宝くじの金額
また次のジャンボ宝くじが発売されようとしている。
今度のは年末ジャンボ、いわば今年のジャンボ宝くじの締めくくりである。
当然、私も年末ジャンボに3000円ばかり張り込んで当選を狙うつもりなのだが、いい加減宝くじに飽きてもいるのだった。
当たったためしがない。
6月のドリームジャンボ。
8月のサマージャンボ。
10月のハロウィンジャンボ。
12月末の年末ジャンボ。
そして3月のバレンタインジャンボ。
毎年五回、ジャンボ宝くじの発売時期がある。
その度に3000円前後、自分にとっては少なくない額を張り込んで、何が残るというのか。
何も残らない。
いや、当選すれば賞金が残るのだが、当選はしない。
私は当選はしない運命の下に生まれている以上、賞金もあてにしてはならないのだ。
あてにはしないけれど、万が一当たってくれはしないだろうか、という束の間の夢を買うために毎回3000円前後を費やしている。
年五回、全てのジャンボ宝くじ毎に3000円使えば、年間の費用が1万5000円。
これを一年間、束の間の夢を買わずに我慢するだけで、1万5000円もの大金が懐に転がり込んでくる。
仮に五年間、夢を買わずに耐えることが出来れば、7万5000円。
果たして向こう五年間ジャンボ宝くじを買い続けたとしても、7万5000円という額の賞金を、当選により得ることができるだろうか。
自分の直感に頼って断言するが、かなり難しいだろう。
この現実を踏まえたうえで、それでも私はおそらく、向こう五年間ジャンボ宝くじを買わずにはいられない。
7万5000円の現実的な金額よりも、五年間、ジャンボ宝くじの期間中は億万長者になれる、そんな夢を見られる快楽が勝るから。
自己分析すると、そうなる。
ただ実際は、そんな損得勘定で夢の価値を冷徹に測ったうえの購入かというと、そうではない。
なし崩し的に、本能に従ってジャンボ宝くじを買い続ける。
それが自分の現実だ。
万が一、まかり間違って自分のような者のところに大金が転がり込みはしないか。
そんな夢でも無ければ生きられない。
7万5000円で夢を買い続けることでかろうじて、生きる希望を留めている。
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