2019年夏東京八王子旅行一日目(4)。八王子城跡の麓、御主殿跡を見学

北条氏照(ほうじょうじてる)の墓所を後にして、八王子城跡への道筋に戻ります。

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日本百名城、国指定史跡、八王子城跡。

身震いしました。

道の向こうから、霧も出ていて…。

怖くなっています。

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右手に行くと、八王子城跡の登城口です。

左手に行くと、北条氏照武家屋敷があった御主殿跡です。

御主殿跡の近くにはまた、氏照の正室ほか城の女性たちが身を投げた場所、御主殿の滝も流れています。

まずは御主殿跡と御主殿の滝を見学することにしました。

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管理事務所の建物ですね。

ボランティアガイドの方の詰め所にもなっているようです。

併設された公衆トイレは午前8時30分から午後5時00分まで利用できます。

今は朝の7時をまわったばかりで、トイレの入口は閉まったままでした。

ボランティアの方たちもまだ来ていないようです。

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古道・御主殿跡に向かいます。

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これが古道(大手道)だそうです。

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この古道から眼下を流れる城山川を挟んだ対岸の上に御主殿跡があります。

そして御主殿跡の上に八王子城跡がそびえているのですが、ここからでは樹木に隠れて川も対岸も見えません。

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古道から御主殿跡側に渡る橋です。

あの橋の辺りにかつて古道と御主殿跡を繋ぐ道はあったらしいのですが詳細は不明とのことです。

江戸時代後期の『武蔵名所図会』という地誌には、この付近に「曳橋」と名のついた簡素な橋がかかっている風景が描かれています。

現在の橋は当時の橋を復元したものではなく、見学者の便利のために整備されたものだということでした。

橋の下を流れる城山川の上流に、御主殿の滝があるということです。

この辺りに立つと、雨音に混じってかすかに滝の落ちる水音が聞こえるように思いました。

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橋の向こうに御主殿跡の高台が見えます。

霧が出ていて、私以外にまったく見学者の姿も見えず、怖いです。

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雨で表面すべりがちな橋です。

今回は八王子城跡登城と、あと後日に高尾山登山も予定していまして、簡易なトレッキングシューズを履いてきています。

でも、その類の靴でも濡れた場所を歩くとわりと滑るんですね。

天気予報によると今回の旅の間はずっと雨が降り続けるようで。

気をつけないといけませんね…。

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御主殿跡の土台を支える石垣です。

落城後の八王子城は、武蔵国の支配を受け継いだ徳川家康によって廃城とされ、それ以降手付かずだったために遺構の保存状態が良好なのだそうです。

この石垣も、戦国時代の当時のままの姿で土中から発掘されたということです。

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御主殿の、虎口であります。

コの字に曲がる石段の途中に二ヶ所の踊り場が設けてあって、防衛の人員を配置できるようになっています。

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ちょっとこの写真ではわかりにくいのですけれど、踊り場の四方に建物の支柱の跡らしい礎石が埋まっています。

どうもここに櫓門のような防衛施設があったようですね。

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御主殿跡に入ります。

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絶句しました。

一面の緑です。

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テーブルとベンチもあって、晴れた日ならここでお弁当かお菓子でも持ってきて休憩できますね。

氏照公を偲んでのアフタヌーンティーでもいい。

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これが「主殿」という建物の跡だそうです。

主殿は政治の場で、広間と城主が座る上段とがありました。

大河ドラマでよく見る、広間の上座に座る大名と下座に座る家老たち、の風景を想像します。

つまり往年には、ここで八王子城主の北条氏照とその家臣たち、横地監物や中山勘解由といった武将たちが評定を行ったのでしょう。

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建物の床だけ再現してある、「会所」跡です。

会所の説明は、「主殿で儀式を終えた後、宴会などを行った場所と考えられる」ということでした。

ここで氏照が「今宵は無礼講じゃ」と言ったかどうかはわかりません。

悲劇的な最期を迎えた主従とその家族たちにも、楽しく幸せな一夜があったことを願います。

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塀跡です。

会所の前面が外から見えないように塀をつくったようです。

きっと無礼講を隠すためですね。

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道路状遺構です。

石で囲った平坦な道の形がつくられています。

調査区外にまで続いています。

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現在の御主殿跡は主に氏照の政務の場所だけが発掘されていて、彼とその家族が暮らしていた屋敷の跡が、おそらくまだ森の中に埋もれている現状なのですね。

