2019年夏東京八王子旅行二日目(6)。八王子市郷土資料館の庚申塔群。産千代稲荷神社、大久保長安陣屋跡
信松院のお参りを済ませました。
お寺の前を通るこの南大通りを、東方面に歩いていきます。
信松院から数百メートル進むと八王子市郷土資料館があります。
消防署の隣の建物です。
えらい年季の入った建物ですな。
敷地内に、八王子市内から集められた庚申塔が安置されています。
八王子も庚申信仰が盛んな土地だったのでしょう。
大阪の地元であまり庚申塔を見たことがないので、信仰の地域差もあるのかと思います。
前に渋谷の神社の境内でも見たので、私の中では東京は庚申の信仰が盛んなイメージです。
二宮金次郎先生の像もありました。
元は市内の小学校にあったものだそうです。
二宮金次郎の像、好きです。
郷土資料館の中を見学して、八王子の歴史についてざっと学びました。
中世の小田原北条氏の支配についての展示もありましたね。
ところで今調べた知ったのですが、八王子市郷土資料館の展示、2021年の3月31日付けで閉館してしまっていたそうです。
郷土資料の展示については、同年6月12日にオープンした「桑都日本遺産センター八王子博物館」で見られるということです。
新しい博物館は、JR八王子駅南口から直結する「サザンスカイタワー八王子」ビルの3階に出来ました。
次に八王子に行く機会には、そちらにもお邪魔したいですね。
郷土資料館から南大通りを西に戻り、第七小学校前の交差点で北に折れます。
踏切でJR中央線の線路を通り越した先に、緑の盛り上がりが見えます。
産千代稲荷神社です。
元々この一帯は八王子代官の大久保長安の屋敷跡だったそうです。
産千代稲荷神社も、鬼門除けの守護神として屋敷内に勧請されたお社だったと。
そういう解説が現地の案内板にありました。
灌木で隠れてますが、八王子市指定史跡で石碑が立っています。
「大久保石見守長安陣屋跡」です。
「長安 陣屋井戸」が境内に保存されています。
見た目新しそうに見えますが、おそらくは長安の時代に使用していた井戸を改修したものなのだろうと思います。
長安の陣屋はJR中央線の北側に隣接する小門町(おかどちょう)全域と、線路を挟んだその南側の上野町の一部にまで広がっていたそうです。
土木建築に通じ、佐渡、石見等の全国の鉱山の支配と管理を任された長安は、当時絶大な権勢を誇ったと伝わります。
在りし日の彼の屋敷も立派なものだったであろうと想像できます。
ところが長安の死後わずか数か月で、大久保一家は幕府から長安による生前の不正蓄財を問われて、長安の息子たちが全員死罪を言い渡されてしまいます。
広大な陣屋も、その後に破却されてしまったのではないだろうかと思います。
産千代稲荷神社の西にある小門公園です。
案内板が立っていますね。
中央に「元禄9年検地地図『成内家文書』」を載せてくれてあります。
元禄9年は、大久保長安の死後80年ほど経った頃ですね。
その頃に描かれた現地の地図で、長安の陣屋跡は畑になっています。
長安が創設した八王子千人同心の組織も陣屋も幕末まで残りましたが、大元の長安のいた痕跡自体は、希薄になってしまったのですね。
形ある場所としては、もう大久保土手、産千代稲荷神社くらいなのでしょう。
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