言い訳の東京旅行三日目(7)。渋谷区立鍋島松濤公園で、『街』の場面を回想した
松濤公園の様子をうかがっています。
それが明治時代になって鍋島侯爵家に払い下げられました。
鍋島家は九州の佐賀藩の大名だった家柄です。
鍋島家は明治維新で失職した佐賀藩士たちの失業対策としてここに茶園「松濤園」をつくり、元佐賀藩士たちをお茶の栽培にあたらせます。
現在でもそうですが、この土地には湧水が湧いているので、茶葉の栽培に適していたのでしょうね。
松濤公園の中に入ってみます。
なんでここへ来たかと言うと、鍋島家に関わる史跡として注目していたというよりは、やはり『街~運命の交差点~』のロケ地だからなのですね。
『街』の二人の主人公、牛尾政美(うしおまさみ)と馬部甚太郎(うまべじんたろう)のシナリオ序盤に登場する場所でした。
牛尾と馬部、この二人はそれぞれアクション俳優の松田優さんが一人二役で演じるキャラクタです。
牛尾は、最近カタギになった、元暴力団の若頭。
道玄坂にある宝石店の女性従業員にプロポーズしようとしたその場所で、かつての部下が起こした銀行強盗に巻き込まれ、警察に追われる身になります。
そして馬部は、売れない端役俳優。
渋谷をロケ地とする刑事ドラマ『独走最善戦』に暴力団組長の役を得ましたが、撮影中に失敗が多く、撮影隊の中で次第に居場所を失っていきます。
警察に追われる粗暴な牛尾と、役者を辞めようかと悩む気弱な馬部、この二人が瓜二つの外見をしていたために、偶然二人が時間差を置いて滞在した松濤公園で二人の人生が入れ替わってしまいます。
そのロケ地(ゲームのロケ地であると同時に、ゲーム中でも馬部が参加している刑事ドラマのロケ地であるという、入れ子構造ができています)の松濤公園。
牛尾と馬部のシナリオが特にお気に入りでもある私は、来てみたかったのですね。
これから存分に散策したいと思います。
砂場が囲いで覆われて入れなくなっています。
理由がよくわかりませんが、砂場に子供が自由に入ると不都合があるのでしょうか。
それとも夜のうちに狸か猪が入り込んで砂場に隠れ潜むのを妨害しているのでしょうか。
砂場と見えて神事向けの土俵、もしくは総合格闘技の試合場だったという可能性はあります。
湧水の池と水車小屋。
ここですよ。
『街』ゲーム中で刑事たちの待ち伏せにあった馬部演じる暴力団組長が、飛び込むシーンのあった池ですね。
ちなみに、撮影隊のスタッフで窪塚洋介さんが演じるADのサギ山も飛び込んでいました。
当時はさほどメディア露出の無かった窪塚さんが、初々しい若手スタッフのサギ山を好演しています。
池の周囲が斜面になっていて、外側に向けてせり上がっています。
斜面部分に階段と遊歩道が通してあるので、池を見下ろすちょっとした森を歩いている気持ちになれます。
石灯籠がありますね。
説明版を見落としましたが、紀州徳川家時代のものでしょうか、鍋島家時代のものでしょうか。
連休時には私のような観光客か、時には『街』のファンも訪れるのでしょうが、普段の週末は松濤の住人の人たちが散歩する場所なのでしょうね。
区立公園なので、公開された場所ではあるのですけれども。
私は土地の公園にお邪魔させてもらっている、という気持ちでした。
池に飛び込む前に、馬部が「撃たれた演技」をして派手に転がり落ちた階段でした。
実際に見てみると段差の小さい階段で、転がり落ちるには自分で勢いをつけないといけない、ということがわかります。
私は普通に降ります。
確かこの辺りから馬部が柵を越えて池に飛び込んだ…と記憶します。
湧水の池に水車小屋。
大都会の渋谷駅から1キロ足らずの位置にこんなのどかな風景があって、穴場ですよね。
もっとも渋谷区民ならこの公園のことぐらい知っているのでしょうけれど。
私は『街』を遊んでいなければ、ここに来ることもなかったと思います。
池の周囲を一周してました。
この後、渋谷駅方面に戻ってお昼を食べる予定なのですが、まだずいぶん時間があります。
時間が余っているのなら、しばらく水車小屋横のベンチに腰掛けて物思いに耽ろう、と思いました。
公園内に飲料自販機があって、便利です。
公園内に喫煙所も設けてありました。
東京都の公園はきっちり喫煙所をつくるところがいいな、と思います。
喫煙する場所が街中に無いと、かえって路上喫煙だとか吸殻の投棄だとかが増える要因になるのでは、と思うのですね。
かくいう私は非喫煙者なので、ベンチに座って缶コーヒーが飲めればもう満足です。
憧れだった松濤公園の池を眺めながら、心地いい時間を過ごせました。
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言い訳の東京旅行三日目(6)。嵯峨谷で蕎麦。文化村通り、松濤文化村ストリートを歩いて鍋島松濤公園まで
