『狭い公園で、にんにく』

すれ違いざま、何気なく、相手の顔を見上げた。 若い男だった。 義雄(よしお)の顔を見返しながら、こちらに白い歯も露わに、笑顔を見せている。 誰だ、と義雄は思った。 男性は笑顔のまま、どうも、と喉の奥で声をあげる。 何か、親しげな笑顔をこちらに向けている。 義雄にうなずきかけながら、通り過ぎていく。 義雄の…