『手間のかかる長旅(063) 二人はお米で頭がいっぱい』

二人は朝食にトーストを何枚も食べて出てきたのだ。 だが古墳を見て、かまどとお釜とご飯とを連想した時子(ときこ)とヨンミは、それぞれご飯に心を奪われた。 前夜、夕食の際に十分なご飯を食べられなかったことが、心残りでもあった。 「なんか、ご飯食べたくなったね」 古墳の築山から下りながら、時子はつぶやいた。 …