『瞬殺猿姫(38) 猿姫たちは抜け穴の先、三の丸へ』

一行の主である、織田三郎信長(おださぶろうのぶなが)。 彼は、しきりにうなずいていた。 「下総守殿が仰せられる通り。国の強さとは、民の強さ。我ら武家は、あくまで民を陰ながら主導する者であるべきでござる」 先の、神戸下総守利盛(かんべしもうさのかみとしもり)の発言を、全面的に支持するものであった。 三郎…