『The Girl With Seven Names: Escape from North Korea』Hyonseo Lee

洋書のペーパーバック小説への褒め言葉として、「Page-turner」なる言葉があるんですね。

つまり、先にが気になってついついページをめくる手が止まらない。

今回読んだ本も、page-turnerでした。

The Girl With Seven Names: Escape from North Korea

The Girl With Seven Names: Escape from North Korea

 

Hyonseo Lee著、"The Girl With Seven Names: Escape from North Korea"です。

朝鮮民主主義人民共和国北朝鮮)に生まれ育った著者。

彼女は17歳の頃に脱北しました。

その後、中国での長年に渡る潜伏生活を経て、韓国に難民として移り住むに至ります。

幼少期の祖国での暮らしから現在に至るまで、彼女が脱北の経緯を中心に語った自伝です。

 

タイトルにもなっている通り、著者は七つの名前を持っています。

中国での潜伏生活を通して、脱北者として追われる身であった彼女。

身分を偽り名前を変え、偽造IDを手に入れて生活していました。

密告を恐れ、北朝鮮からの脱北者であることが知られると、住む場所を変えなくてはならなくなる日々。

居場所を変える度、新たな名前を手に入れて、新しい人生を生きるのです。

しかし彼女は、どこまで行っても自分が脱北者である事実と、故郷に置いてきた家族の記憶からは逃れられないのです。

 

脱北者であり、何の後ろ盾もなく中国の最下層で生きる、潜伏者。

作中、そんな著者は何度も危機に陥ります。

その都度、彼女は機転によって危ういところで難を逃れるわけなのです。

冒険がいきいきと描かれているのですね。

扱われている内容は非常に重いものではありますが、優れた冒険小説を読むように、先の展開が気になって。

読むのを止められませんでした。

また著者は私と同世代で、私が中学生時代にニュースで見ていた北朝鮮の混乱、その同時期のかの地の内情が描かれているのはとても興味深かったです。

生まれた場所がほんの少しずれていただけで、違う宇宙に生きるようにかけ離れた生活を送ることになるのですね。

 

最後に著者がスピーチを行った、TED及びTEDxでの動画を貼っておきます。

"My escape from North Korea"。 

"Why I escaped from my brainwashed country"。

どちらも英語によるものです。

脱北の当事者として、北朝鮮人として初めてTEDの壇上に立ち、北朝鮮の内情を世界に訴えたHyonseo。

様々な試練を乗り越えてきた末に、現在の彼女があるのですね。

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The Girl With Seven Names: Escape from North Korea

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