けた。

怒鳴るだけ怒鳴って、彼女はそっぽを向いてコーヒーを飲んでいる。

本当に誰なのだろう、この女性は。

心理学の専門家かカウンセラーというのは、もう少し他人に丁寧に接するものだと思っていたのに。

私の勘違いだったのだろうか。

困惑しながら、私は男性の方に視線を移した。

プリントまで、こちらの手が届かない。

私の分のプリントを、男性が気を利かしてこちらの方に近づけてくれないだろうか。

そういう期待を込めて彼の方を見た。

男性は、一生懸命プリントに書き込んでいる。

私の視線には気付きもしない。

よく考えれば、最初に来たときに話しかけても反応のなかった彼だ。

何かを期待するのが間違っているのかもしれない。

仕方なく、私は立ち上がった。

テーブルの周囲を回り、男性の傍らに来た。

横から手を伸ばして、プリントを一枚取ろうとする。

テーブルの上に、私の影が差した。

予想しないことが起こった。

男性が、物凄い素早さでこちらを振り返ったのだ。

我々の目が合った。

彼は目を見開いた、形相をこちらに向けている。

カンニングをするな!」

唾液を飛ばしながら、罵声を浴びせてきた。

「はっ?」

心外な言葉だった。

私は見ていない。

男性がプリントに何を書き込んでいるのか、そんなものに興味はない。

私は自分のプリントを取りに来ただけだ。

カンニングをするな!」

全く同じ調子の罵声を再び発する男性。

カンニングなんてしてませんよ」

カンニングをするな!」

たまらない。

男性の罵声を無視して、私はテーブルの上に身を伸ばし、プリントを手にした。

元の席に戻る。

座った私を、男性がまだにらんでいる。

最初に話しかけたときは全く反応すらしなかったくせに、と私も腹を立てる。

カンニングをするな!」

男性はまだ叫んでいる。

私はうんざりした。

カンニングしてごめんなさい、ぐらいのことは言ったらどうだ」

思わぬことに、右側の女性からもそんな言葉が私にぶつけられた。

私は顔を上げて女性を見た。

彼女は、仏頂面で私を見返している。

「だから、カンニングなんてしてませんて」

私は女性に言い返した。

女性も男性も、私をにらみ続けている。

何なんだこの連中は、と私は呆れた。

馬鹿馬鹿しい。

「あなたがプリントを自分で取れって言うから取りに行ったんでしょ、私は」

いい加減にうんざりしてきた私は、女性を相手に声を高める。

「言い訳すんなよ」

怒鳴り返してくる女性。

カンニングをするな!」

合わせて怒鳴る男性。

私は、拳を握った。

この連中に、いつまでも付き合っていられない。

罵声は無視して、自分の義務をまっとうしてしまおう。

私はプリントに向かった。

そこに書かれている文面に目を通した。

わかりにくいが、どうも心理テストのようだ。

設問がいくつかあって、それらに対して用意された選択肢の中から適切なものを選んでいくのだ。

おそらく私の右手にいる女性が作成したのだろう。

各設問の文面は、とてもわかりにくかった。

一例が、「今の自分のことを無視して、自分が市場にいたら、その市場は海に面しているか、山に面しているか」。

この設問への解答として選択肢は「片栗粉、クラゲ、山芋」の三つがある。

設問と選択肢の内容がうまく噛み合っていない。

どの設問もこんな具合なのだ。

しかしこういうのが、心理テストというものなのだろうか。

私は自分のバッグからペンを取り出した。

その心理テストの内容に混乱し、同時に左右からの罵声を浴びながら、私はプリントへの記入を進めていった。

 

解答を済ませるなり私はプリントをテーブルの上に残して立ち上がった。

「それじゃ帰らせてもらいます」

二人に背を向けて、出入り口の方へ。

「誰が帰っていいと言った、自己発見する気はないのか」

女性の罵声。

カンニングをするな!」

男性の罵声。

私は無視して歩いた。

私の背中に、後ろから何かぶつけられた。

それが床に落ちた音から、空になったコーヒーのカップだとわかった。

私は振り返らず、部屋を出た。

 

