『手間のかかる長旅(057) ヨンミがうらやましい時子』

時子(ときこ)は、友人のヨンミを部屋にあげている。 こうなった以上は、なんであれ今晩は彼女を泊めなければ、と時子は思った。 「まあ、とりあえずは今晩は泊めるよ」 畳の上に二人であぐらをかいて向かい合っている間に、時子はヨンミに言い渡した。 「ね、かむさはむにだ」 ヨンミはその場で若干居住まいを正して、頭…