スペイン坂の次に、鍋島松涛公園という公園に行くつもりなのです。
その前に朝食を食べます。
渋谷センター街はそろそろ店々の開店時間を迎えるからでしょうか、慌しい動きを見せています。
路上にかなりの量のゴミが散らかっていたのを、大人数の商店主と思わしき人たちがいっせいに掃除をしているのです。
その様子は圧巻であると共に、正直私は「こんだけゴミが散らかってるって、ここに来る人たちどんだけマナーなってないんだ」と呆れたのでした。
ハロウィンの頃の渋谷の狂乱が思い起こされました。
自国は午前9時前、渋谷駅の方からセンター街に流入する人が増え始めています。
鍋島松涛公園のある松濤に行くには、渋谷駅前から109の前を通って文化村通りをずっと行きます。
前年に渋谷に来たときには109の中でエスカレーターに乗りました。
今回はもういいですね、それは。
通り過ぎます。
この先の道玄坂二丁目の交差点で東急百貨店渋谷本店の前を左手に曲がればいいのです。
それにしても、「渋谷で朝食」というのにちょうどいいお店を決められません。
「蕎麦 冷麦 嵯峨谷」の渋谷道玄坂店がありました。
お蕎麦ですね。
このとき11月で、肌寒い頃ですけれど、私はそんな季節に暖房の効いた店内で冷たいお蕎麦を食べるのもいいかなと思ったのです。
入口で自販機から食券を買う仕組みです。
私以外には東南アジアから来た観光客の一家が先客で来ていて、自販機に戸惑っているところでした。
彼らの後に私も目当ての食券を買いました。
お蕎麦と玉子かけご飯のセットで390円でした。
幅広でコシの強いお蕎麦で、甘い出汁に絡めて食べると美味でした。
量も結構たっぷりで、満足です。
蕎麦と玉子かけご飯の組み合わせも意外と違和感なくいただけました。
前年には八重洲と三軒茶屋で名代富士そばのお蕎麦をいただきましたが、東京ってお蕎麦のチェーン店が多くて、いいですね。
私の地元の大阪にも独立営業のお蕎麦のお店は多いです。
あと、駅の構内には駅そばのチェーン店が入っていることも多いです。
ですが、街中で食事できる手頃なチェーン店の蕎麦店となるとほとんど見ません。
有名な「そじ坊」ってチェーン店はありますが、ここはどちらかと言うと腰を据えてお蕎麦を食べながら信州のお酒を飲んだり郷土料理を食べたりできる、本格的なお店ですね。
私のような予算の限られた者がしょっちゅう食事できるところではありません。
一方の東京で、街中に手頃なお蕎麦のチェーン店が多いのは、冷たい蕎麦好きの私は羨ましく思うところであります。
富士そば、嵯峨谷、他にもお蕎麦のチェーン店が東京にはまだありそうですね。
今後も朝食の度に訪れていきたいです。
文化村通りを進みましょう。
東急百貨店渋谷本店に隣接しているBunkamuraです。
東京における、各種文化の発信拠点であります。
私は演劇芸術には疎いのですけれど、小説はときどき読むので、Bunkamuraで選考される「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」のことを知っています。
受賞作で読んだことがあるのは町田康の『くっすん大黒』くらいですが…どんな作品だったか忘れましたね。
Bunkamuraへは、後で時間があればお邪魔しましょう。
文化村の向こうは、松濤郵便局前の交差点です。
松濤は高級住宅地なのですが、まだこの辺りまでは商業地域の雰囲気が強いです。
松濤文化村ストリートで渋谷駅前と松濤は繋がっています。
緑に覆われた建物は、フランス料理のガレットを提供するお店、Galettoriaです。
この分岐を右に行きましょう。
ちなみにGalettoriaの何軒か先には、ニンニク料理専門店のGarlic garlicがあります。
高級住宅地っぽくなってきました。
渋谷区立鍋島松濤公園に来ましたね。
ここには前から一度来たかったのですが、これまで機会に恵まれませんでした。
来れました。
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言い訳の東京旅行三日目(5)。朝のうちに廻る『街』のロケ地。「オカヤマビル」、タワーレコード渋谷店、スペイン坂
宮下公園(工事中)からタワーレコード渋谷店が見えます。
全国にあるタワーレコードの総本山でしょう、渋谷店は。
本店ですね。
タワレコの正面に回りましょう。
タワレコの前に出ようとしながら…。
神南郵便局前交差点の先の、特徴的なビル。
どうも見覚えがあるんですよね。
このビル、『街~運命の交差点~』に度々登場する、「オカヤマビル」ではありませんか?
