『正体不明のチラシ束』

義雄(よしお)はむかむかしている。 アパートの自室で朝起きて、郵便受けに新聞を取りに行くと、中にいっぱいものが詰まっている。 大量の古い広告チラシである。 どれも裏地が白く、その裏側に太字のマジックペンで手書きの文章が書きなぐられている。 それは「帰れ!」だの「お前が引っ越せ!」だの「不細工!」だの、…