『手間のかかる長旅(031) 美々子に執拗に迫る町子』

町子(まちこ)は美々子(みみこ)の顔色をうかがっている。 美々子は美々子で町子の視線を避けていた。 喧嘩と挑発は受けて立つ常の美々子からは考えられない態度だ。 横で見ていて、時子(ときこ)は気を揉んだ。 「美々ちゃん、私思いついた」 町子は美々子を上目遣いに見ながら言った。 「な、何よ」 美々子はわざとら…