今後の調査が待たれます。

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この辺りから中国製磁器、国産の陶器、土器類の破片が発掘されています。

加えて、イタリアのベネチア製のレースガラスの破片も遺物として発掘されているそうです。

安土桃山時代織田信長は宣教師から西洋の調度品を入手していましたが、関東にもそうした舶来品が届いていたんですね。

中世の江戸の品川辺りには畿内伊勢国また紀伊国から来た豪商がいて、伊勢と江戸とを結ぶ太平洋沿岸の航路を利用して海運業を行っていたと聞きます。

畿内に持ち込まれた西洋舶来の品々が、伊勢と品川を経由して北条氏の手元に流れていたのかもしれない、と想像しました。

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敷地内には、他にも庭園遺構、掘立小屋遺構等ありました。

現在はこの御主殿跡は袋小路になっていて八王子城跡に登れるようにはなっていませんが、おそらくかつてはここから登城できたものと思います。

北条氏照の生活していた屋敷跡等、これからさらなる発掘と整備が進んだら、どれぐらいの時間がかかるのかわかりませんが、また見学しに来たいと思います。

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『手間のかかる長旅(110) 膳の作法。時子の確信』

作務衣の僧侶たちは部屋を去った。

時子(ときこ)たち一同はそれぞれ、車座になっていたままの位置にいる。

彼女たちの前にはそれぞれ、精進料理の膳が据えられている。

「よかったの?」

美々子(みみこ)が静かな声で言った。

一同は、美々子ではなくアリスの方に視線を向けている。

「何が」

アリスは美々子を見返した。

「何が、ってこともないけど」

美々子もいつになく勢いを控えている。

先に、藍色の僧侶は、アリスの前に屈みこんだ。

時子の位置からはよく見えなかったが、僧とアリスの視線とが合ったはずだ。

一瞬の猶予があった。

でも、アリスは彼が辞去するままにさせた。

アリスの探していた、件の僧侶。

それが彼であったはずだ、と時子は思っている。

他の皆も同じだろう。

それで、アリスの出方を待っているのだ。

「ご飯にするか」

アリスは美々子の顔から視線を皆に移して言った。

その顔は、無表情になっている。

喜びも悲しみも読み取れない。

「精進料理には作法があるにゃ」

アリスは声を高めた。

「作法って苦手」

美々子が相手する。

「簡単だにゃ。食事のときは、食事に集中すること」

「具体的にどうすんの」

「無駄口を叩かず、黙って食べるのにゃ」

「皆で会食に来てそれはないだろ」

「そういう作法だにゃ。食べ物に真摯に向き合うためにゃ」

アリスは決め付けた。

そう言い放ったアリスの顔を、美々子は静かに見ている。

「アリス、あんた、だんまりを決め込む作法を今、でっちあげたな」

アリスの方を見て、落ち着いた声で言った。

アリスは取り合わなかった。

彼女は視線を目の前の、膳の上に落としている。

「いただきますにゃ」

塗り箸を右手に取った。

精進料理の膳は、明るい色彩の食べ物から成っている。

アリスは食べ始めた。

美々子はため息をついた。

「私たちも食べよう」

彼女にうながされて、皆も三々五々、うなずいた。

時子も箸を取った。

無駄口を利かずに、黙って食べる。

アリスの先の言葉だが、精進料理の作法がそれを守ることだけで成り立つのなら、心安い。

時子は自分の料理を眺めた。

膳の上の限られた空間に、小さな皿と小鉢が、許される限りと言った風情で無数に載せられていて、賑やかだ。

小鉢の上の明るい色の食べ物たちを見ていて、時子の箸先は迷った。

表面のつるつるした豆腐状のもの。

胡麻豆腐だろうか。

柔らかそうで、わずかな振動で表面が小さく揺れている。

器の下に、小さな木の匙が添えられている。

すくって食べよという気遣いか。

せっかく箸を持ったのだから、このお豆腐は後の楽しみにしよう。

時子はそう思った。

四角い素焼きの皿に乗せられた、鰻の蒲焼きのようなものもある。

精進料理である以上、それは鰻を模した何かであろう。

見るからに甘そうなたれがかかっている。

 節約生活の毎日で、もう長いこと鰻を食べていない、と時子は思った。

目の前にあるのは鰻ではないが、鰻の味を期待して食べてみよう。

紙を敷いた上に、天ぷらを盛った器もある。

天ぷらのひとつは見るからに海老に衣をつけて揚げた形だ。

海老ではありえない。

海老のかわりに何を使っているのだろう。

時子は想像をふくらませた。

時子にもわかった、ふわふわとふくらんだ、豆と野菜を練って出来上がったがんもどき。

がんもどきは昔どこかで食べたような、と時子はおぼろげな記憶がよぎるのを、おざなりに手放す。

複数の雑穀を用いたご飯。

根菜と茸の煮しめ

透明に澄んだお吸い物。