やはりオカヤマビルです。
こんな見通しの開けた場所に建っていたとは、意外でした。
『街』の篠田正志(しのだまさし)シナリオでは、秘密組織「七曜会」の渋谷支部がオカヤマビルの7階にあり、篠田が何度も訪れることになります。
また細井美子(ほそいよしこ)という女性の主人公がいるのですが、彼女は交際相手との約束で5日間の間に痩せる必要があり、痩せるために街を奔走します(ちなみに細井美子を演じるのはお笑い芸人の伊藤さおりさんです)。
彼女のシナリオで細井が関わることになる宗教団体、通販会社、オーディションの会場、エステサロン、が軒並みこのオカヤマビルのテナントとして入っているのです。
篠田シナリオ、細井シナリオに特に関わりが深い場所だと言えましょう。
目の前に屹立する、オカヤマビル。
感無量です。
Google Mapsで調べると、ビルの名前は「メゾン渋谷」となっていて、それが現実のビル名らしいのですけれど。
オカヤマビルは、実はメゾン渋谷。
私の中ではオカヤマビルでしかありえないので、この情報は忘れましょう。
さらに言うと『街』のゲーム中ではこの神南の地ではなく宮益坂にあるという設定なのですがね。
また細井美子がタワレコ本店で働いている設定なのですが、ゲーム中の渋谷ではタワレコとオカヤマビルとが隣接していないので、細井がオカヤマビルを訪ねるときは宮益坂まで結構歩いています。
細井シナリオではエステサロン「エステ・デ・エリザベス」を訪ねてオカヤマビルに来ます。
ここで細井が出会うエステティシャン、名詞には何にでも「お」をつけて丁寧語風にしてしまう竹内ミドリが、狂気を感じさせる強烈なキャラクタでした。
ゲーム中の彼女の台詞からひとつ抜粋すると「<お身長-お100>がおブローカー法によるお標準体重になります。」…。
キレてますよね。
『街』は強烈なサブキャラの宝庫です。
オカヤマビル内に入ってみたい気持ちはあったのですけれど、中に用事も無いのに入るのもどうかと思い、遠慮しました。
見に行けそうな場所と言えば8階に「古代エジプト美術館」というマニアックな場所があるのですが、営業時間前だし入館料が1500円でお高め。
まあいつか機会があれば、ですね。
タワレコ前に出ます。
大きな建物です。
この正面玄関のアングル、ゲーム中によく出てくるし、テレビ番組でも見た覚えがありますね。
この中の書店売り場のレジカウンタで細井美子が働いていました。
営業時間前ですからね。
やはり素通りです。
『街』ロケ地に来ても施設の中に入らないからさくさくまわれていますけれど、ファンとしてどうなのか、というところはありますね。
目の前に来ればわりと満足してしまうところはあります。
買い物は渋谷の若者に任せましょう。
タワレコ前を通る井の頭通りを南へ。
インドの首相みたいな名前のビルがありますな。
緑に覆われて目の養分ですな。
ビルの隙間の空中通路の下を通る井の頭通りを歩いていきます。
この先から、観光名所のスペイン坂に通じる路地に抜けられるんです。
ロフトがありますね。
隣には西武渋谷店もあります。
どちらも、爆弾犯逮捕に奔走する「ゲーマー刑事」こと雨宮桂馬(あめみやけいま)のシナリオで雨宮が爆弾を探して駆け込んだ場所ですね。
この宇田川町界隈を雨宮が必死に走り回っていたのです。
正義感が強いゲーマー刑事が渋谷の街を走りまわり謎を解いていく雨宮シナリオ、『街』の中でも特に気分の盛り上がるアツいシナリオなのでした。
ゲーマー刑事と一緒に夢中で謎に取り組んだ記憶が思い出されます。
雨宮は折々に好物の「雪印コーヒー」を飲んでいるので、彼のシナリオを遊ぶときには私もコンビニで事前に買っておいた雪印コーヒーを飲みながらゲームするのが常でした。
今でも時々雪印コーヒーを飲みながらゲームをしています。
コーヒー牛乳が売り切れのときは大山乳業の「白バラコーヒー」で代替です。
人が少ない渋谷センター街というのは散策にはいいですが、少々物足りないですね。
活気があってこその若者の街でしょうか。
街並が、先に韓国旅で訪れたソウルの明洞のそれによく似ていると思いました。
明洞に行ったときは「センター街に似ている」と思いました。
先にあるビルに「角海老」と看板が出ています。
角海老って有名なボクシングの角海老宝石ジムの関係かな、と思ったら、なんと風俗店でした。
