『奴に餌を与えないでください』

展望台の下は崖である。 胸の高さまである柵ぎりぎりまで近づいた。 ミコは上体を乗り出して、下をのぞいた。 誰かの頭頂部が崖下数メートルのところにあった。 巨大な頭頂部だ。 巨人が崖下にいるのだった。 「ひっ」 思わず声をあげてしまった。 ミコの声に巨人は反応した。 巨大な頭頂部が後ろに沈んで、同時に巨人の顔…