『瞬殺猿姫(18) 三郎は、猿姫を城主に会わせたくない』

猿姫(さるひめ)に深呼吸をうながし、落ち着かせたところで。 織田三郎信長(おださぶろうのぶなが)は、ようやく彼女を放した。 「お座りくだされ、猿姫殿」 蜂須賀阿波守(はちすかあわのかみ)が寝そべっている傍らを、手で示した。 「嫌だ」 猿姫はかぶりを振って、抵抗する。 「そんなことをおっしゃらずに。拙者も…