ところが後でよくよく調べると、ボクシングの各海老宝石ジムを経営しているのがその風俗店を経営する角海老グループだということ。
絶句してしまいました。
こんな目立つところで風俗店が営業してるなんて、センター街って開放的なところなんですね。
角海老には向かわずスペイン坂の路地に入ります。
もう入口から若干傾斜してますね。
入口脇に岩が転がっていて、「スペイン通り」と銘打ってあります。
この岩、夜中で暗いと足引っかかって転びそうですね。
この辺は夜も暗くなることはないんですかね。
ゆるーい傾斜です、坂って言うには緩い。
脇の路地の奥に「プリ専門店」ってあるんですが…。
この路地の付き当たりまでわざわざ歩いていって「プリ」が何かを調べる勇気は私にはありませんでした。
坂を上ります。
ライブハウスとかスペイン料理店とかいろんな店舗が狭い路地を挟んで集まっている感じは楽しいですね。
玩具箱的なね。
これから人が増えてくればこのスロープに若い人が座ったりして渋谷の名所っぽい雰囲気を醸しだすことでしょう。
上りきって後ろを振り返るとこうでした。
曲がりくねっているのでスペイン坂の全貌は見えません。
『街』ではスペイン坂は市川文靖(いちかわふみやす)シナリオに一瞬登場したくらいですね、私の記憶では。
スペイン坂を訪れた市川が、確か若者文化の批判をしていたような…。
密かに純文学を志向するドラマ作家の市川文靖、彼を演じるのはお笑い芸人のダンカンさんでありました。
得体の知れない存在に精神を脅かされながら、志向する純文学作品を実現して自らの尊厳を守ろうと戦う市川。
ダンカン以外では考えられない、というぐらい市川文靖がはまり役になっています。
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言い訳の東京旅行三日目(4)。美竹通りを歩きながら。West、第二美竹分庁舎を眺めて宮下公園(工事中)まで
いったん宮益坂上まで戻り、そこから今度は宮下公園方面に向かいます。
この宮益坂上と宮下公園とを結ぶ美竹通りを歩いていたら、左手にある路地がなんだか見覚えのある風景だったのですね。
全然ノーマークでたまたま来たんですけれど、この場所。
『街~運命の交差点~』に何度か出てくる喫茶店、「West(ウェスト)」だったんですね。
本当に偶然見つけて。
前回紹介した飛沢陽平(とびさわようへい)のシナリオにも篠田正志(しのだまさし)のシナリオにも登場するお店です。
両シナリオには「青ムシ」こと青井則生(あおいのりお)という強烈な存在感を持った人物が登場するのです。
青井は昔よくテレビに出ていたタレントの宅八郎氏がモデルらしく、往年の宅氏に酷似した外見をしているのですが、一見は非常に陰湿な性格でありつつ敵役とも言い切れない複雑な性格付けがなされていて意外と魅力的な人物なのですね。
Westは飛沢シナリオでも篠田シナリオでもプレイヤーがこの青井に遭遇する場所なので、「青ムシに会う喫茶店」として印象深いです。
ゲーム中では登場人物たちが喫茶店として利用するだけですけれど、実際はランチ営業でがっつり洋食が食べられるレトロ風喫茶店として、有名みたいですね。
食べログ等で調べた結果です。
営業時間外に来ましたが、図らずも『街』絡みの場所が見つかってよかったです。
美竹通りを進んで、渋谷区役所の第二美竹分庁舎です。
プレハブ建築の区役所って珍しいようですが、まあ仮庁舎なんですね。
いつかは立派な建物が建つのでしょう。
渋谷区役所の本庁者の方はさらに西の宇田川町にあるのですが、今回の旅の期間は建て替え工事中でした。
渋谷区役所と言うと、ここも『街』の篠田正志シナリオで出てくる場所のひとつです。
この篠田シナリオでは主人公の篠田がやむを得ない状況から弱みを持った複数の人々を脅迫してまわるのですが、その脅迫対象の一人に区役所の職員がいます。
それが「歴史くどくど説明課」の係長である川添研一(かわぞえけんいち)で、異相を持ったこの人物も一度会ったら忘れられない存在感なのでした。
渋谷区役所前で繰り広げられる篠田と川添との対決は『街』作品中を通しても随一の名場面と言えるでしょう。
歴史くどくど説明課。
他人事とは思えないんですね。
私が所属したいくらいです。
そう言えば今歩いてきた美竹通り、宮益坂と一緒に御嶽神社を挟む位置を通っているんですね。
