ぶつかってくる人。狭い通路を大手を振って歩く

地元の公共図書館にいたわけですよ。

それで私、書架の前に立って本を物色してたわけなんです。

そしたら突然、背負ったバッグ越しに、背中に強い衝撃が走りまして。

驚いて、振り返ったんです。

私の後ろを、他の利用者が通ったところでした。

通路の真ん中をずんずん歩いていく女性の後ろ姿だけが見えてました。

彼女にぶつかられたんです。

 

釈然としない感じがしましたよ。

それは、私はバッグを背負ってましたし、両側を書架に挟まれた狭い通路でしたので。

多かれ少なかれ、通行者の邪魔にはなっていたと思います。

でも通路を塞いでいたわけではないので。

体を少し斜めにすれば通れる程度の幅は背後にありました。

図書館に行くと、だいたい書架の前にいる人の後ろ、ぶつからないように通り抜けますよね。

通常は。

その女性以外の通行人は、私に接触せずに後ろを通り抜けていたんです。

ところが彼女は、体を正面向けたまま通路の真ん中を歩きたい、そんな気持ちを優先させたみたいで。

それでぶつかられたんですね、私。

 

心がざわつきました。

けれども怒っていても仕方がないので。

ああいう人がいるんだな、と思って私もそのまま書架の前で物色を続けてました。

そしたら数分後、また。

背中に衝撃。

同じ女性でした。

同じ後ろ姿。

同じ方向から。

強くぶつかっておいて何の言葉もなく、平気で通り過ぎていきます。

その後ろ姿を見送りながら、さすがに私も頭に血が昇りまして。

二回とも他人にぶつかっておいて謝りの言葉もないなんて、どういう神経してるんだろうと。

おそらく、彼女は「そんなところに立ってるのが悪い」とでも思ってたんでしょうか。

もしかしたら、ぶつかることが目的でわざわざ通っていったのかもしれません。

堂々と去っていく彼女の背中にふてぶてしさを見出して、むしゃくしゃしました。

追っかけていって、ひとこと文句を言った方がよかったのかもしれません。

が、ふんぎりがつかなかったのですね。

頭に血が昇っていたので、今追いかけて呼び止めたら喧嘩腰で文句を言ってしまう。

だから危ない、と。

そういう自制心も働いたわけであります。

で、もし三回目があったら落ち着いて注意しようと思って、軽く深呼吸して気持ちを落ち着けながら。

気もそぞろに、面白そうな本を物色してました。

幸か不幸か、三回目の接触はなかったですがね。

件の女性にひとこと物申す機会は逸しましたが、それはそれでよかった気もします。

例え冷静に話し合いができたとしても、公共の場で揉め事だなんて。

見栄えがいいものではありませんからね。

私にも、バッグを背負って狭い通路にいた負い目があるわけですから。

自分も自分だし、ああいう人もああいう人。

そう自分に言い聞かせれば、そのうち怒りも収まります。

 

ただ、もし私が女性を追いかけていって苦情を言い、冷静に相手の非を指摘していたら。

いったい彼女はどんな反応をしたのだろうかと、そこだけが気になって心残りではありました。

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