『読書感想文からオトナの世界が見える』恩田ひさとし

世の中には、衝撃的なウェブサービスがあるんです。

私は知りませんでしたが、テレビのニュース等に取り上げられたこともあるそうで。

 

www2k.biglobe.ne.jp

 

『自由に使える読書感想文』です。

著作権フリーの、オリジナル読書感想文を提供しているウェブサイトなんです。

児童、生徒が諸々の目的で使うことを前提としているんですね。

衝撃的です。

このウェブサイトを運営する、恩田ひさとし氏の著作を読みました。

読書感想文からオトナの世界が見える (ガクモンno近道!ぬけ道?散歩道)

読書感想文からオトナの世界が見える (ガクモンno近道!ぬけ道?散歩道)

 

『読書感想文からオトナの世界が見える』。

著者の恩田ひさとし氏は、フリーライターだそうです。

 

子供の頃、読書感想文が辛くて仕方なかった著者。

読書感想文とそれを強いる先生たちへの反感を隠しません。

「自由に書きなさい」。

「著者が言いたいことを文脈から読みなさい」。

読書感想文を指導する先生方は、だいたいそういうことを言うのですね。

でも実際は自由に書くと、評価されません。

先生の頭の中には「理想的な子供(生徒)」像があるんです。

その子供像に合致する子供を演じて、感想文を書かないといけません。

自由に書けと言いながら、自分の気に入る感想文しか認めないのです。

全然自由じゃありませんよね。

また「文脈を読む」にしても。

文脈を読むなんていうのは非常に難しい技術で、読書に慣れていない児童には無理です。

先生方は口でそう強いるばかりで、どうすれば文脈が読めるのか教えません。

難しくて、教えられないからなんですね。

自分たちも教えられないことを強いているんです。

昔から現代まで、変わらない教育現場でのダブルバインド

子供たちが読書感想文を嫌い、読書そのものが嫌いになったとしても無理はないです。

でも、嫌だと言っても書かないわけにはいかない。

それで著者は子供たちへの手助けとして、上記に挙げたウェブサイトを運営しているのですね。

無駄にしんどい思いをするぐらいなら要領よくやってしまえ!というわけです。

もしくは頑張って書きたい生徒向けには、本書で効果的な読書感想文の書き方を教えています。

 

著者はまず先生たちを始めとする大人たちへの反感を煽りながら。

一転して、今度は彼らに媚びるような方法を提案します。

読書感想文を読む先生のタイプに合わせて、相手の喜びそうな子供像を演じて書く。

相手の好き嫌いを把握して、書く。

先生に気に入られるように。

卑屈には聞こえますね。

しかしそうして工夫をこらせば、嫌々書くより読書感想文も楽しくなる、のだそうです。

 

相手に合わせて文章を書く。

よく考えて見るとこれ、読書感想文だけに限った話じゃないんですね。

読み手を想定して、読み手に娯楽を与える文章を書くということですから。

私がまさに書いているブログ記事にしたって、目指すべきところはそこなんだと思います。

読者を喜ばせることができたら嬉しいし、書くのも楽しくなってきますよね。

子供たちにも、その楽しさがわかれば。

読書感想文を書くのが平気になるし、大人になっても文章を書くのが得意な人になれるかもしれませんね。

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