美竹と御嶽、響きが同じなんですよね。
今、美竹通りの由来を調べ始めたらまた歴史をくどくど説明してしまいそうなので、黙って先を進みます。
皆様各自でネットを駆使してお調べください。
ここの仮庁舎、なんだか公園の敷地内に建てたような雰囲気ですね。
遊具なのかオブジェなのか。
殺伐とした様相の公園で、あまり子供を遊ばせるような場所ではない気もします。
公園の隅につくられた狭い喫煙スペースに、どこから集まったのか大勢の喫煙者が入り込んで喫煙中でした。
公園に人気が無いのにそこだけ混雑で、びっくりしました。
宮下公園は、前年に来たときすでにそうだったのですが、まだ工事中です。
前年は歩道橋がまだ残っていたのですが、それももう無くなりました。
オリンピック開催までには新しい宮下公園が出来上がるんですかね。
ちなみに工事の施工業者は竹中工務店です。
工事現場はイラストの描かれた仮囲いで囲まれています。
このイラストは、渋谷の名所のひとつ、スペイン坂を描いたものですね。
何気ないイラストですが、これ、アート作品だということです。
「渋谷明治通りアートプロジェクト」だと銘打ってありました。
新たな宮下公園が完成するまで、憩いの場の代わりにアート作品で区民と観光客を癒そうという意図でしょうか。
…なんだか工事、長引きそうな気がしますよね。
宮下公園は『真女神転生Ⅳ』と『真女神転生Ⅳ FINAL』ではダンジョンになっており、『街』でも篠田正志シナリオで先述の青ムシ絡みで訪れる場所なんですよね。
渋谷を代表するランドマークでありました。
長らく工事中なので、再開園が待ち遠しいですね。
往年の宮下公園の景観を連想させる形で新しくなってくれればいいな、と私は思います。
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言い訳の東京旅行三日目(3)。国連大学からアンカフェ、青山学院。『街~運命の交差点~』移植を希望する
こどもの城の東隣には、国際連合大学本部の施設が立っています。
国連大学を卒業したらエスカレーター式に国連に就職できるのか?
おそらくそういう上手い話は滅多に転がっていないと思いますけれども。
学生なのか、関係者らしい大勢の人たちが催し物の準備で忙しそうでした。
欧米人の人の姿も多かったので、やはり国際的な大学のようです。
もし国連に就職しやすいんだったら、渋谷のキャンパスライフなんて楽しそうだし、ここに入学してみてもよかったですね、私の人生。
国連大学の内実を全く知らないので、うかつなことは言えないのですが。
国連大学の東隣の敷地は、さらに奥まったところに通じる通路になっています。
この先にはコスモス青山という商業施設があって、私はここを目当てに来ています。
エスカレーターで地階に降りながら。
ああ、と思わず嘆息しました。
私の言わんとするところ、わかる人が見ればすぐにわかる風景です。
コスモス青山の地下2階中庭にある「un cafe(アンカフェ)」というオープンテラスのカフェなのです。
ここは、先述の『街~運命の交差点~』で、主人公の一人である大学生「金曜日」こと篠田正志(しのだまさし)が、謎めいた年上の女性「日曜日」と度々密談を交わす場所なのでした。
その他の登場人物たちもここを訪れています。
施設内にも席がありますね。
まだ営業時間前です。
テラス席は施設の共有スペースではなくお店の設備なので、座るのは遠慮しましょう。
もし営業時間内に来ていたら座って美味しいコーヒーの一杯もいただくところだったのですけれど。
今度は施設内にまわってun cafeの店舗を見ました。
施設内の敷地はわりと限られているようです。
ちなみに外からいくらのぞいても、厨房がどこにあるのか私にはついにわかりませんでした。
同じ階に青山ブックセンターもあります。
ここも結構有名なお店ですね。
確か洋書を多く取り扱っている書店だったと思います。
開店していたら、洋書の物色したかったですね。
コスモス青山から青山通りに戻りました。
青山通りの向こう、南側は青山学院大学のキャンパス敷地になっています。
各界に卒業生を多く輩出する大学です。
芸能人にもここの出身者が結構多いです。
国連大学じゃなくて、この大学に入ってもよかったですね、私の人生。
青山学院大学キャンパスの向こう側には、青山学院高等部があります。
