『手間のかかる長旅(028) 警察署の食堂にて』

美々子(みみこ)はうなだれている。 「ごめんね、時子」 四角いテーブルを囲んで、時子(ときこ)、町子(まちこ)、美々子は簡素なビニール革の椅子に座っている。 警察署の最上階にある食堂に、三人はいる。 食堂内でも隅の、窓際のテーブルを選んで座っていた。 近くの席に、他の利用客はいない。 三人は、自分たちの…