『心を読む、おうどんの達人』

おうどんおうどん。 おうどん大好き。 おうどんを食べよう。 などと鼻歌まじりに歌いながら、うどん店のおやじがうどんを茹でている。 よっぽどうどんを茹でるのが好きな人なのだな、と義雄(よしお)は思った。 改札を出てきたばかりの義雄の鼻先に、鰹節の香りが優しく漂ってくる。 駅構内である。 立ち食いうどんの店だ…