2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『手間のかかる長旅(067) ヨンミの進退』

例の女性従業員がテーブル横に瞬間移動してきた。 時子(ときこ)とヨンミの前に水のコップを置く。 美々子(みみこ)と二人でメニューを見ていたヨンミは、驚いて従業員を見た。 ヨンミに笑いかけて、従業員はカウンターの方に戻って行った。 ヨンミの顔つ…

今日の即席麺この一杯。열라면(ヨルラミョン、熱ラーメン)

皆様こんにちは、金比羅系です。 嬉しい韓国即席麺のお時間がやって参りました。 本日の一杯はこちら。 열라면(ヨルラミョン、熱ラーメン)です。 前回の即席麺記事でご紹介した진라면 매운맛(ジンラミョン辛口)と同じく、오뚜기(オットギ)から発売され…

『田んぼが電池になる! 小学生にもわかるハシモト教授のエネルギー講義』橋本和仁

石油、原子力等を用いた既存のエネルギーで私たちの生活は成り立ってます。 それらを利用することの利点は大きかったのですが、昨今その負の面も目立つようになってきました。 となるとそろそろ、新たな次世代エネルギーが見つからないのかどうか。 気になり…

『恐山 死者のいる場所』南直哉

日本の霊場、恐山。 いったいどんなところなのでしょう。 恐山: 死者のいる場所 (新潮新書) 『恐山 死者のいる場所』、南直哉氏の著作です。 筆者は曹洞宗の大本山、永平寺で長らく修行された後、恐山を管轄する曹洞宗の寺院に勤めておられます。 本書は著者…

『龍の棲む日本』黒田日出男

「日本は私が思っていたような国ではなかった!」という驚きを体験するするためにですね。 日夜、本を読んでいるわけなのです。 龍の棲む日本 (岩波新書) 黒田日出男氏の『龍の棲む日本』です。 現代に生きる私が「日本の国土」と聞いて連想するのは、日本地…

『手間のかかる長旅(066) ヨンミと美々子の仲』

時子(ときこ)とヨンミ、二人で歩いて例の喫茶店にやってきた。 ヨンミは若干緊張している。 家出してきた訳を、町子(まちこ)と美々子(みみこ)に説明するのだ。 何かにつけ緩い町子はともかく、美々子は厳しいところがある。 当事者のヨンミでなく、時…

『なにもない旅 なにもしない旅』雨宮処凛

「自分探しの旅」なんて言葉があります。 確かに、旅すると頭の中が自分自分の自意識でいっぱいになるんですよね。 なにもない旅 なにもしない旅 (知恵の森文庫) 雨宮処凛氏の紀行文、『なにもない旅 なにもしない旅』です。 この本は、私が今までに読んだ旅…

『オリオン座はすでに消えている?』縣秀彦

観測できる星の姿って、今現在の星の姿とは時間差があるんですね。 オリオン座はすでに消えている? (小学館101新書) 縣秀彦氏の著作『オリオン座はすでに消えている?』を読みました。 冬の空で見られるオリオン座。 皆様ご存知ですよね? ギリシャ神話に出…

『ホーダー 捨てられない・片づけられない病』ランディ・O・フロスト、ゲイル・スティケティー

時折テレビ等で「ゴミ屋敷」だ、「猫屋敷」だ、と何かを異様に溜め込んでしまう人たちが報道されますよね。 だいたいにおいて「困った人たち」という視線で報道がなされますよね。 周囲の人は迷惑するので、無理もないのですけれども。 でも何となく、彼らの…

『水田の女性と案山子』

義雄(よしお)は水田の合間を通る細道を、とぼとぼ歩いている。 ところが近くで大きなわめき声を耳にした。 反射的に身を屈めて、盛り上がった垣の陰に隠れた。 「あなたを殺して私も死にます」 水田の泥の中に踏み込んでいる女性がいる。 足先を泥に浸して…

『英語にあきたら多言語を! ポリグロットの真実』トニー・ラズロ

広い世の中にはポリグロット(多言語話者)という人たちがいるんですね。 どういう人たちなのか、ざっくり言ってしまえば、いくつもの言語を使いこなせる人たちなわけです。 そんなポリグロットがどんな日常生活を送っているのか、気になりますよね。 英語に…

『東洋天文学史』中村士

韓国の慶州に旅した際に「東洋最古の天文台というものを見ましてですね。 それ以来、アジアの宇宙観について関心が尽きないのですよ。 東洋天文学史 (サイエンス・パレット) 中村士氏の『東洋天文学史』です。 東洋、加えて日本での天文学の歴史について述べ…

『イタリア「ケルト」紀行 キサルピナを歩く』武部好伸

どの国にも、古代の異民族の記憶が残っているものです。 イタリア「ケルト」紀行 『イタリア「ケルト」紀行 キサルピナを歩く』、武部好伸氏の著作です。 ケルト人の痕跡を求めてヨーロッパを巡っておられる著者が、北イタリアを旅したエッセイです。 私の印…

『日本の深層文化』森浩一

パン食をとることが増えてお米を食べる回数も減りました。 でも依然として、日本人の食卓を代表する主食として思い浮かぶのはお米です。 この主食としてのお米も、昔はそうではなかったのですね。 日本の深層文化 (ちくま新書) 数年前に逝去されました、森浩…

『手間のかかる長旅(065) ガムは苦手な時子』

おなかがいっぱいで動くのが辛かったが、そろそろ出かけないといけない。 ヨンミが身の回りのものをまとめて、持参したボストンバッグの中に片付けている。 その仕草を眺めながら、時子(ときこ)は歯磨きした。 先ほど二人で食べたキムチは美味しかったが、…

