『The Shining』Stephen King
言わずと知れたアメリカの人気作家、Stephen Kingの"IT"が再び映画化されると聞きまして。
YouTubeで映画の紹介動画を見ました。
怖くて面白そうで、ぞくぞくしますね。
以前に映像化された作品を見たことがありますが、やはり面白かったのです。
今回の映画化も楽しみですね。
ところで私、"IT"の原作小説をまだ読んだことがなかったのです。
この機会に読んでみようと思い、アマゾンで原書を注文しました。
ですが自分の中でKing気分が盛り上がり、"IT"が届くまで我慢できず、手持ちのこの本を読み始めてしまいました。
Stephen Kingのこれも人気作品、"The Shining"です。
Stanley Kubrick監督、Jack Nicholson主演で映画化された作品を見たことがある方も多いかもしれませんね。
こんな内容です。
自らの不祥事により、教員の職を失ったJack Torrance。
彼は友人の紹介によりかろうじて、山岳地帯にある歴史あるホテル"The Overlook"の冬季管理人の職を得ました。
幼い息子Dannyと妻Wendyと共に始まったOverlookでの生活。
しかし、次第にいわくのあるホテルの過去が明らかになります。
三人を襲う悪意。
Jackは不運なきっかけでのすれ違いから、妻子との関係を悪化させます。
深い雪に閉ざされた空間で、一度壊れたものを直すのは不可能でした。
幼い子Dannyは、"The Shinning"を最後の頼りに、助けを求めます。
失ったものへの後悔、失いつつあるものへの執着と絶望。
それらの感情に押しつぶされて正気を失う人も、踏みとどまって理性を保つ人もいます。
そんな人たちの心理を丹念に描写するKingの筆致に、読者は「自分はどちら側なのか?いつまで留まっていられるのか?」と自問自答することになります。
人によっては、この作品を読みながら過去の苦い記憶に襲われるかもしれません。
著者はおそらく自身の過去をモデルにしたのであろう登場人物たちを描きながら、「我々がどちら側にも成り得た」ことを思い出させようとしているようです。
読んでいて、狂気にとらわれた作中人物のことまでも愛おしく思われてくるのは、そのためなんですね。
他人のことが、自分から切り離された他人ではなく身近に思えてくる小説です。
優れた娯楽作品として最後まで読みきってしまいますが、読後は作中人物たちの思いを追体験したことで、必ず涙を誘われます。
この稀有な読書体験。
何度となく再読してしまう魅力があります。
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