『手間のかかる長旅(022) 町子はスマートフォンの達人』

時子(ときこ)は妄想世界の中である。 町子(まちこ)は食事を咀嚼しながら、そんな時子の顔をしげしげと見ている。 「時ちゃん…」 時子は我に返った。 「うん?」 「何を妄想したの?」 表情を読まれたらしかった。 「え、別に何も妄想してないよ」 時子は慌てた。 「何か妄想してる顔だったよ」 「私は何も」 「教えて…