『世界一周ひとりメシ』イシコ

旅の本の中で私が一番好きなものは、読んでいて眠くなるような本です。

と書くと、退屈な本のことを話しているように聞こえてしまうんですが。

違うんです。

読んでいて心地がよくなり、次第にまどろんでくる…。

そういう雰囲気に包んでくれるような旅の本が特に好きなんですね。

世界一周ひとりメシ (幻冬舎文庫)

イシコ氏が書いた『世界一周ひとりメシ』は私が読んで眠くなれる旅本の一冊でした。

「世界一周チケット」を手にして世界一周の旅に出るイシコ氏。

彼は人見知りが強く、また食事のために知らない飲食店に入るのも苦手です。

そんな彼が旅先の外国で経験した「ひとりメシ」のエピソードをばかり集めたのがこの本です。

なんだか心配になってしまいますね。

飛行機の機内、なぜか添乗員が来るタイミングでばかり眠ってしまい、お酒を頼むのに苦労したり。

言葉がわからず、態度の悪いファーストフード店の店員に文句が言えないで我慢したり。

料理は美味しくないのに、優しい店主の人柄が気に入って同じ店に通ってしまったり。

うまく美味しいものにありつけないイシコ氏です。

失敗談から彼の不器用で内気なところなところが目立ちます。

ですが、どこか穏やかな人柄を感じさせる文章で、読んでいて心地よくなってくるんですね。

それで、私は眠くなるのです。

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世界一周ひとりメシ (幻冬舎文庫)