まったり古代散策。日本最古の寺院も。明日香村の旅
しばらく前から、奈良県の明日香村に行こう行こうと思っていたんですね。
と言うのも、前回の日帰り旅で私、大和郡山市に行きまして。
この旅で、奈良の雰囲気に味をしめたわけなんです。
さらに奈良奈良した場所に行きたい!
それで、今まで何度か訪れていますが、明日香村の風景を連想したわけなんです。
朝早くに起きまして、最寄り駅から列車に乗りました。
しばし列車に揺られた後、明日香村に到着です。
ようこそ飛鳥へ!
高校生女子の集団と同時に降りてきました。
週末にも学校あるんですね。
部活かしら?
私は観光させていただきます。
新しげな、近鉄飛鳥駅の駅舎であります。
駅舎でこの「てくてくまっぷ」が手に入ります。
明日香村観光の際にとても重宝します。
レンタサイクル、一日借りて1000円。
明日香村は見どころが村内に広く点在しています。
移動には、自転車が便利なんですね。
でも私は歩きたい気分なのです。
こうした案内板が村内の要所要所に立てられています。
私は方向音痴なので、これはありがたいです。
まずは飛鳥駅から近い高松塚古墳に向かって参りましょう。
車の交通量が多いので、気を抜くと危ないです。
風景に見とれて、うっかり車道に出てしまわないようにしましょう…。
高松塚古墳近くのこの風景を見て、心をつかまれました。
緑が多くて…。
いいですな。
古墳のある公園に入って参ります。
公園から望めるだんだん畑。
こちらは高松塚壁画館です。
高松塚古墳内で発見された壁画の模写、副葬品のレプリカなどの展示を見られます。
入場料は大人250円ですね。
私は少し早く来たので、まだ開館していませんでした。
壁画は気になりますが、素通りしてしまいましょう。
高松塚古墳の築山が見えて参りました。
村人が、ショウガを貯蔵するための穴を掘っていて発見された、高松塚古墳。
その石室内部には、古代の官女らしい女性たち。
四聖獣。
そして、星座を描いた壁画が残っていました。
これらの壁画には後にカビなどによる損傷が見つかり、現在は別の場所で修復作業中なのだそうです。
古墳は、生垣に囲まれて近寄れないようになっています。
しかし、上に登ってみたくなる形ですな。
昔食べた、お子様ランチに入っているカップ型のライスを思い出しました。
そのライスにカレーをかけてくれている、気の利いたレストランもありましたね。
そういうかつてのお子様ランチのことを思い出すと、食欲が湧いてきます。
古墳のある高台の裏手から望める眺めです。
私はこういう風景が好きなのです。
高松塚古墳の築山の形を見て満足しましたので、次の場所に向かいます。
と言っても、後は特別見たい場所と言えば石舞台古墳ぐらいでして。
遠く石舞台古墳までの道すがら、目についたものを楽しみながら、気ままに歩こうと思います。
高松塚古墳から、少し進みました。
彼は、壬申の乱で兄の子である大友皇子を倒し、天皇となりました。
その天武天皇の皇后であり、天武の死後、自ら天皇として夫の後を継いだ持統天皇。
彼女も天武と共に、この御陵に眠っています。
お参りしていきます。
御陵のある山の中腹で、地元の方が柿を育てています。
まだ青いですね。
重い実が地面すれすれまで垂れ下がるカボス。
酸っぱいやつです。
刻んで、おうどんに添えたいですね。
カボスに気を取られながら、お参りを済ませました。
桜井、橿原、多武峰。
旅してみたい土地ばかりであります。
これから、折々に訪ねていけたらいいですね。
田んぼの最中にある、亀石を見に来ました。
左手に売店がありますね。
売店のすぐ隣に、亀石。
亀の形をしていることの他は、正体不明の石です。
この亀石が西を向いたとき、大和盆地は泥沼になるという伝承があるそうです。
いったい誰が言い出したのでしょうね…。
お隣の売店「亀店」では、土地で収穫された各種のお野菜がお手頃価格で売られています。
私はバターナッツを買ってしまいました。
瓜の一種であります。
この大きなひと玉が、なんと100円で買えました。
ポタージュにすると美味しいそうですよ。
それにしても、重い…まだ旅の途中なのに、荷物をつくってしまいました。
重いバターナッツをバッグにしまい、これから橘寺というお寺に参拝します。
以下は、『日本書紀』に記述のある伝承です。
かつて垂仁天皇の命令で、不老不死の薬を探して常世の国に渡った田道間守(たじまもり)という人物がいたんですね。
この田道間守が、常世の国から「トキジクノカグノコノミ」なる実を持ち帰りました。
ところが彼が帰ってくると、垂仁天皇はすでに崩御されていました。
仕方なく田道間守がその実をこの場所にまいたところ、橘(柑橘類の一種)が芽を出したのですね。
それが由来となり、この土地一帯を橘という地名で呼ぶようになったそうです。
また橘寺は聖徳太子の生誕地でもあります。
田道間守より後の時代、ここには欽明天皇の別宮があり、その別宮で彼の孫にあたる聖徳太子が生まれたのですね。
欽明天皇の命で、聖徳太子は別宮の御殿を改めて橘寺を建立することになります。
橘寺、いろいろと由緒のある古刹なんですな。
水田の最中で、いい風情ですな。
拝観料は大人一人350円です。
本殿では古い時代に彫られた聖徳太子像、田道間守像を拝めます。
境内には、二面石と呼ばれる不思議な石造物もあります。
飛鳥には、正体不明の石造物が多く存在するのですね。
この二面石は、人の心の善悪を表したものと言われているそうです。
左悪面!
右善面!
私にはどちらが善でどちらが悪だかわかりませんが!