膳の上で迷いながら、時子は目を楽しませた。

周りでは、友人たちが箸を使い、静かに咀嚼している気配を感じる。

それとなく、時子はアリスの方にまた、目をやった。

アリスもまた、無心の様子で膳と向き合っている。

食事だけに向き合う間、私たちは雑念からは解放される。

この食事は自分たちに与えられた、そういう行いの場なのかも。

時子は、遠慮がちに確信を深めた。

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2019年夏東京八王子旅行一日目(3)。北条氏照墓所。小田原北条家への憧憬。ごく個人的な

八王子城跡交差点まで歩いてきました。

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この交差点を北に行くと東京霊園、八王子霊園といった霊園の最中に入っていきます。

そのためか、石材店、仏花店等が多いです。

北には行かず、西側に行く左手の道を参りましょう。

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こちらですね。

なだらかな傾斜になっています。

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個人のお宅もまばらにありますね。

それにしてものどかな地区で、ここも東京都内だということを忘れてしまいそうです。

私の地元、南大阪の山側にもありそうな風景でした。

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まだお城跡の麓にも至っていないつもりだったのですが、もう八王子城跡の史跡内に入っていたようです。

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お野菜の無人販売所もあります。

南大阪でも時折、見られる風景です。

親近感が湧きました。

まだ旅の初日、野菜を買うことはできませんでした。

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八王子城跡に向かう道から脇道が出ています。

八王子城の城主だった、北条氏照(ほうじょううじてる)の墓所があるそうです。

お参りします。

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早朝でひと気がなく、小雨が降って肌寒くもあり、緑の中に入ると背筋が寒くなったようです。

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階段を登った先の高台の上ですね。

この山中、猪も出没するそうです。

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天正18年(1590年)の豊臣秀吉による小田原攻めの際、八王子城主であった北条氏照は、相模国小田原城にあって籠城戦に加わっていました。

八王子城の方は、城主氏照の留守を、家臣の横地監物、中山勘解由、狩野一庵らが守っています。

この横地監物と中山勘解由とは、先に見た廿里古戦場で永禄12年(1569年)、武田家侵攻軍の別働隊だった小山田信茂(おやまだのぶしげ)を迎え撃った武将たちでもあります。

武田家の小田原攻めから約20年後の、今回は天下人豊臣秀吉による小田原攻め。

八王子城には前田利家(まえだとしいえ)と上杉景勝(うえすぎかげかつ)の軍勢が攻めかかり、落城してしまいます。

中山勘解由は討死。

城内の御殿にいた氏照の正室を始め女性たちも滝に身を投げて亡くなります。

そして小田原城にいた氏照は小田原城の開場後、兄で北条家の先代当主だった北条氏政(ほうじょううじまさ)と共に、豊臣氏の手で自害を強いられます。

 

今私がいる氏照の墓所は、実際には供養塔で、中山勘解由の孫にあたる水戸藩家老の中山信治が、氏照没後100年の供養として建立したもの。

そういう現地案内版の、東京都教育委員会による説明でした。

確かに私も、何年も前に小田原を旅行した際に現地で氏照の墓所にお参りした記憶があります。

氏照供養塔の左には中山勘解由の墓石、そして右側には供養塔建立に当たった中山信治自身の墓石も立っています。

また氏照供養塔の後方は窪地になっており、供養塔から見渡せるその場所に無数の氏照家臣たちの墓石が立っています。

小田原城を守った氏照と、八王子城を守った無数の家臣たち。

父祖とその主を手厚く供養した、中山信治。

彼らの霊を思って、手を合わせました。

 

私は小田原北条家のファンでもあるので、自然と豊臣秀吉が憎たらしく思えてしまいます。

箱根にある北条早雲(ほうじょうそううん)以来の北条家菩提寺である早雲寺も、小田原攻めの際に秀吉が本陣を置き、その後焼き払ったために初代早雲、二代目氏綱らの墓所の正確な場所がわからなくなってしまったとか…。

何を余計なことしてくれてんだ!