金王八幡宮界隈と六本木通りを歩いていた生徒さんたちはおそらくここの高等部に通学していたのですね。
ついでに言っておくと、『街~運命の交差点~』に出てくる「緑山学院」のモデル。
ほぼ間違いなくこの青山学院です。
un cafeのくだりで言及した篠田正志は緑山学院大学の学生でした。
また別の主人公の飛沢陽平(とびさわようへい)は緑山学院高等部の生徒です。
思い出したので書きますが、この飛沢という人物はまだ高校生でありながら、ぶっ飛んだレベルのプレイボーイなんです。
彼のシナリオでは色男として浮名を流す彼が、un cafe含む渋谷に実在の各喫茶店で女性たちと会うシーンが頻繁に出てくるんですね。
飛沢のシナリオは詳細を語りにくいんですが、本当に内容を簡単にざっくり言うと、モテる男子が遊びすぎた挙句にかつて交際した女性たちによって苦境に追い詰められる…という話なんですね。
面白いんですよ。
私もいち男性プレイヤーとして最初は「モテ男が調子に乗りやがって、早く痛い目に遭え!」と思いながら遊んでいたのに、それがいつの間にか飛沢に感情移入しまくって、果てには彼の苦境と一緒に一喜一憂する自分を発見していた…というなんとも絶妙の構成と演出が盛り込まれているんです。
他の主人公たちのシナリオもそうなんですが、彼らが生きる渋谷での起伏に富んだ五日間を一緒に体験するうちに、感情移入せずにはいられなくなるんですね。
『街~運命の交差点~』、遊んでみればいかに深い作品であるかわかります。
なので皆様にはぜひ実際に作品を遊んでもらいたいところなんですけれど、今流通している家庭用ゲーム機ではPSPぐらいでしか遊べないんです。
それもPSP自体がもう古くてかろうじてハード本体が流通しているぐらいで、『街~運命の交差点~』のソフトは中古市場でないと買えません。
最新のゲーム機、あるいは手近なスマートフォン用のアプリで『街~運命の交差点~』が移植される日が早く来るように、私も祈っているんですけれども。
祈るだけでは足りないのかもしれませんね。
隙を見ては無関係の人たちに洗脳、もとい宣伝を仕掛けていくと移植の実現に結びつくかもしれませんね。
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言い訳の東京旅行三日目(2)。渋谷駅東口を経て、宮益坂を登る。岡本太郎作品の磁力
現代の渋谷の街に戻りましょう。
ここをずっと行くと、警視庁渋谷警察署の裏側に出ます。
ところでこの辺り、地価高そうですね…。
渋谷駅の至近なのに雰囲気が落ち着いていて、いい感じ。
六本木通りですね。
上り坂のずっと先に六本木ヒルズが見えますね。
渋谷から見えるんですね、六本木ヒルズ。
ちょっと興奮しました。
六本木ヒルズは、何年も前に見に行ったことがあります。
渋谷駅方向からこの六本木通りを六本木方向に歩いていく通学の生徒さんが多いです。
ここから六本木まで歩いていくとは思えないので、この辺りの学校に行くのでしょう。
渋谷で過ごす学校生活ってどんな感じなんでしょうね。
田舎育ちの私には想像もつきません。
渋谷駅東口の交差点にかかる歩道橋、補修中で閉鎖されていたんです。
私が渋谷警察署に気付かなかった理由、これですね。
この歩道橋に登っていれば、警察署の入口を上から眺めることができて、『街~運命の交差点~』に出てきたあの場所だと気が付いたはずです。
歩道橋に登らなかったので、気付かなかったのです。
今さら文句言っても仕方ないですね。
宮益坂下に来ました。
前年にも来たんですね。
前年には上まで登って行かなかったので、ちょっと心残りだったんです。
宮益坂上まで登ります。
おや。
御嶽神社、酉の市ってぼんぼりが出てますね。
まだ私が宮益坂登ってる途中なのに。
興味をそそられてしまいます。
宮益坂の最中、左手です。
鳥居の先は、どう見てもビルの上に誘導される石段ですね。
何か心惹かれますね。
石段を登ってビル上のお社にお参りしてきました。
後から調べたところによると、ここの狛犬は、かつて日本の山岳地帯にいた日本狼の姿をしているという珍しいものなのだそうです。
かくいう私は現地で全く気付きませんでした。
見逃しました。
よっぽどぼんやりとお参りしたのですね。
ちなみにこの御嶽神社の読みは「おんたけじんじゃ」ではなく「みたけじんじゃ」だそうです。
