『手間のかかる長旅(013) 警官の疑惑の視線にさらされる』

こういう人は始末に終えない。 芝生の上で眠り続ける町子(まちこ)の寝顔を見ていると、時子(ときこ)は憎む気持ちにはなれないのだった。 さらに何度か友人の体を揺さぶってみたが、曖昧に小さな声を出すばかりでやはり起きない。 あきらめて、時子はその場に仰向けに寝転んだ。 空の雲行きはいい。 先ほどみた奇怪な悪…