『週末ソウルでちょっとほっこり』下川裕治

週末ソウルでちょっとほっこり (朝日文庫)

去年、韓国に旅行して以来かの国に魅せられ、読む本も韓国関連書籍を選ぶ頻度が上がってます。

もともと旅行作家の下川裕治氏の本は、好きで何冊か読んでいたのです。

その下川氏が韓国はソウルをめぐっての本を今年の夏頃に出されていたので、購入しました。

韓国関連書籍は数あれど、書店で手に入る韓国紀行本となると以外と少なく、貴重なんですね。

率直に言うと私はその類の韓国本に、飢えていたわけです。

ソウルの現地情報、加えて下川氏がソウルをネタにどんな文章を書くのかも楽しみで、読ませていただきました。

韓国を何度も訪れ、韓国語がわからないなりに現地での独特な習慣、風俗などよく観察している下川氏。

韓国中華料理、ソウルを守る城壁道の散策、温泉マーク宿(モーテル、日本で言うところのビジネスホテルとラブホテルの中間的存在)での体験など。

一般向け観光ガイドにはあまり出てこない題材を通して韓国社会を考察されています。

韓国の風景は日本のそれによく似ているようでいて、強烈な個性を含んでいるのです。

ひとつにハングル文字(韓国語・朝鮮語を表記する文字)の存在が大きいです。

街中は、ハングル文字の看板だらけ…。

観光案内版などには英語か日本語が併記されていることもありますが。

お店のメニューなど基本的にはハングルだけです。

ハングルが読めない旅行者は、例外なくハングルの氾濫に飲み込まれます。

ハングル文字の渦に翻弄されることを楽しめるならよし。

そうでなければ正気を失うでしょう。

下川氏の場合は、英語と、指差しなどジェスチャーを駆使するスタイルで辛くも韓国での滞在を乗り越えています。

私もハングルは若干読めるものの韓国語での会話ができない状態で旅行しましたので。

下川スタイルに共感すると共に自分の旅の記憶が蘇ってきて、嬉しくなりました。

 

日本人が韓国を訪れて味わうことになる違和感とも何ともつかない不思議な感覚…。

これを読書で疑似体験できる、稀有な一冊です。 

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