言い訳の東京旅行三日目(7)。渋谷区立鍋島松濤公園で、『街』の場面を回想した
松濤公園の様子をうかがっています。
それが明治時代になって鍋島侯爵家に払い下げられました。
鍋島家は九州の佐賀藩の大名だった家柄です。
鍋島家は明治維新で失職した佐賀藩士たちの失業対策としてここに茶園「松濤園」をつくり、元佐賀藩士たちをお茶の栽培にあたらせます。
現在でもそうですが、この土地には湧水が湧いているので、茶葉の栽培に適していたのでしょうね。
松濤公園の中に入ってみます。
なんでここへ来たかと言うと、鍋島家に関わる史跡として注目していたというよりは、やはり『街~運命の交差点~』のロケ地だからなのですね。
『街』の二人の主人公、牛尾政美(うしおまさみ)と馬部甚太郎(うまべじんたろう)のシナリオ序盤に登場する場所でした。
牛尾と馬部、この二人はそれぞれアクション俳優の松田優さんが一人二役で演じるキャラクタです。
牛尾は、最近カタギになった、元暴力団の若頭。
道玄坂にある宝石店の女性従業員にプロポーズしようとしたその場所で、かつての部下が起こした銀行強盗に巻き込まれ、警察に追われる身になります。
そして馬部は、売れない端役俳優。
渋谷をロケ地とする刑事ドラマ『独走最善戦』に暴力団組長の役を得ましたが、撮影中に失敗が多く、撮影隊の中で次第に居場所を失っていきます。
警察に追われる粗暴な牛尾と、役者を辞めようかと悩む気弱な馬部、この二人が瓜二つの外見をしていたために、偶然二人が時間差を置いて滞在した松濤公園で二人の人生が入れ替わってしまいます。
そのロケ地(ゲームのロケ地であると同時に、ゲーム中でも馬部が参加している刑事ドラマのロケ地であるという、入れ子構造ができています)の松濤公園。
牛尾と馬部のシナリオが特にお気に入りでもある私は、来てみたかったのですね。
これから存分に散策したいと思います。
砂場が囲いで覆われて入れなくなっています。
理由がよくわかりませんが、砂場に子供が自由に入ると不都合があるのでしょうか。
それとも夜のうちに狸か猪が入り込んで砂場に隠れ潜むのを妨害しているのでしょうか。
砂場と見えて神事向けの土俵、もしくは総合格闘技の試合場だったという可能性はあります。
湧水の池と水車小屋。
ここですよ。
『街』ゲーム中で刑事たちの待ち伏せにあった馬部演じる暴力団組長が、飛び込むシーンのあった池ですね。
ちなみに、撮影隊のスタッフで窪塚洋介さんが演じるADのサギ山も飛び込んでいました。
当時はさほどメディア露出の無かった窪塚さんが、初々しい若手スタッフのサギ山を好演しています。
池の周囲が斜面になっていて、外側に向けてせり上がっています。
斜面部分に階段と遊歩道が通してあるので、池を見下ろすちょっとした森を歩いている気持ちになれます。
石灯籠がありますね。
説明版を見落としましたが、紀州徳川家時代のものでしょうか、鍋島家時代のものでしょうか。
連休時には私のような観光客か、時には『街』のファンも訪れるのでしょうが、普段の週末は松濤の住人の人たちが散歩する場所なのでしょうね。
区立公園なので、公開された場所ではあるのですけれども。
私は土地の公園にお邪魔させてもらっている、という気持ちでした。
池に飛び込む前に、馬部が「撃たれた演技」をして派手に転がり落ちた階段でした。
実際に見てみると段差の小さい階段で、転がり落ちるには自分で勢いをつけないといけない、ということがわかります。
私は普通に降ります。
確かこの辺りから馬部が柵を越えて池に飛び込んだ…と記憶します。
湧水の池に水車小屋。
大都会の渋谷駅から1キロ足らずの位置にこんなのどかな風景があって、穴場ですよね。
もっとも渋谷区民ならこの公園のことぐらい知っているのでしょうけれど。
私は『街』を遊んでいなければ、ここに来ることもなかったと思います。
池の周囲を一周してました。
この後、渋谷駅方面に戻ってお昼を食べる予定なのですが、まだずいぶん時間があります。
時間が余っているのなら、しばらく水車小屋横のベンチに腰掛けて物思いに耽ろう、と思いました。
公園内に飲料自販機があって、便利です。
公園内に喫煙所も設けてありました。
東京都の公園はきっちり喫煙所をつくるところがいいな、と思います。
喫煙する場所が街中に無いと、かえって路上喫煙だとか吸殻の投棄だとかが増える要因になるのでは、と思うのですね。
かくいう私は非喫煙者なので、ベンチに座って缶コーヒーが飲めればもう満足です。
憧れだった松濤公園の池を眺めながら、心地いい時間を過ごせました。
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