『瞬殺猿姫(24) 毒見をした猿姫』

猿姫(さるひめ)は、織田三郎信長(おださぶろうのぶなが)の膳を覗き込んでいる。 「作為を感じる」 厳しい目をして、つぶやいた。 彼女を見守る三郎の表情が強張る。 「毒を盛られているかもしれない」 「まさか」 三郎は、引きつった声で言った。 「拙者を毒殺して、何の得になるのであろう」 「そんなことは、毒を盛…