わかる人にはわかるのでしょう。
橘寺を後に、再び石舞台へと向かって歩いていきます。
石舞台古墳に着きました。
拝観料は、大人一人250円かかります。
古墳ですから古代の有力者のお墓なわけですが、誰の古墳なのかは不明です。
古墳の盛り土が失われて、石室が露出した状態なんですね。
昔からこの古墳、「石舞台」と呼ばれていたそうなのです。
おそらくずっと現在のような、石が剥き出しの状態だったのでしょう。
しかし不思議なのは、古墳でありながら石室の中には棺も被葬者の遺体も無かったのです。
どういったいきさつで、空で剥き出しの石室だけが残ったのか。
気になりますね。
気になるので石室の中に入っちゃいましょう。
ご覧の通り、石室上部は石と石の間に隙間があるのですね。
見た目、不安定です。
石舞台というぐらいで、過去にはその上で狐の化けた女が舞いを舞ったり、旅芸人が芝居を演じたとか。
そんな伝承もあるそうですが。
今は、石舞台の上に登ることは禁じられています。
危ないですからね。
立派な花崗岩であります。
よくこんな大きな石ばかり運んできましたね。
巨石は近世の城作りでは、「修羅」と呼ばれる木製のそりに乗せて運んだのだそうです。
古墳の巨石もそうなのでしょうね。
石舞台の周囲をうろうろしているうちに、おなかが減ってきました。
お昼にしましょう。
先ほど亀石の隣の亀店で買った、明日香村の古代米を使ったおにぎり。
私、古代米って響きに弱いのですよ。
100円でした。
古代米の量は控えめ、歩いて汗をかいた私にとっては塩分も控えめに感じましたが。
しかし、手で握った、柔らかく優しい味わいの一品です。
なんだか食べていて、心がなごみました。
店にいた、朴訥そうなおじさんおばさんを思い出しながら。
案外このおにぎり握ったの、おじさんの方だったりして…などと想像しておりました。
古代米と言えば、石舞台近くの売店で、こういうものも売られているのです。
飛鳥名物、古代米ソフト。
以前に下記のウェブ記事を読んでからというもの、食べたかったんですよね。
ま、ここで紹介されてるのは同じお店の別のソフトクリームなんですけれども。
私は前述の通り、古代米が好きなもので。
むふふふ…。
古代米バニラソフトクリーム、350円です。
古代米によるものでしょうか、独特の香りがあって、なおかつさっぱりしてて。
食べやすく美味しい一品でした。
石舞台近くの「あすか野ログハウス」って売店で売られているんですがね。
このお店、ソフトクリームにもかなりの種類があって、さらにジェラートもありまして。
アイス類に力を注いでいる感じのお店でした。
まだまだ暑い日が続きそうですから、美味しいご当地ソフトクリームは嬉しいですね。
これから飛鳥駅に戻りながら、まだ見ていない史跡を見て帰ります。
酒船石!
何とも不思議な形ですな。
お酒、薬をつくるための設備だという説があるそうです。
この石の上のくぼみと溝を見ると、何かを混ぜ合わせるのに使ったのかな、と。
そういう妄想は自然に湧いてきますよね。
近くの平地に、「亀形石造物」と言われる施設の跡が発掘されていましてね。
この酒船石からその亀形石造物まで、樋を通して水を流していたのではないか、という説も聞いたことがあります。
何にしても、飛鳥にある各種の巨石は、我々の想像力を刺激してくれますよね。
酒船石を後にして、最後に立ち寄ったのがこちら。
飛鳥寺というお寺なんですね。
飛鳥大仏という、大仏様が鎮座されていることで有名です。
しかもなんとこの飛鳥寺、日本で最初のお寺だというんですね。
古刹中の古刹なわけです。
しかし、私はここへたどり着いた時点で歩き疲れていまして。
「今の自分では何を見てもあまり感動できないから、拝観料を出してまで参拝するのはもったいない…」。
などとケチくさいことを考えたわけなのです。
このまま、中に入らず素通りして、駅に向かってしまおうかと。
なのですが…。
これを読んでしまいましてね。
飛鳥寺敷地の外に掲示されていた、この一文。
できるなら、どうぞ拡大して読んでみてください。
飛鳥寺住職の手によるものだそうですが…どうです?
名調子でしょう?
素晴らしい文才です。
シルクロードの終着点!
飛鳥寺!
これを読んで、私は「ああ、ここまで言われるときびすを返すわけにはいかぬ…!」と改心したわけです。
以前に韓国の慶州で古代新羅の仏教寺院の跡地なども見学していますし、胸を打つものがあったのですね。
拝観料大人一人350円を納めまして、本殿にお邪魔しました。
結果的に、それがよかったのですね。
飛鳥時代から当地に鎮座し続けている、飛鳥大仏。
素晴らしいたたずまいでした。
古代の仏像の有り様といいますか、仏像の原点を感じさせる風格があります。
お寺の方によると、当寺では本尊の飛鳥大仏は撮影可能!なのだそうです。
それで私も興奮して飛鳥大仏のご尊顔を撮影したわけです。
ただ、ここに画像を掲載するのは控えておきますね。
どうぞ皆様、飛鳥寺を訪ねて、飛鳥大仏をご覧になってください。
こちらがその飛鳥大仏の鎮座する、本殿であります。
飛鳥寺のすぐ外には、蘇我入鹿(そがのいるか)の首塚があります…。
西暦645年に、大化の改新で中大兄皇子と中臣鎌足に倒された、あの入鹿の首が眠っているのですね。
その門前に、馬子の孫である入鹿の首塚があるのは何を意味するのか…。
その辺りの経緯は、私にはわかりません。
脳裏に、松尾芭蕉の「夏草や兵どもが夢の跡」の句が浮かびました。
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