東京旅行一日目(4)。等々力渓谷から野毛大塚古墳まで。いい街です

目黒区の自由が丘駅から今度は東急大井町線に乗り、次の目的地に向かいます。

自由が丘から少し西に行けばもう、世田谷区に入るのです。

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世田谷区にある等々力(とどろき)駅の南口で降りました。

等々力と聞いて思い出すのは横溝正史推理小説、金田一耕介シリーズに出てくる登場人物、等々力警部ですな。

等々力警部はこの辺りの出身って設定かもしれませんね。

等々力には等々力渓谷という東京23区内で唯一の渓谷がありまして、私はその渓谷目当てにやってきたのです。

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駅の近くにある成城石井等々力渓谷入口の目印ですぞ。

今や大阪にも店舗の多い成城石井、世田谷区成城がその発祥地であります。

本場世田谷区の成城石井はこころなしか違って見えますね。

しかしこれから等々力渓谷に行くので、買い物を我慢して前を通り過ぎます。

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成城石井等々力店の脇道に入ると、店舗の裏手に緑豊かな空間が見えてきます。

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住宅地の合間を流れる谷沢川沿いに、等々力渓谷公園があるのですね。

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渓谷内の気温は3度近く低くなっております。

階段を降りて渓谷に入ってみましょう。

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緑が多くて、ひんやり。

低地を通る谷沢川と、その周辺の樹木で日光が遮られて、空気が冷えているのですね。

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渓谷入口の上にかかっているこの橋、「ゴルフ橋」というそうです。

戦前、この橋を渡った先の一帯にはゴルフ場があったそうで、それが橋の名前の由来になっているんでしょうね。

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渓谷の北端から入る等々力渓谷公園入口。

整備された遊歩道に沿って、南下して参ります。

行楽客の方々も結構多いですね。

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遊歩道は人二人がぎりぎりすれ違えるぐらいの幅で、足元には若干湿り気があるので気をつけて歩かないといけません、滑ります。

私は切り株の飛び石の上を渡ります。

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涼しい空気に、心が落ち着きます。

東京は寒いと思って大阪から厚着して来たら、大阪よりも暑かったので散策しながら汗をかいていたんです。

等々力渓谷内の気温が、ちょうど心地よく感じられました。

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ゴルフ橋とはまた別の橋が頭上にかかっています。

玉沢橋です。

あの上を環八通り都道311号線)が通っているのですね。

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玉沢橋のたもとにはイタリア料理店があって、渓谷から店舗まで階段で上がって行けるようになっています。

あのお店、以前にテレビ番組で見た覚えがあります。

私はこのまま渓谷内を進みましょう。

 

渓谷の中には都史跡の「等々力渓谷3号横穴」もあります。

この横穴、古墳なんですね。

等々力渓谷周辺の土地には古代から人が住み着いていたのですね。

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涼しくて日差しの遮られた渓谷内に古墳、日が暮れたらちょっと怖い風景になるかもしれません。

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古墳の入口にはガラス板がはめられて、ライトアップされた内部を外から覗き見できるようになっています。

石が敷き詰められて、予想したよりも立派な石室内部でした。

古代の東京人が故人のために、渓谷の崖を利用して古墳を設けた苦労が忍ばれます。

 

さらに渓谷内を進みます。

渓谷の南端には修験道の行場があります。

そこから階段を上って地上に出てきました。

等々力不動尊という寺院です。

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地上部分には不動尊の本堂、拝殿等の建物があります。

この等々力不動尊、近くにある満願寺という真言宗智山派の寺院の、別院として建てられたそうです。

この本堂から渓谷に下りたすぐのところに、滝と行場があるのですね。

修験者の方が修行として滝に打たれる場所なのです。

私の地元、南大阪にある滝谷不動尊の行場と雰囲気がよく似ていました。

滝壺など、自然豊かな天然の水場というのは、修行場として適しているのです。

そういう場所に、おのずと不動尊が祀られ、修験道の行場ができるのですね。

どこの土地に行っても、人は似た環境に似た場所をつくりあげるものだと感心します。

大阪の郊外であっても東京の郊外であっても、人の成すことにあまり変わりはないのですね。

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とはいえ等々力不動尊の周囲はいい感じの住宅地になっており、山の上にある大阪の滝谷不動尊とは周囲の環境が違いすぎるな、と実感しました。

