『瞬殺猿姫(39) 猿姫を迷わせる一子の言葉』

棒の切っ先を、いつでも相手の喉元に突き立てられるように。 猿姫(さるひめ)は、棒を構えて腰に引きつけている。 目の前に立つのは、忍びの女、一子(かずこ)。 月明かりの下に、素顔を晒している。 「貴様と取引することなどない」 答えながら、ひと息に突き殺してしまえ、という声を聞く。 心のどこかで、怒り狂った…