そういう気持ちです。

しかしその後には豊臣家も、元は北条家の同盟者であった徳川家の手によって滅亡させられたわけで…。

怒りのやり場に困る思いでおります。

ちなみに、小田原城開城後、先述の通り先代当主の氏政とその弟の氏照は主戦派として責任を問われ、切腹

若き当主北条氏直(ほうじょううじなお)は紀州高野山に送られて謹慎生活を送りましたが、翌年、病死します。

北条家の家督は氏照の兄弟の氏規(うじのり)が継ぐことを許されました。

氏規の嫡男の氏盛(うじもり)の時代に各地の所領を統合し、河内国において狭山藩を立藩します。

慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いでも、きちんと東軍に属して豊臣方と戦っています。

以降、小大名ながら狭山藩北条家として幕末まで存続しました。

小田原北条家に私が親しみを覚えるのは彼らの末裔が、やはり南大阪の、地元のお殿様だったからでもあるわけです。

そして身近なお殿様のご先祖が、その昔は広大な関東の地を支配する大大名であり戦国乱世の英傑だったと、いうことなんですね。

私の好きな東京都内の街々にも彼らの痕跡が多く残っていますし、小田原北条家には親しみと憧れを共に抱いています。

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2019年夏東京八王子旅行一日目(2)。高尾駅から廿里古戦場、元八王子の梶原杉

荷物を今夜宿泊予定のビジネスホテルに預けてきました。

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八王子駅構内から南口への通路、外から見るとああいう渡り廊下になってたんですね。

線路と車道をまたいでいます。

 

これからまた八王子駅に戻って、電車で市内の史跡散策に出かけます。

八王子の史跡。

というと、まず思い浮かぶのは八王子城跡ですね。

戦国時代、関東に影響力を誇った小田原北条家。

その北条家の武将、北条氏照(ほうじょううじてる)が八王子を治めていました。

彼が新しく建造した城に、八王子権現を守護神として八王子城と名づけたのが、八王子という地名の由来になったそうです。

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八王子駅から電車に乗って、八王子城跡の最寄り駅である高尾駅に行きます。

中央線で、西に二駅。

仮に中央線をずっと西まで乗り続ければ、山梨県甲府、長野県の松本まで行くことができるんですね。

八王子駅からは南の神奈川県、横浜に行くことができるし、また北の埼玉県に行くこともできます。

また当然、東に行けば東京都心、また時間をかければその先の千葉県にも出られるわけで。

四方に連絡の通じる、交通の要衝なのですね。

八王子を拠点にすれば、関東甲信越の観光は一網打尽だな…と頻繁に関東方面で旅行がしたい関西人の私は思いました。

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朝早くでも電車の運行本数は多くて、高尾駅にすぐ着きました。

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高尾駅北口、こういう風景でした。

雨が降っています。

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高尾駅の駅舎です。

屋根の破風の装飾が寺院風と言うのか、趣ある建築になっていますね。

都内の有名登山スポット、高尾山の最寄り駅はもうひとつ西隣の高尾山口駅になるのですが、この高尾駅から歩いて登山に向かう登山客もいるみたいです。

高尾山はもともと修験道の行場でもあるので、それに合わせてのこの高尾駅の寺社風建築なのかな?と思います。

 

近くのコンビニで雨合羽を買って、着込みました。

折り畳み傘は持参していたのですが、これから城跡に登るわけなので、両手は空けておける方がいい、という判断です。

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八王子城跡は高尾駅の北西の方角にあり、しばらくは北に歩きます。

