出雲大社、行基の土塔、台湾料理。大阪府堺市の旅
皆様、新年あけましておめでとうございます。
異次元の旅人、金比羅系でございます。
どうぞ今年も、よろしくお願いいたします。
さて、この元日。
この初芝駅がこれから向かう、「出雲大社大阪分祠」の最寄り駅なのです。
島根県は出雲市にある出雲大社の分祠にあたる神社が、ここ大阪にもあるのです。
私、今までこの大阪分祠にお参りしたことがなくて。
ずっと気になっていたわけなんです。
今年の初詣先として、この機会にお参りしてしまおう!ということになりました。
初芝駅から出雲大社までの道のりは、初詣の参拝客の方々であふれていました。
文具販売の大手企業、ナカバヤシの本社工場が沿道にありましたよ。
所在地、出雲大社の近くだったんですね。
ちなみにこのナカバヤシ、島根県内にも出雲市を始めとして多くの工場を持っているそうです。
これも出雲大社が取り持つ縁でしょうか…?
しばらく歩いて、出雲大社大阪分祠にたどり着きました。
住宅地内に、突然現れる広い敷地。
出雲大社大阪分祠。
にぎわっています。
島根の出雲大社を彷彿させる、立派な本殿であります。
今年が私と皆様にとってよい年になりますように、しっかりお祈りしてきましたよ。
本殿内の通路には、こういう注意書きも。
ポケモンGOブームも、そろそろ落ち着いてきたみたいですけれどね。
お参りを済ませて、心が入れ替わったような気持ちです。
大国主命を主祭神とする出雲大社は、伊勢神宮を頂点に置く日本神道の他の神社とは、どこか異質な雰囲気を持った神社なのですね。
その流れである大阪分祠にお参りして、私もこの日本に息づく、多様な信仰の形に触れることができたような。
そんな気がしました。
お参りを終えて、出雲大社を後にしました。
時刻はちょうどお昼時です。
おなかが空いています。
実は出かける前に私、ネットで出雲大社の近場で食事ができるお店を、あらかじめ調べてきたのですよ。
そうすると、台湾料理のお店を見つけることができましてね。
そこで食事したい、と思いながら出てきたんです。
台湾料理、食べたくて仕方なかったんですよ。
と言うのも出かける直前まで私、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』という映画をテレビで見てましてね。
太川陽介さん、蛭子能収さん、三船美佳さんの御三方が、台湾でローカルバスを乗り継いで。
台湾の最南端にあるガランピ岬を目指す、というドキュメンタリ映画でしてね。
この映画を見ていて、私は「台湾料理が食べたい…」という気持ちになったのでした。
それで出雲大社周辺で台湾料理のお店を探してみたところ、偶然にもあったのですよ。
台湾料理の専門店が、近くに。
それで出雲大社へのお参りを済ませた後、ぜひとも台湾料理を食べる!という気持ちでいっぱいだったのです。
そんなわけで、やって参りました。
台湾料理の専門店、「金陵」さんです。
出雲大社の近所、大野芝町にあります。
住宅地のさなかにある、新しいお店ですね。
元日だし、たぶんお休みかも…と、駄目もとで訪ねてみたのですが。
営業されてました!
運がよかったです。
綺麗な内装のお店でした。
席について、ずっと食べたかった「台湾煮込み豚丼(魯肉飯)」と「ゆで豚肉のニンニクソース(蒜泥白肉)」の二品を注文しました。
ゆで豚肉のニンニクソース(蒜泥白肉)、350円。
美味しいソースにつけていただきます。
柔らかいお肉とネギが、ニンニクソースに合うんですね。
お酒が欲しくなる、嬉しい美味しさでした。
そしてこちらも来ました、魯肉飯(ルーローファン)。
こちらも350円。
台湾料理好きの方には、お馴染みの一品でしょう。
とろとろの煮込み豚肉を乗せた、ご飯料理なのですね。
私、これが食べたくて仕方なかったのです。
運ばれて来た、目の前の魯肉飯。
その香りをかいで私、とても懐かしい気持ちになりました。
というのも、以前に香港を旅した際に街角のそこかしこでかいだのと同じ、独特の香りがしたのです。
あ、香港の香り!と、興奮してしまいました。
魯肉飯のような、豚肉を香辛料で煮込んだ料理は香港でも台湾でも共通なので、煮た香りになるのですね。
嬉しくなって、スプーンを使って豚肉とごはんをほおばりました。
とろとろ豚肉に、タレの味が染み込んだご飯。
私はまだ台湾に旅したことはありませんが、まだ見ぬ台湾を思わせる味わいです。
すっかり満足いたしました。
一品料理の品数も多彩ですし、居心地のいい雰囲気。
機会を見つけて、時々通いたい!
そんなお店であります。
金陵さんでした。
食事を終え、金陵さんから出て参りました。
すっかり台湾気分です。
このまま帰ってもいいのですが、この近くに、他にも面白い場所がありましてね。
その場所を見てから帰ろう、と思いました。
少々歩きます。
住宅地をさらに歩いて、着きました。
見えますか?
「土塔」という史跡なのです。
瓦を敷いた、ピラミッドのような小山がフェンスの内側に盛り上がっています。
この土塔。
もともと、奈良時代の僧侶である行基(ぎょうき)という人物がつくった仏塔なのですね。
行基は、堺の偉人の一人と言っていいでしょう。
畿内を始め日本各地で農業用の池の灌漑など、土木建築の事業に尽力した偉大な人物です。
大阪狭山市の狭山池を始めとして、大阪府内にはこの行基の関わった史跡が多く残っています。
そんな彼の作品のひとつであります、目の前の土塔です。
元の形を失い長らく小山になっていたのを、近年になって当初の姿を復元したのが、この瓦の敷かれた姿なのですね。
見た目、エジプトかメキシコのピラミッドのような。
ある種の威厳があります。
建造当初の姿を、想像をもとに復元した模型がありました。
瓦が敷き詰められた上に、仏塔が立っています。
渋いですね。
もし本当に土塔がこうした形で、現在までその姿を保っていたとしたら。
世界に例を見ない貴重な建築として、広く名が知れ渡っていたかもしれません。
まさに和製ピラミッド。
素晴らしいですね。
私は行基(敬称として「行基菩薩」とも呼びます)の事跡に尊敬の念を抱いているので、折に触れて、こうした行基の作品を宣伝していきたいと思っています。
読者の皆様にも、出雲大社大阪分祠にお参りされる機会があれば、行基の土塔にも足を伸ばしていただきたいと思います。
台湾料理がお好きなら、金陵さんのこともどうぞお忘れなく!
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