私が修験者なら滝谷の石川沿いに住むより、等々力の谷沢川沿いに住んで、等々力不動尊の方にたまに修行しに来たい。

修行だか何だかわかりませんが。

南大阪人なりにフォローすると、石川沿いの環境も風光明媚で、いいところではありますけれどね。

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等々力不動尊から少し歩いたところに大きな古墳があるというので、そこまで歩いてみることにしました。

住宅地の中を行きます。

この辺りは、公務員宿舎が集まる界隈でもあるようですね。

高台の上の、落ち着いた一角ですね。

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宅地造成中の更地越しに、遠景のビル群を眺めました。

私は方向音痴なので、どこのビル群かわからないのが残念です。

後で調べたところによると、どうも神奈川県の武蔵小杉の街のビル群だったようです。

東京の街じゃなかったんですね。

等々力は多摩川の上を走る東京都と神奈川県の県境近くにあって、神奈川県側にも川崎市等々力という町名があるんだそうです。

境界の土地、等々力です。

 

話が脱線しましたが、古墳に向かいます。

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間もなく野毛大塚古墳に到着しました。

玉川野毛町公園内にあります。

戦前のゴルフ場コース跡地がこの公園になったのですね。

古墳はそのゴルフ場ができるよりも遙か以前からここにあるわけですね。

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これはかなり大規模な古墳ですな。

周辺では地元の子供たちが遊んでいて、なごやかな雰囲気です。

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この台地の先に築山が乗った古墳の形。

帆立貝式前方後円墳というそうなんですけれども。

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既視感。

以前に地元南大阪の、古市百舌鳥古墳群でこんな感じの古墳を見ていました。

そちらは帆立貝式古墳ではないのですけれどね。

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築山上に上れる古墳。

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副葬品として甲冑、刀剣、鏃など武具を始めとした様々な品が出土しています。

等々力を含む武蔵国の有力な豪族の墓所だったようですね。

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現代の東京人は日本各地にルーツを持つ人が多いと思います。

ではこの古墳に眠っていた豪族の子孫がもし現代に残っていたら、今はどこに暮らしているのだろうか…と想像しました。

今でも東京に住んでおられるのでしょうか。

そうだとしたらその人は生粋の東京人、武蔵人…と言うことになりますかね。

いったいどんな人なのか、会ってみたいものです。

よし、わかった!

加藤武が演じた等々力警部みたいな人かもしれませんね。

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野毛公園前から、環八通りを歩いて等々力駅まで戻ります。

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玉沢橋のたもと、イタリア料理店の前を通りかかりました。

「OTTO」というお店でした。

Ottoって数字の8の意味ですから、環八通りにかけたんでしょうね、たぶん。

イタリア料理、いいですね。

でも私はお昼にラーメンとハンバーガーセットまで食べてしまい、もう何も食べられません。

本日は夕食無しでもよさそうです。

 

等々力駅から渋谷駅を経由して新宿駅に至り、新宿区内のゲストハウスに一泊いたしました。

ドミトリー部屋で同室の外国人観光客の人たちから東京情報をいろいろ教わり、勉強になりました。

外国人観光客の人たちは例外なく日本についてよく知っていて、英語圏の出身でなくても上手に英語を使いこなす人が多いです。

自分はもっと英語、それに日本のことも学習しないと…という劣等感を覚えるほどでした。

東京の都会を歩いていると、大阪とは比べ物にならないぐらい大勢の外国の方々が歩いていて、外国語の需要を強く感じます。

日本で随一の、異質な大都会東京の面白さを、全身で味わったのでした。

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