上海旅行二日目(8)。人民広場から上海書城を経て渡しフェリー渡航。川沙で深酒の夜

上海に来て、観光できそうなところはだいたい見て回ったかな…という気持ちになりました。

人の多い中を歩き回り、商店の日本よりシビアな接客対応にも遭い、旅行二日目の午後にしてもう疲れが出てきています。

少し早いですが、今日の宿方面にもう向かって歩いていきます。

ただ道すがらで観光と買い物もできればいいですね。

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徐家匯から電車に乗って人民広場の近くに来ました。

人民広場のある人民公園、有名な公園なのですが、外から見た限りでも大勢の人が公園内部にあふれていて、中に入れそうには見えませんでした。

公園内で何か催し物でも行われていたのかもしれませんが、私はわざわざ中に入って確認してくる気持ちを欠いていたのでした。

通り過ぎましょう。

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書店の多い福州路沿いに歩き、上海書城にやって参りました。

日本でいうところの丸善ジュンク堂のような…総合書店ビルなのですな。

外国に来て、こういう書店ビルをのぞくのは楽しみです。

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上海書城の中を下の階から上の階までひととおり見て、出てきました。

豊富な書籍に日本の店舗と遜色ないディスプレイ、お洒落な内装と、よかったのです。

ただ書棚と書棚の間の狭い通路のそこかしこに座り込んで座り読みに及ぶ読書客が多く、物珍しい光景でした。

他の客の通行の妨げになることをものともせず読書に耽る様は、同じく読書家を自認する身として、胸に迫るものがありました。

彼らぐらい、公共の場でもなりふりかまわず読書に夢中になりたいものです。

そう思いながら買う本を選び損ね、空手のままです。

上海書城で何冊か中国語書籍を買うつもりだったのですが、これというものが見つけられなかったのですね。

店内に魯迅の短編小説集がなかったのは意外でした。

お土産の中国語書籍は、都合が合えば帰りに空港内の書店で買うことにします。

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今夜は浦東国際空港近くの川沙という村に宿泊する予定なので、再び外灘から黄浦江を越えていくのです。

しかし外灘に向かう道筋が大変な混雑でした。

途中、警察だか軍隊だか、制服の恐ろしげな人たちが交通規制で歩道を封鎖してしまう一幕もありました。

迂回を余儀なくされました。

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混雑の最中、視線を上げると、沿道の軒の上を猫たちがうろうろしているのが見えます。

ままならずのろのろと歩いている大量の人間たちを、上から目線で眺めているのでした。

上と下とで空気の流れが違います。

にぎやかさでは下の道が勝ります。

 

ようやく外灘に来ました。

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レトロビル群は、これから夜に向けてライトアップされるのですね。

夜まで待てば綺麗な夜景が拝めそうですが、早めに宿についておきたいので、ここに長居せずに浦東新区側に渡ります。

行きは観光隧道を通って来ましたが、帰りは渡しのフェリーに乗って向こう側に行きましょう。

香港旅行の際に何度も乗ったスターフェリーのような体験を期待しています。

チケット売り場で若干2元(約33円)を払い、コイン状のトークンをもらいます。

改札にトークンを通し、乗船口へ。

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しかしこの乗客の多さ。

街が人であふれている以上、当然の結果でした。

この先の厳しい乗船体験が予想されます。

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なかなか可愛らしいデザインの渡しフェリーがやってきました。

