香港旅行二日目(1)。中国拳法に心が動く。お粥を食べる
香港二日目の朝です。
前夜は興奮して眠れず…ということもなく、横になったらいつの間にか眠っておりました。
旅するコンディションとしては悪くありませんぞ。
香港の街に参りましょう。
旅先で、朝の街を歩くのが好きです。
街には朝なら朝の顔、昼なら昼の顔。
夜なら夜の顔があるんですよね。
朝のすがすがしい空気は特に、味わいたいんです。
散策しながら、尖沙咀(チムシャツォイ)の東部に来ました。
この界隈には、「アベニュー・オブ・スターズ」という場所がありましてですね。
海沿いに、遊歩道があるエリアなんですね。
そこに言わずと知れた映画スター、李小龍(ブルース・リー)のブロンズ像があるんですよ。
私も、香港に来てブルース・リーを見逃すわけにはいかないと思ったわけです。
ところが、そのエリア一帯が、建設工事中でして。
写真の通りで、入口が封鎖されて、立ち入りができなかったんですね。
焦りましたが、でもブロンズ像は道路向かいにある公園に、場所を移されたということがわかりました。
その公園に行ってみます。
高架上の横断歩道を渡り、地下鉄の尖東駅の上にある公園へ。
この景色、なかなかイイですね。
いました…。
渋い!
かっこええなあ。
かなり凝った造詣で、シビれます。
Fight!
よくを言えばサイドキックを披露して頭を叩かれ、お説教のひとつももらいたいところですな。
Don't think!
Feeeeel.
ブルース・リー相手にサイドキックを出してるところを写真に撮ろうと思ったのですが。
足が上がらなかったのです。
…少しは鍛えないと駄目だ、と思いました。
精神的にも肉体的にも、少しはブルース・リーに近づきたいものです。
ブルース・リー像との心の対話を経て。
なんとなく自分が強くなった錯覚に浮かれながら。
また散策を続けて参りますよ。
歩いておなかも空いてきたし、朝食を食べたい気分でした。
私、前々から、一度香港で広東風のお粥というものを食べてみたかったのですよ。
英語ではアジアのお粥のことを、Congeeというのです。
そんなわけで、目的のお粥店まで。
彌敦道(ネイサンロード)を北上しますよ。
重慶大厦(ちょんきんたいはー)の前まで戻ったところで、気付きました。
重慶大厦の道路向かいのビルに、こんな看板が出てたんです。
「葉問(イップ・マン)国術総会」ですって。
鳥肌が立ちました。
葉問(イップ・マン)は伝説的な武術家で、詠春拳という武術の達人でした。
そのイップ・マンの流派を受け継ぐ道場が、私の滞在しているビルのそばにあったのですね。
控えめに言っても興奮しました。
ちょっと見学に入ってみようかな、とか思いました。
しかし、旅行者向けに一日セミナーなんてやってるものだろうか。
やってたとしても、結構お金かかりそう…。
なんて逡巡したあげく、素通りしてしまったのです。
今検索してみたら、この道場のチャンネルをYouTubeに見つけることができました。
動画を貼り付けておきましたので、詠春拳がどんなスタイルなのか、ご参考にどうぞ。
面白い動きですなあ。
ブルース・リーはこの詠春拳を基盤として、フィリピンの武術、その他の格闘技から諸々の要素を取り入れて。
彼自身のスタイル、ジークンドーをつくりあげたわけなのですね。
ブルース・リーの師であり、詠春拳の中興の祖と言える武術家イップ・マンですが。
第二次世界大戦中に広東省と香港を占領した日本軍によって、苦しい生活を強いられているのです。
そのことがあってか、彼は生前に「日本人には詠春拳を教えるな」と。
そんな言葉を残したと伝わっています。
日本人にとっては悲しいことですね。
香港を旅する際に、あまり気負う必要はないのかもしれませんが。
日本人旅行者は、日本と香港との過去について若干は意識しておいた方がいいかな、と。
そんな気持ちがしました。
詠春拳、習ってみたいものですけれどねえ。
話が長くなりましたが、ともかく、お粥です。
私はおなかが空いているのです。
こんな味わいあるビルを横目で見ながら歩く歩く。
香港映画等でもおなじみですが、建設現場の補強に竹を使うんですよね…。
よくあれだけ多くの竹が調達できるな、と思ってしまいました。
目的のお店、彌敦粥麺家(ねいとんちょっみんがー)に着きましたぞ。
ガイド本によると創業は1964年で、伝統的な広東式のお粥を今に伝えるお店だそうです。
かなりの人気店のようで、地元民と観光客とで朝から混んでいました。
従業員は年配の方ばかりで、英語は通じません。
ただ、日本語併記のメニューが用意されてありますので、なんとかなるでしょう。
注文はメニューを指差しながらのジェスチャーで。
きたきた。
皮蛋痩肉粥(ぴーたんつぉうよっじょっ)だそうです。
35HKドル(約480円)。
刻んだ香味野菜と、中華式の煮卵、そして刻んだ牛肉がたっぷり粥の下に隠れています。
非常な美味!
しかし、朝食向けにしてはかなり塩気がきついです。
左奥のは、炸麺(じゃーめん)で、一皿10HKドル(約138円)ですね。
揚げた、お麩のような食べ物です。
さくさくで、ほんのり塩気があってこちらも美味しいです。
お粥の中に浸して、お粥の味を調整するのに使う役目もあるらしいですよ。
一般的な粥店では炸麺ではなく油條(ヤウティウ)と言うところなんですが。
当店は伝統的なスタイルなので、古称の炸麺という呼び方をしているそうです。
食事をしていたら、近くの席から日本語が聞こえてきました。
やはり、日本の観光客にも知られた名店なんですね。
店の雰囲気も、良くも悪くもありのままといいますか、香港の地元に根付いた粥店の空気が味わえます。
おいしく食事しながら、香港気分が盛り上がってきました。
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