ビルの上の限られた敷地に神社の境内があって、酉の市の準備中でもありました。
御嶽神社に隣接して渋谷郵便局の大きなビルが立っています。
ローソン併設の郵便局って珍しいですね。
念のため書いておくとローソン内で郵便局の窓口業務を行っているわけではないので、24時間利用できるのはローソンのサービスだけです。
宮益坂も試しにいったん登ってみると割りとあっさり登れる坂ですね。
ここが宮益坂上なんですね。
坂の上にもビルが立ち並んでいるんですね。
歩道橋の上に乗って宮益坂下を見下ろしました。
街路樹の緑が密で坂の下まで全然見通せないですね。
ところで宮益坂の名前の由来は、渋谷区の公式サイト内にある「通りの名前」によると、「江戸時代、坂の途中にある御嶽神社にあやかって、町名を渋谷宮益町に変えたため」宮益坂なんだそうです。
お宮ってさっきお参りした御嶽神社のお宮から来ていたんですね。
私はまた、宮益坂の上に昔は皇族の方の別荘があったのだとばかり思い込んでいました。
渋谷の高台に別荘を持ちたいという私の願望が無意識に由来を捏造していたと思われます。
宮益坂からそのまま真っ直ぐ、しばらく青山通りを歩いてみます。
このビルの外装、いいですね。
「ラビアンローゼ表参道」っていうウェディングドレスのレンタルをしているお店です。
この先の青山、表参道沿道辺りには結婚式場なんかが結構あるみたいなんですね。
今は閉鎖されてしまっている「こどもの城(国立児童総合センター)」の施設の前に、岡本太郎の作品「こどもの樹」が立っています。
大阪の万博公園に立つ太陽の塔と同じ、得体の知れない磁力を感じます。
このこどもの樹は永遠にここに立って、たとえ渋谷が砂漠になっても道行く人たちの道標であり続けてもらいたいです。
でも東京砂漠って歌もあるし、すでに砂漠ですかね。
いい意味で。
そんな砂漠に飲まれてみたい気もします。
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言い訳の東京旅行三日目(1)。渋谷の街。金王八幡宮界隈へ。庚申塔群もある
東京旅行も三日目にもなると、東京の雰囲気に体が慣れてきますね。
今回の旅は一貫して「忠臣蔵の故地を巡る旅」がテーマだったわけなのですが、三日目はそのテーマからいったん逃れまして、朝から渋谷に来ました。
渋谷駅構内の、ハチ公前広場を見下ろす例の場所に来ています。
テレビゲームの『ペルソナ5』にも出てくるあの場所ですね。
前年にもここに来ているんですね。
まだ午前7時前で駅構内にも街にも人が少ないようですが、それでも渋谷に来るとなんだか気分が盛り上がります。
ご覧のように忠犬ハチ公も独占状態。
まだ11月なのですが、若者の街渋谷において早めに世界エイズデーを告知している忠犬ハチ公の姿。
人と人とが待ち合わせる場所だけに、告知効果、さらに言うと予防効果は絶大でしょう。
渋谷スクランブル交差点を横断する人の数もまだこんな程度です。
人が少ないので街歩き散策にはちょうどいいかもですね。
青ガエルの観光案内所もまだ出入り口が開いていませんね。
宮益坂下の交差点から、近くにある史跡、金王八幡宮(こんのうはちまんぐう)に向かいます。
渋谷ヒカリエのビルですな。
あんな建築よく建てましたね。
渋谷駅前は工事中の箇所が多くて、作業員の方々の姿もよく見られました。
この高層ビルは渋谷ストリームって商業施設らしいです。
こちらもいい建築ですな。
この渋谷ストリームから明治通りを挟んだ道路向かいにあるのが、警視庁渋谷警察署です。
ところで私、実は今回渋谷で、今から21年前に出た『街~運命の交差点~』というテレビゲームのロケ地巡りをしたいと思って来ています。
この作品は実際に渋谷の街でロケを行い、俳優さんたちが演じる主人公と登場人物を撮影した各場面を背景として取り込んだ、進路選択式のノベルゲームになっています。
一時期あった「サウンドノベル」というジャンルのゲームです。
複数の主人公たちの人生が、渋谷の街の各所で交差する。
その舞台になった場所が渋谷中に点在しているのですね。
「忠臣蔵」からいったん離れたのは、渋谷滞在中は史跡巡りとは別に「『街~運命の交差点~』ロケ地巡り」をテーマにしたかったからなのですね。
渋谷には忠臣蔵の関連史跡は無さそうだったので。
で、話は戻りますが、警視庁渋谷警察署。