しかし待っている乗客の数からすると、中は詰め詰めになりましょう。

接岸して、皆がフェリー内に乗り込みます。

その後、乗り込んだ乗客たちは我先にと船内の階段に走って二階席を目指しました。

いい風景を、皆見たいのですね。

それにしても小さな子供の手を引っ張り引きずるようにして階段へと駆ける勢いのお母さんまでいて。

中国の人たちには、誰かが行動を起こすと皆が刺激されて一方向に殺到するような性質があるようで、私もその都度流れに乗りながら内心、怖いなと思うのでした。

上海での公共のマナー等は日本で予想していたよりもはるかに良かっただけに、群集心理で流れができる一面を見せ付けられると、複雑な思いになります。

ともあれ私も二階席に走りました。

皆と同じで、いい景色が見たかったのですね。

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二階デッキから。

まあ外灘の遊歩道から眺めるのとさして変わらない景色でした。

あまりに乗客が多くて、クルーズを楽しむ風情もなく。

香港のスターフェリー渡航のようにはいきませんね。

ただ、今回の旅もそろそろ終わりだという寂しさを感じながら、迫る浦東新区のビル群を眺めています。

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短く人口密度の高い船旅でした。

接岸です。

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渡しフェリーの浦東新区側乗り場です。

皆が出てきます。

ここから陆家嘴站に行って地下鉄に乗るのですが、駅はここからずいぶん北にあるようなのです。

歩かないといけません。

歩いている最中に周囲が暗くなり始め、私は道に迷ってしまいました。

なんとなく人の流れに乗っていたはずが、いつの間にか人がまばらになり、高級マンションらしい建物が立つ界隈へ。

街灯の明かりも頼りなく、焦りました。

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東方明珠塔を見つけてひと安心できました。

あの根元に駅があるわけですので。

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これで見納めです。

ありがとう、世界の観光地、上海。

日本のすぐ近所とは思えない、濃い異文化でした。

 

陆家嘴站から鉄道2号線で川沙站までしばしの乗車です。

川沙站から今晩の宿に向かいます。

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村というわりには駅前から大通り沿いに飲食店などが並ぶ、結構賑やかな開発具合です。

駅から離れた繁華街の中にある、ゲストハウスに一泊。

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ただ通されたのは、フロアからいったん出た階段ホール内にある部屋でした…。

もとは何の部屋だったのか、想像がふくらみます。

こんなところで一晩過ごすのも面白いですが、寝台しかないドミトリー部屋で居辛いので、いったん外に買い物へ。

おやつとお酒等を買ってきて、ロビーで就寝まで時間をつぶすことにします。

テーブルの周囲を囲む長いすの端に腰掛けました。

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初めて飲みます、哈爾浜啤酒(ハルビンビール)。

ラベルのまったり白熊イラストがいい味出してます。

口当たりのいいビールでした。

ロビーにいるのは、中国人の泊り客ばかり。

こういうゲストハウスでは客同士で雑談するのが常なのですが、どうも前夜泊まったゲストハウスもこのゲストハウスも、客同士で積極的に雑談する雰囲気でありません。

中国人の泊り客たちは、どうも外国人に関心が薄いように見受けられました。

中国人客同士では時々会話していますが、私の他にいた欧米人客が一人、寂しげに独り言を洩らしながら宿の従業員と話して場をごまかしつつ過ごしていました。

誰も彼に構いません。

私も同じように孤立して、ひとり酒です。

見かねたのか隣の席にいた人が英語で話しかけてくれました。

中国東北部遼寧省から来た人だそうです。

遼寧省というと、日本とも縁の深い港湾都市、大連が代表的です。

会話はあまり弾みませんでした。

中国人客たちは皆英語が上手に話せるのですが、積極的には話したくない様子。

もし私が中国語を話せるならば、雑談も盛り上がった、かもしれません。

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間が持たないので、フロントで青島啤酒(チンタオビール)を買って飲み続けます。

これが確か7元(約117円)とかそんなもので、後から考えましたがとても安いです。

青島啤酒自体は、香港旅行の際にヴィクトリア・ピークの山頂でいただいた過去があります。

こちらも少々苦味が勝りますが、美味しいビールでした。

中国人客たちがパソコンを触るなどして思い思いに過ごしている傍らで、一人酔いつぶれていると、何か不思議と寂しくないのでした。

上海を旅していてときどき感じたのですが、雑踏などで中国人の集団の中に混じっていると、何か不思議と居場所を与えられるような、変な居心地のよさを感じるのです。

特に何か話しかけられたりするというわけでもないのですが。

他人と他人との距離が近いせいなのかもしれません。

日本に帰属する日本人の私が、そしらぬ顔をして混じるわけですが…。

他人は他人としながら排除しない空気があって。

人があまりに多すぎたり、空気が悪かったり、商店の接客姿勢が厳しかったりしても、「上海は妙に居心地がいい」と感じた所以でした。

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