『手間のかかる長旅(011) 果てなく続く中洲の上で』

川の流れに揉まれ磨かれて、小さくなった玉のような石が集まって、川原はできているのだ。 時子(ときこ)はその上を歩いている。 靴裏にあたるそれらの石の感触は、硬いのか柔らかいのかはっきりしない。 歩こうとすると歩ける、ということだけは確かだ。 滑りもしなければ引っかかりもせず、無難な歩き心地である。 邪魔…