『図説 地図とあらすじでわかる! 風土記』坂本勝
古代の日本の姿に興味があるんです、私は。
今の日本とは風景もかなり違っただろうなと想像すると、いろいろ楽しいわけなんですね。
こんな本を読みました。
『図説 地図とあらすじでわかる! 風土記』。
坂本勝氏による監修です。
『風土記』というのは八世紀に編纂された文書の一群です。
大和朝廷が、国々を支配する国司たちに命じて、つくらせた各国(地方)に関する報告書なのですね。
その内容は各地でとれる産物、地名の由来、土地に伝わる伝承などでした。
全国支配を強化するために、朝廷は各風土記によって各地の情報を集める必要があったのです。
本書では、風土記に記された各地に伝わる伝説を紹介しています。
残念なことに、現在完全なかたちで残っているのは常陸、播磨、出雲、豊後、肥前。
この五つの国の風土記だけなのです。
後の国のものは多くが戦国時代に失われてしまい、断片しか残っていません。
残った断片には、現在に伝わる天羽衣伝説、浦島太郎のおとぎ話など。
我々も知っている物語の原型とみられる伝説が記述されていました。
これらも含めて各地の伝説、今も残る地名のもともとの由来など、風土記には発見が多いです。
一部であっても風土記が残ってくれたおかげで、古代と私たちが住む現代の日本とを、つなげることができるのですね。
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