『瞬殺猿姫(43) 泥鰌を捕る猿姫、三郎の涙』

猿姫は、棒を器用に操った。 「やっ」 水田の中から、棒先で泥ごと跳ね上げられて、泥鰌(どじょう)が宙に飛んだ。 「えいっ」 と勢いをつけて、猿姫は体を躍らせ、腰に結わえたびくで落ちてきた泥鰌を受ける。 宙を舞った後、泥鰌はびくの中に収まる。 泥が飛び跳ねる。 泥鰌を捕る度、びくは重くなっていく。 猿姫は、…