『手間のかかる長旅(048) 勘に優れる友人の所見』

アリスは目を細めてカウンターの方に視線を送っている。 「怪しいと思ったが幽霊なら仕方ないにゃ」 口元でつぶやいた。 彼女がこの店を嫌ったらどうしよう、と時子(ときこ)は心配になる。 この店を知ってからまだ四日目だが、時子は居心地がいいのだ。 友人たち皆がこの店を気に入るよう、仕向ければならない。 「怪し…