『街~運命の交差点~』主人公の一人であるゲーマー刑事こと雨宮桂馬(あめみやけいま)が所属する警察署であり、作中に何度も登場する重要な場所なのです。
なのですが、あろうことか私はその存在にまったく気付かずに素通りしてしまいました。
渋谷警察署は玄関口が特徴的なのですが、その玄関口が歩道橋の陰にあるんですよね。
それで気付かなかったのです。
のっけから大きなポカをやらかしました。
これは渋谷警察署前にあるのとはまた別の歩道橋です。
大阪では見たことのない、屋根付きの歩道橋ですね。
ここを渡って六本木通りを越え南側へ。
1階にCafe1886の入ったボッシュ渋谷ビルの脇を抜けると、緩い勾配の下に金王八幡宮の敷地が見えます。
六本木通りからひとつ路地を進むとこういうよさげな風景になるんですね。
朝早くのことで、神社の方か地元の有志の方か、何人かで神社の周りを掃除されていました。
平安時代に石清水八幡宮から勧請され、渋谷の土着の豪族だった渋谷氏が八幡宮を中心にして城館を築いていたということです。
八幡宮であり、渋谷氏の城館跡でもあるのですね。
八幡宮の敷地が少し高くなった台地の上にあるのは、城館の名残りであるのかもしれません。
お参りしましょう。
本殿は朱色の地に装飾が施されて、見るところが多いですね。
左手に虎ですね。
右手に象?ですね。
金王丸桜です。
源義朝(みなもとのよしとも)の従者だった渋谷金王丸常光(しぶやこんのうまるつねみつ)の義朝への忠義を偲んで、義朝の子息である源頼朝(みなもとのよりとも)が鎌倉から移植したものだと伝えられているそうです。
そもそも金王八幡宮の名称、渋谷金王丸にちなんで渋谷八幡宮から改名したのですと。
渋谷金王丸の実在は史料上は確証がないそうですが…後の時代の『平治物語』に金王丸の出てくる場面があるのです。
鎌倉時代以降の渋谷氏の人々が、伝説で有名な金王丸を自分たちの先祖であり代表であると考え、金王丸にまつわる遺跡を守っていたという可能性はあると思います。
この金王丸御影堂には金王丸が母に残したと伝わる自画像が入っているそうです。
…自画像見てみたいですね。
本殿の傍らに「澁谷城 砦の石」があります。
戦国時代、小田原を本拠にした後北条氏の二代目当主、北条氏綱(ほうじょううじつな)と上杉朝興(うえすぎともおき)が現在の品川区高輪の付近で「高輪原の戦」の合戦を行いました。
その際に、渋谷氏は氏綱の別働隊と合戦して、ここにあった渋谷城を焼かれてしまったのだそうです。
つまり渋谷氏は当時上杉方で、この砦の石はその渋谷城の名残りということですね。
城館を焼かれた高輪原の戦以降、渋谷氏がどこに新たな城館を移したのか、気になるところではあります。
ちなみに後北条氏と高輪原で戦った上杉朝興は敗戦し、太田道灌(おおたどうかん)がかつて築城した江戸城を、後北条氏に奪われています。
金王八幡宮のお隣にある豊栄稲荷神社にもお参りしました。
境内に面白いものを見ました。
庚申塔(こうしんとう)なんですね。
庚申というのは干支の庚申(こうしん、かのえさる)のことで、60日に一度巡ってくる庚申の日の夜に、人間の体内に住む三尸(さんし)という虫が地獄の閻魔大王にその人の悪事を知らせに行きます。
そういう中国の道教由来の考えなんですね。
悪事を閻魔大王に知られると、その人は地獄に行くことになります。
それで、眠っている間に三尸が活動するので、庚申の夜に村落では庚申待(こうしんまち)と言って村中の人が集まって集団で夜通し寝ずに明かす風習があったということです。
三尸の活動を阻止するわけです。
庚申塔は、その庚申待を達成する度に記念して建てられたものなのですね。
庚申塔群を見ると、今は大都会のこの渋谷にも、かつては素朴な信仰の根付く村落があったことがうかがえますね。
庚申塔群に手を合わせました。
私が写真を撮ったり手を合わせたりしている間に、古びた庚申塔群の後ろを、高校生の集団がひっきりなしに通っていきます。
通学路らしいのですね。
毎日通る通学路に面してかつての土俗信仰の跡が残っていること、若い人たちの多くはおそらく気付いていないでしょう。
このような場所は大都会の空間と空間の隙間と言えるかもしれないな、と思いました。
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