熱いお白湯をふうふう吹いて飲みながら、私は考えている。 たまには美味しい玉露のお茶を淹れて、舌の上をころころ転がしてから飲みたいな、などと。 しかしだ。 今は最低お白湯は飲むことができるのだから、まだいい。 しかしそれがかなわなくなったらどう…
米びつには米一粒すらない。 「もう食べるものがないよ」 米びつの中をのぞきながら、おっかさんがそうおっしゃる。 長引く戦乱で、稲の手入れに人手は割けず、かろうじて実った稲穂には火がつけられた。 でもこうして家が残り、母子で無事生きていられるだ…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。