『瞬殺猿姫(42) 食いつめる猿姫たち』

織田三郎信長(おださぶろうのぶなが)は、平気な顔で立っている。 猿姫は、おそるおそる彼の顔を見上げた。 「三郎殿」 「なんでござる」 三郎は何気なく振り返った。 彼に伝えるのが心苦しい。 猿姫は、唾液を飲み込む。 「実は…」 「なんでござる」 「あの…」 言葉に詰まる。 三郎は、首をかしげた。 「なんぞ支障でも…