高尾駅前から北に伸びるこの道、高尾街道というそうです。

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この坂なんですけれど、ここも史跡だそうです。

歩道の脇に案内版が立っていました。

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廿里古戦場(とどりこせんじょう)だそうです。

永禄12年(1569年)、甲斐国から上野国(現在の群馬県)を経由して、武田信玄の軍勢が北から武蔵国の後北条家の勢力圏に攻め込みました。

当時、北条氏照はこの廿里の北方にある滝山城を本拠としていました。

武田信玄は、現在の東京都昭島市の拝島町に陣を置きます。

滝山城の北方から睨みを利かせる形ですね。

同時に、武田信玄配下の武将、小山田信茂(おやまだのぶしげ)率いる別働隊が、滝山城の西方、武蔵国甲斐国との国境になる小仏峠を越えて攻めてきました。

そしてこの廿里古戦場で、北条氏照配下の三人の武将と、小山田信茂が激突。

小山田信茂方が氏照方を蹴散らし、敗走する彼らを追います。

北条氏照は武田軍によって滝山城に追い詰められ、城の三の丸まで攻め込まれる窮状に至ったといいます。

武田信玄滝山城落城を狙わず、攻城戦の途中で目的を北条家の本拠、相模国小田原城へ変えて南下したので、北条氏照は滅亡を免れました。

滝山城北方にいた武田信玄本隊への警戒に気を取られ、盲点だった西側の甲斐国との国境から攻め込まれた氏照の失敗。

これ以後、氏照が小仏峠の手前に広大な八王子城を築いて滝山城から本拠を移すきっかけになった、のでした。

この廿里での敗戦と、滝山城での苦しい籠城戦がなければ、八王子城は生まれていなかったということでしょう。

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もと来た高尾駅方面を振り返りました。

小仏峠は高尾山の西にあるので、小山田信茂の部隊は高尾駅方面からこの高尾街道を攻め上って来たはずです。

ここで氏照配下の横地監物、中山勘解由、布施出羽守の三武将が迎撃。

しかし敗れ去った…というのは、小山田信茂の部隊がよほど強かったのでしょうか。

後の武田家滅亡直前の頃、織田家の甲斐侵攻軍へ離反するも、直後織田家により処刑された小山田信茂

廿里での勝利は、彼の全盛期の活躍のひとつだったかもしれませんね。

今は坂の下に住宅地の広がる古戦場です。

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廿里古戦場の先、高尾街道の右手には多摩御陵の緑に包まれた広大な敷地が伸びています。

大正天皇昭和天皇、そして香淳皇后が眠る皇室の御陵です。

参道はずっと東の方になります。

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今回は、この高尾街道から手を合わせて参詣と代えさせていただきました。

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「元八王子三丁目」の交差点まで来ました。

本当は、八王子城跡に行くならこのひとつ手前の「城山大橋」の交差点で左に曲がった方が最短ルートだったのです。

うっかりして、ここまで進んでしまいました。

しかし、怪我の功名、もあるもので。

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元八王子三丁目の交差点から西に歩いていく途中の道沿いに、この神社の鳥居を見つけたのでした。

八幡神社ですね。

これからの八王子城跡登城に先がけて、武運をお参りして行こう、と思ったわけです。

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参道の脇には住宅が並んでいます。

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今は根だけが残っていますが、「梶原杉」だそうです。

現地の案内によると、この八幡神社周辺の元八王子の一帯は鎌倉時代源頼朝の配下の武将である梶原景時(かじわらかげとき)の所領であったそうです。

景時は八幡神社を当地に勧請し、この梶原杉もその時に景時の手で植えられたものであるとか。

 

