回らない回転寿司店の思い出
回転寿司、たまに食べたくなりますよね。
私は、回転しない寿司はほとんど食べないんですね。
食べるとしたら、スーパーのお惣菜コーナーで閉店間際に割引してるものぐらいですかね。
とは言え、外食で回転しない寿司を食べたことも何度かはあります。
学生時代、日雇いのアルバイトに行ったんですね。
そこでお昼時、一緒になった他大学だったか同大学だったかの先輩の方と二人で、ラーメン食べに行ったんです。
先輩はラーメン、私はサイドメニューのご飯ものだけいただきました。
しかし、その先輩、ラーメンだけでは足りなかったようで。
食後、休憩時間もまだあるし何か他にも食べに行こう、と誘われまして。
そしたらちょうど、回転寿司のお店が近くにあって。
二人で入ったんですね。
しかしそこは古いお店で、老朽化したベルトコンベヤーは流れが止まったままになっていました。
そしてカウンターの中には、本格的な風貌の板前さんがいました…。
狭い店内で、客は私たち二人だけです。
そのお店では、一皿ずつ食べたいネタを口頭で注文するわけです。
「まぐろ一皿ください」
「はい、喜んで!」
みたいな感じで。
注文すると板前さんが、お寿司の乗った皿を、目の前の止まったままのベルトコンベヤーの上に置いてくれました。
「回らない回転寿司店」です。
小さくて非常に狭いお店で。
回転寿司店の勃興期に開業したものの、「回転寿司店として営業するメリットがない」ということに経営者が気付いて。
その日からベルトの回転を永遠に止めてしまったような。
そんな雰囲気のお店でした。
ネタ一皿の値段は品によってまちまちでしたが、だいたい下は200円から上は500円ぐらいだったと思います。
回転寿司店だと思って入ったら通常の寿司店じみた雰囲気のお店でしたので、意表を突かれました。
後にも先にも、そんなお店に私が出会ったのはそのときぐらいでした。
今でも日本のどこかには、そんな時代に取り残されたような回転寿司店があるのかも? しれません。
画一的な全国チェーンの回転寿司店なら安心して食事できますけれど。
たまには、先の回らない回転寿司店のような、変り種のお店にも入ってみたいものですね。
価格:5,722円 |