罵声を受けに行った自己発見講座から、一ヶ月が経った。

自宅に、郵便が来ている。

差出人は、件の講座を主催したNPO団体になっている。

封書で、中に見覚えのある、心理テストのプリントが入っていた。

私が解答を記入したものだ。

その文面の末尾には、私の記入時にはなかった、赤ペンでのコメントが書かれている。

「心理テストの結果を見るまでもなく、あなたは自分勝手な人間だということがわかりました」。

乱れた筆跡だ。

あの例の女性の手によるものだろう。

私はプリントを両手で丸めて、くずかごに投げ入れた。

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『定期的なすき焼きの気分』 

不思議と、定期的に「すき焼き」が食べたくなる。

すき焼き。

美味しい牛肉を、豆腐、白菜、シイタケ、白ネギ等の具材と共に醤油、みりん、砂糖から成る割り下で味付けしながら。

鍋の上で煮たり焼いたりして食べる日本料理である。

その過程でかかるガス代等諸々の料金と、まず何より美味しいお肉の代金とを考えると、結構な高級料理である。

お金がかかる。

そんなわけで、たとえ定期的にすき焼きが食べたくなっても、定期的に食べるわけにはいかないのだ。

 

私は、孤独に街中を歩いている。

すき焼きが食べたいという、定期的な腹具合に私はさしかかっていた。

しかし、財布の中身はすき焼きの準備をするには心もとない状況だ。

まず、美味しい牛肉が買えない。

それどころか、昨今は付け合せの野菜類の価格も高騰している。

お肉も野菜も、とても私の手の届くものではなかった。

なんですき焼きにはあんなに金がかかるのだ、と私は腹さえ立ってきた。

 

きゃーっ、という悲鳴とも歓声ともつかぬ声が聞こえてくる。

私はすき焼き食べたさに意識朦朧としたまま、その不思議な声に釣られるように歩いた。

歓声は、目の前にある神社の中から聞こえてくる。

「きゃーっ」

まただ。

複数の、悲鳴とも歓声ともつかぬ声。

いったい、神社の境内で何が行われているのだろう。

私はふらふらと神社の鳥居から中に誘い込まれた。

「いてて…」

ばらばらと細かな、それでいて堅い物体が複数飛んでくる。

「きゃーっ」

依然として、悲鳴とも歓声ともつかぬ声。

それらは、境内に集まった参拝客があげているのだ。

高い場所にある神社の本殿の上から境内にいる参拝客に向けて、神社の職員たちが餅を投げている。

餅なのだ。

「いてて…」

ぼんやりと突っ立っている私の顔にも餅が投げられて、私の顔にぶち当たるのだ。

餅は固くて、当たると痛い。

私の顔に当たった餅は、そのまま地面に落ちていこうとする。

しかし落ちさせはせず、私の近くに立っている他の参拝客たちが、手を伸ばして餅を横からかすめ取っていくのだ。

目にも留まらぬ速さ。

「だって、あんたがぼやぼやしてるから」

餅を横から取っていく人、隣に立つ主婦らしい女性の顔を思わず見たら、彼女は言い訳がましく言った。

私は餅が欲しいわけではなくて、ただ餅を横から取っていく手際の良さに感心しただけなのだが。

「帽子とかスーパーの袋とか、そういうものを広げなさいよ」

うしろめたかったのか、彼女は私にそういう助言をする。

別に餅はいらないしなあ…と思いながらも、助言をもらった以上はそれをむげにするのも気が引ける。

私は上着のポケット内に突っ込んでいたスーパーの袋を取り出して、広げた。

神社の本殿から、職員が複数の餅を放った。

「きゃーっ」

歓声が上がる。

私は義務感で、スーパーの袋で飛んできた餅を受ける。

ひとつ、ふたつ。

私の手元に、餅が残った。

 

すき焼きが食べたいんだがな、と思いながら私は餅を持ち帰った。

仕方ない。

この餅をお肉に見立ててすき焼きにしよう。

私は、鍋を火にかける。

豆腐、モヤシ、細ネギなどのお手頃な具材を投入した。

さらに、今手に入れたばかりの餅も入れる。

餅のすき焼きだ。

割り下を鍋の中に振り入れると、素敵な香りが立ち上った。

甘くて香ばしい味わいが期待できそうだ。

取り皿に、私は生卵を割り入れる。

すき焼きには生卵がつきものである。

溶いた生卵の中に、適度に煮えたお餅と野菜類とを入れて、いただきます。

口の中で、熱く煮えた具材を転がした。

砂糖と醤油の味付けは、最高だ。

生卵のまろやかさもいい。

ただ餅はやっぱり、お肉の代わりにはならない。

神社でもらった餅を辛抱強く噛みながら、私は実感した。

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