『バス停の雨宿り』

旅先の午後である。 自然の豊かな地域の道路沿いを、義雄(よしお)は歩いていた。 急に空模様が怪しくなった。 と思うが早いか、激しい雨が降り始めた。 頭と肩に、冷たい雨が落ちてくる。 義雄は慌てて走った。 雷まで鳴っている。 義雄は、雷は苦手である。 空で雷の鳴る間隔が、次第に短くなっていく。 急速に雨水に覆…