『熊殺しと異常な五人』

どこかで見たような奴が前のめりになって、覚束ない足取りで歩いている。 大きな男で、頭から血を流していた。 学生だ。 学生服の黒い上着が、ぼろぼろである。 前がはだけて、白いシャツと胸板がのぞいている。 歩き方も頼りない。 意識朦朧としているのかもしれない。 通行人たちは、遠巻きにして見ている。 ああいう訳…