長さおよそ1キロにわたる、長大で、かつ傾斜のきつい坂が眼下に延びている。 その傾斜の角度はほぼ90度である。 見下ろしていると、ひとりでに体が前のめりになり、坂を転がり落ちてしまいそうな錯覚に陥る。 こんな急な坂が一般の住宅地内にあっていいのか…
アリスは目を細めてカウンターの方に視線を送っている。 「怪しいと思ったが幽霊なら仕方ないにゃ」 口元でつぶやいた。 彼女がこの店を嫌ったらどうしよう、と時子(ときこ)は心配になる。 この店を知ってからまだ四日目だが、時子は居心地がいいのだ。 友…
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