『手間のかかる長旅(062) 古墳とご飯』

坂道を登って雑木林を抜け、小さく開けた場所に出た。 時子(ときこ)とヨンミは、盛り上がった古墳の裾に立っていた。 「わりと大きいね」 時子は感心して声をあげた。 古墳は、土を持った円形の小山だった。 数メートルの高さがある。 小山の斜面の上部に、ぽっかりと開く空洞が見えた。 古墳を発掘した跡のようだ。 小…