源義経と対立し、壇ノ浦の合戦後に頼朝に対して義経のことを「讒言した」逸話で著名な景時。

鎌倉幕府の実力者でありましたが、後に権力闘争の中で、一族と共に滅びています。

偶然、著名な人物の生きた痕跡をうかがうことができました。

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『手間のかかる長旅(109) 精進料理を運ぶ僧侶』

時子(ときこ)たちは僧坊の一室で、車座になっている。

精進料理を待っている。

お坊さんが運んできたら陣形をどうするか決めよう、というのは東優児(ひがしゆうじ)の提案だ。

なら、お坊さんが来たときには優児が聞いてくれるだろう、と時子は期待した。

通路との境の障子戸の近くには、時子と優児がいるのだ。

お坊さんに応対するなら、どちらかが役割を求められる。

そして、優児が先に提案をしたことは、時子には有り難かった。

いつも誰かに役割を期待してばかり。

でも自分だっていつかは自分の役割を果たすから。

そういう意気込みは持っている。

ただ、それを人に悟られないよう、これまで口数は控えめで来た。

今は車座になった一同が皆口数控えめで、ガラス戸の外の枯山水の方を眺めている。

「ぺごぱ」

かろうじて、ヨンミが隣に座る美々子(みみこ)に言った。

冗談混じりに空腹を主張している。

「お前、朝、あんなに食べたのに。どこにカロリー使ったよ」

ヨンミは美々子の家に仮住まいしている。

住居も仕事も同時に失っているので、美々子に養われている。

「あむごっどもくちあなよ…」

何も食べていない、とやはり冗談混じりに言っている。

「お前そんなことふざけたことばっかり言ってたらな、お坊さんに怒られるんだぞ」

「うぇよ?」

「精進料理はがつがつ食うもんじゃないんだから」

あぐらをかいたうえで、美々子は諭した。

二人のやりとりを時子はのんびりと眺めている。

部屋と通路とを隔てる障子戸越しに、人の気配を感じた。

「失礼いたします」

よく通る、それでいて大きすぎない、若い男性の声。

和室の一同は居住まいを正した。

美々子もあぐらから、急作りの正座に改める。

「どうぞ」

一呼吸の後、優児が外からの声に応じた。

呼びかけに返事しなくていいのかどうか、時子も迷っていたのだ。

障子戸が開けられた。

片膝をついた姿勢で、男性がいる。

藍色の作務衣を着込んだ体は、細く見えた。

卵型の顔に、切れ長の目と先の尖った小ぶりな鼻、小さな口元。

顎を上げて、まっすぐ一同の方に向けている。

頭髪は、剃られている。

「本日はようこそお越しくださいました」

一人一人の顔に、それぞれ目を合わせながら、労わるような優しい視線をくれる。

最後に、時子とも目を合わせた。

密かに、作務衣の僧侶はいっそう目尻を下げた、ように時子には見えた。

自分に微笑んだのだ、と時子は気付いて、動揺した。

これから精進料理を運び入れる旨を伝え、僧侶は立ち上がりかける。

「あの、座り方はこのままでよろしいのでしょうか」

優児が慌てて声をかけた。

「いかようにでも」

僧侶は鷹揚に請け負った。

「私たちは作法も何も存じませんので」

優児は丁寧に断った。

「粗相があったら、お許しください」

どきどきしながら、時子は僧侶の出方を待った。

何を言われるのだろう。

優児の言葉に、僧侶はにこにこと笑顔を返して、目で軽く会釈する。

そのまま立ち上がり、後ずさって通路の奥へ消える。

なるほど、と時子は思った。

白黒つけない、という返答が存在するのだ。

僧侶が去ってすぐ、入れ替わるように五人のこれも作務衣の僧侶たちが、室内に入ってくる。

作務衣の色は、先ほどの僧侶とは違い、皆黒一色である。

それぞれが脚の付いた小さな膳を胸の前に奉げ持っている。

精進料理が乗っているのだ。

車座になっている一同が腰を浮かせかけるのを柔らかに静止して、皆の前に片膝を付いて膳をしつらえる。

アリスの分だけがない。

と思ったら、五人の後から先ほどの藍色作務衣の僧侶が戻ってきた。

やはり膳を持っていて、アリスの前に腰を落として膳を据えた。

時子は見ている。

アリスは、自分の正面に屈んだ僧侶を上目遣いに見ている。

彼女の双眸が、うるんでいた。

口元が強く結ばれている。

なるほど、とまた時子は思った。

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はじめての精進料理

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2019年夏東京八王子旅行一日目(1)。阿部野橋駅前から、夜行バスのテンション。八王子駅南口を観察

大邱旅行から二ヶ月経ったぐらいで、もう旅行に行きたくなって。

また東京方面に行きたいな、って。

で、どうせ東京に行くなら今回はいっそ八王子旅行にしよう、と思ったわけです。

八王子(はちおうじ)というなんとも素敵な響きと、八王子市内にある数々の史跡に魅力を感じて。

しばらく前から、気になっている土地ではあったのです。

大阪阿倍野駅前から八王子駅前まで行く夜行バスを手配しました。

往復で約18000円ほどになりましたが、まあ新幹線で往復することを考えるとかなりお手頃で結構かと思います。

 

阿部野橋駅前で午後9時前出発の夜行バスを待ちながら、時間つぶしに苦慮しています。

折悪しく、雨天。

小腹が空いたりもしました。

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駅ビルの中にあるえび天丼専門店「えび頼み」で夕食をいただきます。

