2016-11-14から1日間の記事一覧

『瞬殺猿姫(35) 二重櫓を脱する、猿姫の胸の内』

急がないと、と猿姫(さるひめ)は思った。 いまだ織田三郎信長(おださぶろうのぶなが)は格子窓に食いついて、外で繰り広げられる戦に見入っている。 傍らでは、すでに蜂須賀阿波守(はちすかあわのかみ)が窓から離れ、身支度を整えていた。 先に城主神戸…