『手間のかかる長旅(027) 同情的な警察署員』

話し終えた時子(ときこ)に、目の前の警察署員は驚きの目を向けていた。 「本当ですか」 若干疑いを持った声である。 ただ、それは仕方がないと時子は思う。 自分も土手で会った警官の態度にはいまだに納得できていないのだ。 時子は、おずおずとうなずいた。 その反応を見て、彼女が嘘をついていないと相手も納得したら…