上海旅行一日目(2)。浦東から、観光トンネルを抜けての外灘散策。近代建築と茶叶蛋
浦東新区から黄浦江を渡り、向こう側の外滩(外灘、バンド、ワイタン)に行きたいのです。
川を渡るには渡しフェリーの他に、川の底を通る外滩观光隧道(外灘観光トンネル)があるのですね。
その観光トンネルで川の底を行こうと思いました。
東方明珠塔を始め、あの高層ビル群の上には展望台を備えている場所もあるのですが、入場料がとても高いので私は行きません。
上からの景色は綺麗でしょうけれども。
ちなみにガイドブックによると、東方明珠塔の上層に上がる入場料が220元(約3770円)ということでした。
4000円近くもかかるのでは、ちょっと昇ってみる気がしません。
下から見上げるだけ見上げて、先を急ぎます。
上海国际会议中心(上海国際会議センター)の大きな建物前に、観光トンネルの入口らしき場所を見つけたのですが…。
なんかあんまり観光観光した雰囲気ではないのですね。
エスカレーターは停止しているうえに、下の階は真っ暗でした。
どうもここは入口ではないようです。
入口までの案内板等が少なく、どうもややこしいんですよね。
さらに道を迂回します。
ここが観光トンネルの入口で間違いないようですね。
エスカレーターを下ってチケット売り場へ。
チケットは他の観光施設との共通券などいろいろとありますが、一番安い片道チケットが50元(約856円)ということです。
往復チケットだと70元(約1200円)です。
渡しフェリーだと片道2元(約34円)で川を渡れるので、観光トンネルはかなりの贅沢と言えそうです。
私もその価格に躊躇したのですが、せっかくここまで来たので決行します。
地下鉄の駅のように荷物検査を受けて、さらにエスカレーターで地下へ。
海じゃなくて黄浦江で川の底だと思うのですが、海水も海の生物も入り込んでいるのでしょうか。
海底ムードを盛り上げようとしている内装でした。
トンネル内部は装飾とイルミネーションで海底海底した雰囲気作りが成されていました。
昭和の遊園地アトラクションの風情です。
運賃込みと考えても、50元はかなり高いかな、と私は思いました。
金にうるさい貧乏旅行者の個人的感想です。
トロッコを降りて、外灘側に出て参りました。
観光トンネル出入り口は飲食店が多い並びにあります。
この界隈は上海有数の観光地だけあり、特に人の数も多いです。
飲食店街の上には遊歩道があるのですね。
遊歩道に上がってみましょう。
外灘側から見る浦東新区の高層ビル群です。
夜景が有名ですね。
やはり空は霞みがちであります。
休憩する中国系観光客たち。
黄浦江の反対側には大通りに沿って、旧租界時代に欧米各国により建てられた近代建築が並びます。
中華人民共和国成立後、上海市政府がこれらの建築群を接収して公共施設に転用しました。
現在でもこれらのレトロ建築のほとんどが市政府関連施設か金融機関として使われているのです。
外灘は川の向こう側にもこちら側にも新旧の高層建築群が並んでいて、高層建築鑑賞にうってつけの場所です。
これは上海浦東発展銀行の建築ですね。
旧租界時代は香港のイギリス系金融機関だった建物だそうです。
これだけの数の欧米近代建築が並んでいる場所、アジアではなかなか稀有でありましょう。
租界という極めて特殊な行政形態の名残りなのですね。
アヘン戦争で清国がイギリスに負けた後に上海は開港し、欧米列強は居留地として租界を分割統治する形を取りました。
その内訳はアメリカとイギリスによる共同租界、フランスによるフランス租界でした。
後には日本軍が租界全域を占領し、欧米列強を追い出します。
しかし日本軍による支配は太平洋戦争での日本敗戦までの、ごく短い期間でした。
かつての灯台が遊歩道のさなかに残っています。
変わった形の灯台ですね。
もともと1865年に気象観測所として建てられ、後に信号塔を加えられるなど時代ごとに増設されてこうなったのですね。
戦後は派出所になったり、最近だと博物館として使われていた時期もあるそうです。
散策していますが、上海に来て数時間、まだ何も口にしていないのでおなかが空いてきました。
小さな便利店(コンビニエンスストア)がありますね。
可的という、これは上海ローカルのコンビニなんですね。
入店すると、レジの女性従業員は挨拶するでもなく胡散臭げな一瞥をこちらにくれるという接客姿勢でした。
なるほど、中国便利店スタイル。
レジにペットボトル飲料を持っていき、さらにレジ横の什器内で煮込まれている茶叶蛋を指差して二つ頼みますが、その間も従業員は無言です。
金額を告げられて、いくらかわからないので適当に少額のお札を渡し、お釣りを受け取る時に謝謝と声をかけましたが、従業員の方はもうそっぽを向いていました。
店を出ながら、商店が国営だった時代の名残りが上海のコンビニにも残っているのか?という気持ちでした。
もしくは、日本のコンビニのそれのような丁寧な接客サービスが、むしろアジアの中で特殊なのでは。
などと思いを巡らせながら、遊歩道脇に腰を下ろします。
これが茶叶蛋(Chá yè dàn)です。
鶏卵を殻ごと、茶葉と醤油、香辛料で味付けしただし汁で煮込んだ、中国のおやつなのですね。
コンビニ、雑貨店、駅の売店等でよく売られています。
中国に来たらこれを食べようと決めていました。
殻を向いて食べると、小ぶりな卵ながら、味がしっかり染み込んで美味でした。
醤油の味に、お茶と香辛料の風味がほんのり。
二つ買った茶叶蛋のどちらにも殻にひびが入れてあったのは、味を染みこませる工夫だったのですね。
従業員の接客は無愛想ですが、茶叶蛋の味は本物です。
どんなお店も一長一短だ、と思いました。
レシートをもらわなかったので茶叶蛋の値段は確認できませんでしたが、お釣りから計算するとだいたい2元とか3元とか、ごく安いものだったと思います。
煮卵の類に目がない私の、好物がまた増えました。
美味しいものを口にすると、異国の地でも自然と元気になるのですね。
遊歩道を南に歩き続けて、観光地である豫園まで向かっていきます。
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