『手間のかかる長旅(061) 住宅地にそんなものもある』

朝食後、時子(ときこ)はヨンミを案内して自宅の周辺を散歩することになった。 周辺は、何の変哲もない郊外の住宅地である。 特に見るものもないが、昼の待ち合わせまでかなり間があるので、軽く時間をつぶそうと時子は思ったのだ。 二人で部屋にいて、それぞれ会話もなく手持ち無沙汰にするのも辛い。 ヨンミに散歩を提…