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えびの天丼、好物です。

あんまり食べる機会が無いので興奮も三割増し。

えび天丼が390円、小うどんがついて150円増し、外税込みで583円でした。

満足したら丁度いい頃合、バス乗り場へ。

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土曜日の夜の出発便って、意外と空いてるもんですね。

阿倍野橋駅前から乗り込んだのは、私の他には乗客が一人だけでした。

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二階建てのバスで、車内にトイレの設備あり。

二階の客席から階段を降りていくようになっています。

長いバスの旅でも安心です。

道中、私は使わなかったので中がどういう感じなのかわかりません。

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さようなら、阿部野橋駅前。

この雨、八王子に着く前になんとか止んでもらえませんやろか。

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発車時のアナウンスが誰もいない客席の間に虚しく響きます。

私も話半分で聞いています。

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こんにちは、大阪駅前。

阿部野橋駅前を出てから50分ほど経過しています。

わりとかかりましたね。

この先、バスは扇町阪神高速に入ります。

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滋賀県甲賀市の土山SAでお手洗い休憩にしましょう。

大阪駅前を出てから2時間ほど経過、時刻は23時30分少し前です。

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甲賀市と言えば甲賀忍者

信楽焼の産地、信楽町甲賀市内にあります。

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土山SAのフードコートと土産物店は近江鉄道グループの運営で、24時間営業なんだそうです。

便利ですよね。

夜行バスの旅って久しぶりなのですけれど、こうやって夜間にSAに立ち寄ってお買い物したりして、一人修学旅行気分に包まれました。

楽しいです。

飲み物等を買ってバス車内に戻りました。

朝まで、仮眠を取ります。

一人で盛り上がって、ちょっと眠れそうにないですけれども。

眠ったような、眠っていないような。

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朝になっていて、八王子駅前でした。

東急スクエア

東京感ありますね。

それにしても八王子に着いてもまだ雨が降っているとは…。

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JR八王子駅、さすが東京西部のマンモス駅ということはあって、構内広大です。

私の馴染みの新今宮駅どころの騒ぎではないですね。

たぶん天王寺駅よりもデカイ。

まだ朝の5時頃なのですが、そこそこ人の姿があります。

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今回は八王子駅の南方面にあるビジネスホテルを予約していまして。

チェックイン前ですが、荷物を預がってもらえる手はずになっています。

南へ南へ。

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電子制御のコインロッカー多数完備。

通路も広くて気持ちいいですね。

しかし小スペースのロッカーで使用料金400円、中で500円、大で700円。

結構高いです。

ビジネスホテルで荷物を預かってもらえて、とても助かります。

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八王子駅南口のバスロータリーですね。

こちらの風景はあんまり東京感はないですね。

ざっくり言うと八王子駅の北側が商業地、南側が住宅地なんですね。

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八王子駅に各種商業施設が集まっているので、最寄りなら南側に住んでいてもお買い物で不自由することはなさそうですね。

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八王子駅南口からまっすぐ南に向かって、とちのき通り。

登り勾配になってますね。

とちのき通りってことは、街路樹は栃の木かしら?

そう思ったのですが、見たところどうも南口付近の街路樹はイチョウです。

南に向かうにつれて栃の木に入れ替わるのか、どうなのか。

そこまで行っていないので、わかりません。

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バスロータリーに、面白いものがあります。

これ「エコサイクル」って言って、地下タワー式の駐輪場なんだそうです。

今私が立ってる地面のずっと地下深くまで、駐輪用の空間が掘ってあって。

目の前の入出庫口から入れた自転車を、その地下の空間に送り込んで駐輪する仕組みなんですね。

エコサイクル1基につき、自転車が204台収納できるんですって。

そしてバスロータリーに6基あるので、合計で1224台の自転車を駐輪できるわけです。

ぱっと見はわからないけれど、画期的な仕組みですね。

駅前駐輪場を全部地下に用意するなんて、未来的です。

未来都市、八王子。

ただ実際のところは東京以外、それこそ関西でもエコサイクルは導入されているらしいですけれど。

私は八王子で初めて見たので、衝撃を受けたのでした。

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日本の特別地域 特別編集32 これでいいのか 東京都 八王子市&多摩ニュータウン

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2019年春韓国大邱旅行四日目。大邱国際空港周辺。나라さんお見送り。칼국수(カルグクス)を忘れずに

最終日です。

大阪に帰る飛行機の便が午後3時頃に空港を出るので、だいたいその一時間前に空港に着いていればいいわけです。

それまでちょっと東大邱駅周辺を散策しながら、時間をかけて大邱空港方面に向かうつもりです。

 