『手間のかかる長旅(064) おやつにご飯とキムチ』

結局ヨンミは時子の自室まで、購入した米袋総量10キロを運んでくれた。 ヨンミは小柄な女性で、特に力持ちにも見えなかった。 その彼女が自室までの短くはない道のりを、文句のひとつも言わず重い米袋を運ぶ姿に、時子は感銘を受けた。 もしかしたらヨンミな…

今日の韓国動画。離島に物資を届ける、なんでもトラック

私、韓国の諸々が好きなんですね。 でも韓国語はまだ初級者なんです。 それでリスニング対策としまして、Youtubeで韓国語の面白そうな動画を探すのに余念がないわけです。 韓国ドラマを見る気分になれないときにも、ドキュメンタリー番組なんて、結構いいで…

『手間のかかる長旅(063) 二人はお米で頭がいっぱい』

二人は朝食にトーストを何枚も食べて出てきたのだ。 だが古墳を見て、かまどとお釜とご飯とを連想した時子(ときこ)とヨンミは、それぞれご飯に心を奪われた。 前夜、夕食の際に十分なご飯を食べられなかったことが、心残りでもあった。 「なんか、ご飯食べ…

『手間のかかる長旅(062) 古墳とご飯』

坂道を登って雑木林を抜け、小さく開けた場所に出た。 時子(ときこ)とヨンミは、盛り上がった古墳の裾に立っていた。 「わりと大きいね」 時子は感心して声をあげた。 古墳は、土を持った円形の小山だった。 数メートルの高さがある。 小山の斜面の上部に…

『失くした傘の行方』

どこかに、傘を置き忘れてきたらしい。 しかし大事に使っていたものなので、自分がうっかり忘れてきたというのが信じられなかった。 もしかしたら、置き引きにあったのかもしれない。 それで然るべき窓口に言って、傘を失くしたと伝えたら、小船に乗せられた…

『戦国関東の覇権戦争 北条氏VS関東管領・上杉氏55年の戦い』黒田基樹

最近私の中で、関東の戦国大名、北条氏への関心が深まっておりまして。 北条氏、渋いですよね。 で、そう言えば北条氏関連の新書を持ってたな~と思って本棚を整理してみたんですね。 戦国関東の覇権戦争 (歴史新書y) 黒田基樹氏の著作『戦国関東の覇権戦争…

『手間のかかる長旅(061) 住宅地にそんなものもある』

朝食後、時子(ときこ)はヨンミを案内して自宅の周辺を散歩することになった。 周辺は、何の変哲もない郊外の住宅地である。 特に見るものもないが、昼の待ち合わせまでかなり間があるので、軽く時間をつぶそうと時子は思ったのだ。 二人で部屋にいて、それ…

『Dave Barry Does Japan』Dave Barry

日本は外国人からどう見られているのか? 気にする人は多いみたいです。 ただどう見られているのかを知ったところで、その結果を活かすも殺すも日本人次第ですよね。 Dave Barry Does Japan コラムニスト、Dave Barryによる日本滞在記、『Dave Barry Does Ja…

『手間のかかる長旅(060) 二人の朝食』

翌朝、部屋は冷え冷えとしている。 時子(ときこ)が目覚めたとき、彼女はヨンミと抱き合う格好になっていた。 寒かったので、お互い同じ寝具の中で丸まるうちに、抱き合っていたらしい。 人間二人で抱き合って寒さをしのぐ話を、登山小説か何かで読んだこと…

『大人の探検 古墳』大塚初重

最近古墳巡りに目覚めてからというもの、何度となく読んでいます。 大人の探検 古墳 『大人の探検 古墳』。 大塚初重氏による監修です。 古墳発掘の第一人者である大塚氏と、当編集者の男性が、二人で関東、近畿、中国、九州の古墳を巡ります。 イラストが多…

今日の即席麺この一杯。진라면 매운맛(ジンラミョン辛口)

韓国即席麺を時々食べないと、物足りなくなりますよね。 禁断症状ってやつですね。 久しぶりにそれが出たので韓国即席麺を食べましたよ。 今日の一杯はこちら。 진라면 매운맛(ジンラミョン辛口)です。 오뚜기(オットギ)から発売されております。 麺のほ…

『悪役レスラーは笑う 「卑劣なジャップ」グレート東郷』森達也

私は、外国で生きた日系人たちの話に関心があります。 ですが、この本で取り上げられた彼はかなり異色でした。 悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷 (岩波新書 新赤版 (982)) 森達也氏のルポルタージュ、『悪役レスラーは笑う 「卑劣なジャッ…

『地蔵菩薩 地獄を救う路傍のほとけ』下泉全暁

私は特別、信仰心が篤いわけではないんですけれど。 古くからある街道沿いなんかを歩いていると、お地蔵さんの祠がありますよね。 そんなお地蔵さんに出くわしたときは、拝みたくなります。 私たち旅人の安全を見守ってもらっているような気になるのですね。…

『韓国天才少年の数奇な半生 キム・ウンヨンのその後』大橋義輝

子供の頃に神童、天才少年少女と呼ばれた人たちが成長してどんな人になったのか。 気になりますよね。 ただ平穏に暮らしている人の私生活を探るというのは、どうしても後ろめたさがつきまといますが…。 韓国天才少年の数奇な半生―キムウンヨンのその後 大橋…

『輪廻する宇宙 ダークエネルギーに満ちた宇宙の将来』横山順一

宇宙のことはいつも気になるけれど、天文学の難しい話はよくわからない。 そんなわけで、天文学関連の本は敬遠しがちだったのですが。 面白そうなタイトルの本があったので読みました。 輪廻する宇宙 ダークエネルギーに満ちた宇宙の将来 (ブルーバックス) …