言い訳の東京旅行三日目(8)。鍋島松涛公園から神泉駅。京王井の頭線に乗りたい
鍋島松濤公園の外周も歩きます。
周辺は、高級住宅地なんですね。
宅地のさなかに緑が茂っていて目の癒しです。
勾配を登った公園の北側にも出入り口があります。
『街~運命の交差点~』の篠田正志(しのだまさし)シナリオでこの松濤公園の周辺を訪れて、界隈が高所得者の住む場所であると触れられていました。
謎の組織のメンバー「木曜日」による「あなたがその気になればこの街にも住める」という言葉に、篠田は奮起するのでした。
人間希望を捨てずに行動し続ければ、必ず何事か成し遂げられるものだというメッセージに、ゲームをしている私も勇気付けられました。
心をくじく出来事があっても、あきらめないで動き続ける。
冷静さを失って無謀な気持ちになったときには、前向きにしてくれる誰かの言葉を思い出すこと。
こういう小さな習慣が大事だと、最近身に染みて思います。
『街』というゲームには、そうした自分の考え方に影響を与えるメッセージが多く込められています。
松濤公園を離れて、松濤地区を自由に散策してみます。
あんまりはめを外すと住民の方に通報されてしまうかもしれないので、努めておとなしくしています。
意味ありげな場所ですが。
渋谷区立松濤中学校の敷地外に、レリーフが設けてあるのです。
生徒さんは近所に住む人ばかりなんですかね。
戸栗美術館です。
企画展として、鍋島侯爵家の国許である佐賀産の磁器「鍋島」と北陸の「古九谷」の作品が展示されているということでした。
鍋島は、鍋島家が安土桃山時代に朝鮮半島から連れて来た朝鮮人陶工を国内に住まわせて囲い込み、佐賀藩の重要な産業として管理してきたものでした。
製陶の技術漏洩を防ぐため、陶工たちを外部と接触させないようにしたとも聞いています。
そうした厳重な管理を行って鍋島家が守ってきた鍋島。
鍋島家に縁あるこの松濤の地で鑑賞することにやぶさかではないのですけれども。
入館料が一般1000円だということで、私は素通りしました。
美術館も松濤の地価を反映した価格設定であると言えましょう。
高級住宅地の中に、「大山稲荷神社」のお社を見つけました。
私は興奮しました。
というのも、こちらは松濤に住む高所得者の方たちが信仰していることが、確実なお稲荷様であるわけです。
成功者の幸運と繁栄を保持している神様、と考えられなくはないでしょうか。
絶大な御利益に与れそうな気がします。
荒木飛呂彦の短編漫画集『岸辺露伴は動かない』に収録されていた、富豪村のエピソードを思い出しました。
当然お参りしました。
松濤界隈の雰囲気に満足して、渋谷駅方面に戻ります。
Bunkamura前に戻って来ました。
Bunkamuraの地下階にあるお洒落な書店で文庫本を買ったりしました。
文化村通りから、南の京王井の頭線の神泉駅に行きたくて南に歩いています。
アパート群の建つさなかの路地を通り抜ける形になっています。
渋谷の若者はこういうところに住んでいるんですかね。
神泉駅。
渋谷駅から吉祥寺方面に向かって一駅目のお隣です。
地図で見ると住宅街の中に小さい駅舎があるのでどんな感じかと思ったら、建物は結構大きいですね。
神泉駅から西側一帯の神泉町の町名の由来については諸説あるようですが…。
この付近に昔、弘法大師が来て泉を発見したから…なんて俗説もあるということです。
お大師様はどこに行っても湧水を出す男ですね。
最先端の街、渋谷の片隅にまでお大師様が足を伸ばしていたかと想像すると感慨深いです。
もっとも平安時代の神泉町付近は、今とは違って辺境の地もいいところだったでしょうがね。
南口です。
改札口に向かうエスカレーターの脇によさげなカフェがありますね。
駅併設のカフェまでハイセンスな神泉駅。
本当に住宅地の際々にあるんですね、駅舎が。
南口は低地になっていて、そこから駅舎の西側を通って続く坂道が西口に通じています。
なんでこんなところにつくったんだろう、と不思議なぐらいの住宅過密地帯にある駅ですね。
面白いですね。
隣に経っているマンションの部屋に電車の騒音なんかは無いのか?と気になります。
昼間はしょっちゅう電車が走っているので、騒音もあるはずですね。
西口周辺です。
このまま駅周りを一周したかったのですが、駅舎の北側は隣接するマンションとの間に通路等はなく、北側住宅街を迂回してこないと駅の東側にまわれません。
元来た坂道を降りて南口に戻りました。
駅舎の南側がぱっくり開いて、駅のホームがうかがえます。
前年の東京旅行で訪れた、東急世田谷線の三軒茶屋駅を思い出しました。
京王井の頭線は、渋谷駅を始発として神泉駅、下北沢駅、明大前駅、それから井の頭公園駅を通って終点の吉祥寺駅に向かう路線であります。
渋谷の街から個性の強い下北沢の街、そして同じく個性の強い吉祥寺の街に行ける面白い路線ですね。
いつか京王井の頭線にも乗って沿線の街を行ったり来たりしてみたいですね。
下北沢、吉祥寺以外にも、沿線には面白い街がありそうです。
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