地下鉄の乗り換えで立ち寄った中央路駅構内で、偶然。

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「기억공간(記憶空間)」と題されたスペースです。

2003年2月18日、ここ中央路駅で、放火によって停車中の列車と駅構内が燃え、多くの命が失われました。

私も当時、関連の報道をテレビで見た記憶があります。

現在も中央路駅構内に、火災で焼けた車両の一部、駅構内の設備等を保存し、展示しています。

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私も見学しましたが、事件の跡を残す生々しい保存展示は、正視に堪えませんでした。

亡くなった方々のために手を合わせました。

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大邱にも大型書店、教保文庫があります。

韓国語書籍を数冊買いました。

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夏は暑くてたまらない大邱の街ですが、街中にベンチが多いのは有り難いですね。

座って休めて。

ただ、日向で熱くなっているベンチにはちょっと座ろうって気にもなりませんが。

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衣料品店が、売り物を建物の路地側の壁に掛けているのを見て、思い切ったことをするなあ、と思いました。

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再び地下鉄に乗り、大邱国際空港の最寄り駅、아양교(アヤンギョ)駅で降りました。

駅名の由来になった아양교を渡り、空港のある北側へ。

この橋から結構な距離を歩きます。

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川を見るだけで涼が取れるような。

心理的効果を得ました。

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大袋入りのお菓子なんかも多く取り扱っているマーケットです。

大邱国際空港は規模が小さいので、空港内でお土産を売っているお店を探すより、こういう空港近くの商店でバラマキ土産を探すといいかな、と思います。

私もお菓子類をいろいろ買いました。

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大邱国際空港へ。

まだ名残り惜しいですが。

 

しかし空港に到着してみると、私が乗る予定の便が一時間半ほど離陸が遅れるとのこと。

また一時間ほど時間の余裕ができました。

小規模な空港の中で時間を潰すのも難しいので、外を歩きます。

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空港からまた南に歩いて元の川沿いへ。

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ここのベンチに座ってしばらく休憩しました。

木陰で気持ちいいです。

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空港から南に大通りが通っていて、その大通りの両端と近辺には商店が多く集まっているんですね。

飲食店にも困りません。

空港近くには宿泊施設は少ないし街の中心部でもないので利用する機会も少ないと思いますが、大邱から帰る前にごはんを食べて行くなら、この空港南側の商店街は狙い目かもしれませんね。

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最後の最後に三枚目ゲット。

お馴染み、Hello Venusの나라(ナラ)さんの販促ポスターでした。

お見送りしてもらってる気分です。

맛있는 참はまた国に帰って飲ませてもらいます。

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칼국수(カルグクス、うどんに似た料理)が3500ウォン(約350円)ですって。

韓国旅行の際にはカルグクスをいただくのが恒例ですが、今回はまだ食べていません。

大邱のカルグクス、食べておきたいですね。

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ビルの上階に합기도(ハプキド)の道場があります。

初日にも아양교の橋の南側で합기도の道場を見ています。

空港に隣接して韓国軍の施設があるので、もしかしたら韓国軍の関係で空港の近くに합기도の道場が多いのかな…と私は想像しました。

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また칼국수の宣伝広告が立っています。

さっき見た黄色の広告のお店とは別のお店みたいですが…。

ここに決めてしまいます。

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「옛날 손칼국수(イェンナル ソンカルグクス)」。

옛날が昔、손が手って意味なので、「昔ながらの手作りカルグクス」ぐらいの意味でしょうか。

店に入ると、お店を切り盛りしているおばさんが人懐っこいといいますか、親切な対応で、心がなごみました。

「これがお勧め」とジェスチャーで示された칼국수をお願いしました。

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칼국수、5000ウォン(約500円)です。

アルマイトの器がたまりません。

キムチと、あと驚いたのは生のシシトウも出てきました。

しかし辛くないもので、味噌をつけていただきます。

これがみずみずしくて、美味しかった。

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칼국수。

錦糸卵に海苔、エゴマ、そして胡麻が使われています。

麺は手打ちなのでしょうか、太くしっかり食感で、食べるのが楽しい。

若干コクのある、たぶん海鮮出汁の、塩加減のちょうどよいスープも良かったです。

大変美味しゅうございました。

お店の方の好印象もあって。

大邱旅行の最後に食べる食事、ここに決めてよかった。

しみじみと、そう思いました。

大邱には、また来たいです。

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