『手間のかかる長旅(089) こまめな助言のアリス』

アリスの笑みを、時子(ときこ)は絶望的な気持ちで見返した。 「たぶんそんな仕事は最初からないよ」 自分にできそうな仕事なんて、思い浮かばない。 時子の表情を見て、アリスは頬をふくらませた。 「何を言う。何かしらある」 「ないと思う」 「あるよ。調べてみれば」 端末を触るようにうながしてくる。 仕方なく、時…