『The Stand』Stephen King
長い時間をかけて、ようやく読み終わりました
Sthephen Kingの長編小説、"The Stand"。
以下にあらすじを記します。
軍の研究施設から致死性の伝染病ウィルスが漏れ、アメリカ合衆国中に広まりました。
ウィルスへの耐性を持った少数の人たちだけが生き残ります。
死の匂いに包まれたアメリカの街々。
生き残った人たちは、夢に現れる不思議な老女の導きにより、ボルダーの街に集まります。
そこで模索される、新しいアメリカの再生。
しかし同時に、善なる存在である老女と対をなすような悪の存在も人々の心に現れ、影を落としていました。
老女が人々を引き付けるのと同じように、この悪の存在もある種の人々を自分のもとに集めるのでした。
ボルダーの街のはるか西方に、彼らは悪の都とでも言うべき社会をつくりあげます。
ボルダーと悪の都は、次第に対立を深めていきます。
パンデミックによりアメリカ人の大半が死滅する、サイエンス・パニック的な序盤。
そこから物語は、次第にオカルトじみた展開を見せていきます。
King作品の読者なら、"Salem's lot"などの他作品でも馴染んだ、ダークな世界観なのですね。
物語には多くの登場人物がいますので、慣れるまでは少し混乱するかもしれません。
しかし主人公たちも悪役たちも、個々の心理描写が丁寧な筆致で描かれます。
個々のキャラクタに対する理解は物語を読み進めるごとに深まるでしょう。
主人公たちの過酷な戦いは、ときに読んでいて辛くなることもあります。
しかしKingによる練られた名文とストーリー展開の妙によって、先を読まずにはいられない面白さなのです。
1400ページを超える大部で、確かに読むのは大変です。
ですが、その大部を読む切るに見合った楽しみを味わえる。
私はそう感じました。
じっくり読んで楽しめる読書に飢えている方に、私は本作を強くお勧めします。
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